写真・動画撮影のライティングにおすすめの定常光(ビデオライト)をご紹介していきたいと思います。
定常光は写真撮影でよく使われるストロボと比較しても扱いやすく、動画撮影でも使える優れた照明機材です。
ライティングの結果が目で見えるので初心者でも扱いやすいですが、本格的な定常光ともなれば映画制作や番組制作プロの現場でも多用される奥の深い機材です。
今回は定常光の特徴、役割から失敗しない定常光の選び方を解説した上で、おすすめの機材をいくつかご紹介していきます。
この記事を書いた人
プロカメラマン小野友暉
大阪で活動するフォトグラファー / 映像クリエイター。年間書籍「プロカメラマンFile」2018-2020に選出&掲載。日本最大の写真の祭典「関西御苗場2018」でレビュアー賞獲得。仕事では広告写真や動画制作、写真教室講師等務める。毎月20〜30万円のガジェットや機材を購入するガジェットマニア。
定常光(ビデオライト)の役割・特徴
定常光(ビデオライト)とは文字通り、常に安定した光を発光する照明機材になります。定常光には「明るさが足りないところを補う」、「色や質感を調整する」、「被写体の立体感を作る」といった役割があります。
写真撮影でよく使われるフラッシュやストロボはシャッターを切った瞬間だけ光るのに対し、定常光は常に一定の光を発光し続けます。
撮影後の結果が前もって肉眼で見えるので、ライティングの作り込みも見ながらできます。
なので初心者の方でも容易にライティング撮影ができます。
失敗しない定常光ライトの選び方
定常光ライトは数千円で購入できる安いものから数十万円する高価なものまで様々です。用途にあった買い物ができるよう、失敗しない定常光の選び方としてチェックしておくべき項目をご紹介します。
1静音性で選ぶ
写真撮影時にはあまり関係ないですが、動画撮影に定常光を使う場合は静音性がどれだけあるかをしっかり確認しておくことをおすすめします。
動画撮影では音も収録することもあるので、定常光のファンの音がうるさいと動画の音声として収録されてしまいます。
ファンの音が気にならない定常光を選ぶと良いと思います。
ネットで購入する場合は、実際に確認することができないので、仕様・スペックを確認するか、販売ページの口コミで確認するのが良いでしょう。
2W(ワット数)で選ぶ
定常光には60wや150Wなど、ワット数という消費電力が示されています。
ワット数が大きいほど消費電力も増えます。ワット数の大きい方が一般的には明るくなるので様々な使い方ができますが、その分ビデオライトの価格も高くなります。
3Lux(ルクス)で選ぶ
Lux(ルクス)とは照らされた場所に、どれだけ光が入っているかを表す「照度」のことを意味しています。簡単に言えば明るさの単位になります。数字が大きければ大きいほど照らされた場所が明るくなると思っていて問題ありません。低価格のビデオライトにはLuxの表記がない場合が多いです。目安としては30,000Luxもあれば室内利用では十分な明るさになります。
4アクセサリー類が豊富かで選ぶ
定常光はそのままの光(ダイレクト光)で使うことと、ソフトボックスやリフレクター、ディフューザーなどを使って光を和らげて使うこともあります。
これから購入を検討している定常光がどれだけのアクセサリーに対応しているかもチェックしておくと良いでしょう。
本格的な定常光になるとソフトボックスやリフレクターにはそれぞれ対応マウントがあります。
例えばGodoxならボーエンズマウント、ゴドックスマウント。Profotoならプロフォトマウントといった種類があります。間違いのないように事前に確認しておきましょう。
5演色評価数(CRI、TLCI)で選ぶ
演色性(えんしょくせい)とは、照明器具がある物体を照らしたときに、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質のことを意味します。演色評価数(CRI)とは演色性の正確性を数値化したものになります。
CRI 100が一番正確な数値として0〜100の間で表記されます。数字が100に近ければ近いほど、正確な色を表現してくれる照明器具となります。
大体の目安としてCRI 92以上の定常光を選ぶと良いでしょう。ただし、CRIは現在精査されています。なのでもう一つのTCLI演色評価数も同時に参考にすると良いでしょう。TLCI演色評価数はBBCのエンジニアであるAlanRobertsによって開発され、ライトの色が参照サンプルと比較してどれだけ真であるかを測定します。
価格の安いLEDライトなどではCRIやTLCIの表記がないものもありますが、定常光としてそれなりの価格のするものは表記されているので、演色評価数を定常光購入の判断材料にすると良いです。
6利用シーンで選ぶ
どのようなシーンで定常光を使うかで選ぶライトが変わります。例えば、天井照明の影響を受けてしまう環境で定常光を使う場合、色かぶりが発生しないように色温度を変えられる定常光を選ぶと対応できる幅が広がります。
また人物撮影で多灯ライティングする際もライトには「キーライト、フィルライト、バックライト、アクセントライト」といった役割があります。
最初の1灯を考えている場合はメインとなるキーライトとして使える照明を選ぶのが無難ですが、2つ目、3つ目となれば、利用シーンを想定してどういう使い方をしたいかをはっきりさせておくと良いでしょう。
