Ulanziから2024年3月25日(月)にビデオ三脚「Ulanzi VideoFast Heavy Duty」が発売開始されました。「Ulanzi VideoFast Heavy Duty」はプロ仕様のビデオ三脚で、カーボンファイバー製とアルミニウム製の2種類あります。最大積載量10kgの雲台、カウンターバランス10段階、パン・ティルトはそれぞれ6段階あり、プロの現場でも通用するようなスペックを兼ね揃えていながら、価格はカーボン製が79,980円、アルミ製が68,999円と驚異的な低価格を実現しています。映像クリエイターの方で、業務用ビデオ三脚の購入を検討されている方は必見です。
今回、メーカー様よりカーボンファイバー製の「Ulanzi VideoFast Heavy Duty」をご提供いただいたので、レビューをお届けしたいと思います。
ちなみに筆者はビデオ三脚を15台以上所有しており、高いもので40万円のビデオ三脚を使っています。お仕事の現場でもビデオ三脚を使うことが多いです。今までたくさんの三脚を使ってきた観点からレビューをお届けしたいと思います。
Ulanzi VideoFast Heavy Dutyのスペック
引用:https://www.ulanzi.jp/products/videofast-heavy-duty-tripod-kit
Ulanzi VideoFast Heavy Dutyのスペックを簡単にまとめました。長さなどは標準的なビデオ三脚のサイズ感だと思いますが、非常に軽い三脚だなと感じました。実際に、カーボンファイバー製で4.8kg、アルミ製で5.3kgと、このクラスのビデオ三脚では非常に軽量だと思います。
雲台の最大耐荷重は10kgで、ミラーレス一眼〜業務用ハンディカム、小型のシネマカメラであればリグを組んだ状態でも余裕かと思います。雲台だけで10万円くらいしてもおかしくないくらい、雲台のスペックも非常に高いです。
そしてこの価格帯のビデオ三脚でカウンターバランス10段階、パン・ティルトともに6段階あるのは素晴らしいと思いました。
素材 | カーボンファイバー、アルミニウム合金 |
外寸 | 88.6 x 17 x 16.5 cm |
純重量 | カーボンファイバー4.8kg、アルミニウム合金5.3kg |
高さ(フルードヘッドを含む) | 78.5cm -164cm |
折りたたみ時の高さ | 83cm |
雲台の耐荷重 | 10kg |
ボウルベース直径 | 75mm |
カウンターバランス | 10段階 |
パン | 6段階 |
ティルト | 6段階 |
詳しくは公式の製品ページをチェックしてみてください。
三脚の外観チェック
まずは三脚の外観などをチェックしていきます。
箱から出した三脚がこちらです。Ulanziのロゴが入った専用のケースに入っています。
ショルダーストラップ付きの三脚ケースなので、肩にかけて持ち運ぶこともできます。
そしてこちらがUlanzi VideoFast Heavy Duty(カーボン製)本体になります。
非常に安定感のありそうな見た目で、カーボン素材の脚もカッコ良いです。ハンドルも非常に大きいので、操作もしやすいかと思います。
こちらが雲台のトルクの部分です。黒い三脚に対してネジやトルクはシルバーになっていて、カッコ良いです。数値表記なども見やすくなっていると思います。
中央には大きくカウンターバランスのダイヤルがついています。カウンターバランスはつまんで回していくだけです。パン・ティルトのトルクはトルク部分に凹みがあるので、指で回しやすいです。トルク周りの操作性も良かったです。
反対側、雲台を正面から見るとこのようになっています。
Ulanziのロゴと、商品名が記載されています。
そしてこちらが三脚プレートです。
プレートは非常にシンプルなデザイン。目盛などはありませんでした。
プレートのロックはネジを締めるタイプではなく、写真のようなレバーを開け閉めするタイプのロック機構でした。
プレートを乗せて、少し押し込むと
レバーが勝手に閉まります。
あとは少し浮いている部分を指で押し込めば、しっかりとロックがかかります。
このタイプであれば、ロックかかっている、かかっていないがレバーの状態で一目でわかるので、カメラをおいた時にプレートのロック閉め忘れ防止にもなるかと思います。ここのロックはやや硬めでしたが、レバーにも指をかけれるようになっているので、力は入れやすいです。
そしてハンドルです。長さにすると約40cmでそれなりに長いです。また取っ手部分のグリップが非常に大きく握りやすいので、操作性は良いかと思います。
大きいハンドルの方が初心者の人でも操作しやすいのではないでしょうか。
もちろん、ハンドルは左右どちらにも取り付けが可能です。ロゼットマウントが左右についています。
続いてこちらがキャリーハンドルです。これがあると非常に便利だと個人的には思っています。
下の写真のように、三脚を折り畳んだ状態で持ち運ぶ際に、キャリーハンドルがあると便利です。
続いて、丸型水平器です。
白色に、黒いラインと非常にシンプルです。
続いて、三脚の部分を見ていきます。
三脚の上部にはネジ穴があり、こちらに先ほどのキャリーハンドルを装着できます。
また筆者の場合はここにマジックアームとアクションカメラを取り付けて、三脚に乗せるカメラと同時収録したりすることが多々あるので、ここにネジ穴があると何かと便利です。