おすすめの定常光(ビデオライト)19選
それではおすすめの定常光(ビデオライト)を19選ご紹介していきます。
(※2022年1月10日時点でのAmazonの価格を表記しています。ご覧になられている時期によっては価格の変動がある場合がございます。)
Kimwood ミニ型 LEDリングライト
サイズ | 4.5インチ |
重量 | 240g |
◎口コミを紹介
ウェブ講座受講時に、暗さを感じたことがあったので、ライトほしいなーとおもっていたのですが、こちらはクリップの重さで自立もできると書いてあったのに惹かれて購入しました。1週間ほどつかってみましたが、現状はバックエンドにクリップでとめて高さを出し、子どもが机で勉強するのにつかっています。
Godox LED64
演色評価数 | – |
W(ワット数) | – |
Lux(ルクス) | 1000Lux |
サイズ | 85 x 35 x 10 cm |
重量 | 110g |
◎口コミを紹介
単三電池4本を入れ、点灯してみましたが、最大の光量にすれば結構明るく、光量調節のダイアルでの無段階調節も問題なく、ポートレート撮影にも使えそうです。
VIJIM VL-81
演色評価数 | CRI95+ |
W(ワット数) | – |
Lux(ルクス) | – |
サイズ | 縦89mm x 横75mm x 奥行き27mm |
重量 | 114g |
◎口コミを紹介
動画・静止画撮影の補助として購入しました。それなりにコンパクトで明るいですし、拡散してやわらかさがあるので良いですね。操作も2つのダイヤルで電源、光量、色温度を調整するのでシンプルでわかりやすく操作性もよいです。
Pixel G1S
演色評価数 | CRI:>97 TLCI:>96 |
W(ワット数) | – |
Lux(ルクス) | 1500Lux |
サイズ | 13.3 x 8.3 x 1.6 cm |
重量 | 265g |
◎口コミを紹介
LEDライトはいくつも買っていますが、いつも感じるのは「最小の明るさ」にしても明るすぎるのが不満でした。この機材は「明るさ1%」から設定出来ます!個人的には3%〜5%の明るさが使いやすいです。でも、暗いかと言えば「明るさMAX」にすると直視出来ないくらい明るいです!野外撮影が多いのでこれから活躍の場が増えそうです。(こればかり使う事になりそう)
Aputure AL-MC
演色評価数 | CRI96+ |
W(ワット数) | – |
Lux(ルクス) | 1100Lux |
サイズ | 14 x 11 x 9.8 cm |
重量 | 128g |
◎口コミを紹介
サイズを考えたら抜群に明るいというわけではないですが、まずは携帯性と磁石がついているので、間接照明や複数台用意して運用するとかなり面白いと思います。スマホで明るさを変えたり色を変えたりもできるんです。これには驚きました。管理用のアプリがイマイチわかりにくいというかとっつきにくいところがありますが、慣れてしまえば全然余裕です。
Ulanzi ハンドヘルドライト
演色評価数 | CRI 95+ |
W(ワット数) | – |
Lux(ルクス) | 700LUX/0.3m |
サイズ | – |
重量 | 109g |
◎口コミを紹介
Instagram等の撮影用にと注文。早速使ってみましたが思っていた以上のクオリティの高さ。使い勝手と操作性がよく、簡単に使えるのもさることながら明るさにしては電池のもちがよく、ライト自体も明るさと色合いがよくて写真に撮ったものが綺麗に映えます。値段を考えたらお得だなと星5つ。
Neewer LED 660
演色評価数 | CRI96+ |
W(ワット数) | 40W |
Lux(ルクス) | 0.5m、6000Lux |
サイズ | 23.2x20x1.9cm |
重量 | 約2Kg |
◎口コミを紹介
コスプレイヤーさんの撮影会で光源をレンタルしていない場所での撮影だったのでそろそろ必要かと購入。現場はコンセントの使用禁止だったのでバッテリーも買っておいて良かった!実際に使ってみると10%の光量でも十分なほどの明るさで数時間使うことができて電源の心配はありませんでした。
Godox SL60W
演色評価数 | >95 |
W(ワット数) | 60W |
Lux(ルクス) | 4500Lux |
サイズ | 23x24x14cm (ランプカバー無し) |
重量 | 1.61Kg |
◎口コミを紹介
SLはバッテリー駆動できない版ですがその分価格が安い。光量は十分明るいのですが当初思っていたよりはといった感じでした。ファンの音はすごく静かな環境だと多少耳に付くかもしれませんが環境音がする場所なら無音に等しいです。
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Aputure Amaran COB 60X 60W
演色評価数 | CRI≧96、TLCI≧96 |
W(ワット数) | 60W |
Lux(ルクス) | 最大 37775lux@1mの照度 |
サイズ | 11.7×11.1×11.1cm |
重量 | 675g |
NANLITE Forza 60B
演色評価数 | CRI96 TLCI98 |
W(ワット数) | 60W |
Lux(ルクス) | 本体のみ:2246lux リフレクター付き:13830lux |
サイズ | 195×105×80mm |
重量 | 0.82kg |
◎口コミを紹介
日本ではまだ知名度の低いNANLITEですが、海外の機材系チャンネルで高評価だったので購入しました。
色温度調節付きのスタジオライトをつかうのは初めてでしたがかんたんに朝日、夕日風のライティングができるので物撮りで活躍しています。
比較対象としてはアパチャーのLS60xがありますが、あちらはプレミア価格気味なのでこのforza60Bのコスパはかなり魅力的です。
Godox ML60
演色評価数 | CRI96 TLCI97 |
W(ワット数) | 60W |
Lux(ルクス) | リフレクターを含む13000LUX 1M |
サイズ | 145x88x88mm(グリップとリフレクターは含まない) |
重量 | 0.77kg |
◎口コミを紹介
何年か前の60wLEDを持っていましたが、大きくてコンセントからの電源でしたのでロケでは使えなく、バッテリーで動いてソフトボックスなどのツールが使えて光量が大きくコンパクトなのを探していました。こちらの商品はその用途にぴったりでした。
NANLITE FS-150
演色評価数 | CRI:96 TLCI:98 |
W(ワット数) | 180W |
Lux(ルクス) | 輝度(1m):本体のみ:6903lux、付属リフレクター使用時:26380lux |
サイズ | 288x137x115mm |
重量 | 2.27kg |
◎口コミを紹介
180Wの定常光は本当に明るいです。素材の質も素晴らしいです。
Aputure Amaran 100X
演色評価数 | CRI 95+ TLCI 96+ |
W(ワット数) | 130W |
Lux(ルクス) | 1メートルの照明は34000lux |
サイズ | – |
重量 | 1.37kg |
◎口コミを紹介
外装の質感はややチープではありましたがしっかりはしていてデザインはカッコいいと思いました。やや大きいかなと感じましたが。光量色音の調整はしやすくとても気に入りました。
Godox VL150
演色評価数 | CRI≈96TLCI≈95 |
W(ワット数) | 150W |
Lux(ルクス) | 100%光の明るさ(LUX、1M)、反射板付き:61000 |
サイズ | 30x14x18cm |
重量 | 1.97Kg |
◎口コミを紹介
Godox のSL150を持っていて、それを買い足そうとしたところ VLシリーズがあるのに気づきました。こちらの製品は電源とAC部分が分離しているタイプのもので、ライト部分は非常に軽くなってます。なのでそんなにきついライトスタンドは必要ではなく、まさにライトなライトです。
Godox SL150WII
演色評価数 | CRI≈96TLCI≈97 |
W(ワット数) | 150W |
Lux(ルクス) | 100%光の明るさ(ルクス、1M):58000Lux |
サイズ | (標準リフレクターは含まれていません):34 * 20 * 16cm |
重量 | 約3.33kg |
◎口コミを紹介
ジャンボアンブレラを使えば、これの二灯で数人の全身を照らすのに用が足ります。発熱も少ないですし、ファンが非常に静かです。演色性も一般撮影では問題ありません。
Godox S30
演色評価数 | ≥96、R9≥95、TLCI(Qa)≥96 |
W(ワット数) | 30W |
Lux(ルクス) | 11000Lux 散光 1M |
サイズ | – |
重量 | 907g |
◎口コミを紹介
AC電源では満足しています。モバイルバッテリーでは仕様上10Wなので、使用するの厳しいです。使用するモバイルバッテリーは2.0A出力だと安定しないので、2.4A出力のものを使用したほうがいいです。
Aputure LS C300d Ⅱ
演色評価数 | TLCI : >=96 CRI : >=96 CQS :>=95 |
W(ワット数) | 350W |
Lux(ルクス) | 55000Lux @0.5m |
サイズ | 298.4 * 215.6 * 344.5 mm |
重量 | – |
◎口コミを紹介
BMPCC4K/6Kでの撮影に使用しました。自分の中では、光量・色ともに望んでいた以上の結果が得られたので満足です。
NANLITE PavoTube Ⅱ 6C
演色評価数 | CRI 平均95 TLCI 平均97 |
W(ワット数) | – |
Lux(ルクス) | 1540lux |
サイズ | 直径 3.8cm 全長 25cm |
重量 | 260g |
◎口コミを紹介
スティック型で持ち運びも便利でスペースにもならない!
ライティングで最後の一手間を加えるには打って付けの機材です!
\2023年1月に発売されたばかりの『NANLITE PavoTube II 15C 2kit』もオススメ/
Godox LC500R
出典:Amazon
Amazon価格 26,500円
演色評価数 | 96のCRI 98のTLCI |
W(ワット数) | – |
Lux(ルクス) | – |
サイズ | – |
重量 | – |
最後に
以上、写真・動画撮影のライティングにおすすめの定常光をご紹介しました。
動画事業が伸びている現在、Web上の動画のクオリティもものすごい勢いでよくなっています。動画のクオリティを上げる一つの方法として良い定常光を導入することをおすすめします。