続いて、スプレッダーです。こちらはミッドレベルスプレッダーとなっており、5段階調整可能です。
ボタンを押しながらスライドさせることで広げられます。またこのスプレッダーは取り外しも可能です。
安定度を高めながらも三脚の高さを低くできます。
脚の高さを変えるには脚部分にあるこちらのレバーをあげて高さをあげます。
持ち上げるとロックが解除され、脚を伸ばせるようになるので、あとは好きな高さに変えるだけです。
このタイプの三脚は非常に高さを変えるのが楽で、瞬時にセットアップが可能です。ネジ式で高い位置と低い位置にそれぞれネジがあるタイプの三脚だとワンオペでカメラを乗せたまま三脚の高さを変えるのが結構大変なので、レバー一つで素早く高さを変えられるタイプの脚は現場でも重宝します。
最後に、こちらがシリコン製のフィートです。
取り外すとスパイクが出てきます。スパイクは2つついているので、滑りやすい岩場などでも安心です。
ミラーレス一眼、シネマカメラ、業務用ハンディカムで試してみた
小型のカメラからやや大きめのビデオカメラまで乗せてみました。
まずは小型のカメラです。重量にして約1.5kgくらいです。
ミラーレスカメラくらいのサイズ感であれば、かなり安定感も高く載せることができます。載せていてかなり安心感を感じられます。
カウンターバランスを入れてみましたが、ミラーレス一眼では軽すぎて一番低い1にしてもやや跳ね返りがありました。カウンターバランス範囲は1.8kg〜といったところでしょうか。
続いて、PXW-Z280、業務用ハンディカムを載せてみました。重量は約3.5kgほどです。それなりの重さがありますが、こちらも問題なく載せることができました。パン、ティルト操作も問題なくできます。
ちなみにティルト軸は真下に向けることができます。
上方向はこちらの角度まで。
パン軸は360度カバーしています。この角度で撮ることはほぼないですが、可動域が広くてなんぼなので、十分すぎる可動域だと思いました。
こちらもカウンターバランスをいれてみました。
カウンターバランス2、パン6 ティルト6でいい感じにバランスが取れたと思います。
パン・ティルトのロックがかかっていない状態で、手を離しても静止しました。
最後に、シネマカメラSONY FX6にシネレンズ、Vマウントバッテリーをつけたこちらのカメラを載せてみました。総重量で約4kgです。
横に長いので、バランスのとりにくいカメラでしたが、こちらも問題なくカウンターバランスを入れてバランスが取れました。
カウンターバランス3、パン6 ティルト6で設定しています。
こちらも、パン・ティルトのロックがかかっていない状態で、手を離しても問題なく静止しました。角度がキツすぎたりするととやや沈んだりもしましたが、極端な角度にしなければ問題ないと思います。
このクラスのビデオカメラでも安心して載せることができ、またカウンターバランスを入れてしっかりバランスも取れることがわかりました。フリーの映像クリエイターであれば十分すぎるスペックかと思います。
実際に使用してみて感じたこと
Ulanzi VideoFast Heavy Dutyを実際に使用してみて感じたことをいくつかまとめました。
パン・ティルト6段階、カウンターバランス10段階が非常に良い
Ulanzi VideoFast Heavy Dutyはパン・ティルト6段階、カウンターバランス10段階という、プロ仕様のビデオ三脚となっています。細かく段階を決めれるので、より繊細な映像表現と、快適な操作が可能です。
カウンターバランスに関しては10段階もあり、今回試しに載せてみたビデオカメラでは1〜3くらいまでしか使わなかったので、もっと重いカメラでもバランスは取れるかと思います。軽量なビデオ三脚なのに、余力があるのは良いなと感じました。長時間の映像収録やライブ配信の現場などで、カウンターバランスがある三脚だと重宝します。
瞬時に高さが変えれる脚の上げ下げ機構が良い
Ulanzi VideoFast Heavy Dutyの脚の上げ下げが非常に楽で、レバーを上げてあとは三脚を上げたり、下げたりするだけなので、非常にスピーディーにセッティングができます。このタイプの三脚があると現場が非常に楽なので、かなり価値があると個人的に感じています。10万円以下のビデオ三脚ではなかなかないタイプの脚なので、Ulanzi VideoFast Heavy Dutyでこのタイプが導入されていて驚きました。流石はUlanzi製品!毎回驚くようなコストパフォーマンスを実現してくれます。
F50クイックリリースプレートが使える!
個人的に、ありがたいなと感じたのが、Ulanziから発売されているFalcamのF50クイックリリースプレートのロングサイズがこのUlanzi VideoFast Heavy Dutyでも使えるということです。(※F50 ミディアムサイズでは使用できませんでした。)
F50クイックリリースプレートは日頃から愛用しているので、クイックリリースプレートが統一されていると他のカメラを素早く載せ替えたりする際にスピーディーに対応できます。マルチカメラの撮影をする際なんかはあるととても重宝します。
Ulanzi VideoFast Heavy Dutyはこんな人におすすめ
Ulanzi VideoFast Heavy Dutyがお勧めな人を簡単にまとめてみました。
- 副業や本業で映像クリエイターをしている方
- 機動性が高く、取り扱いやすい業務用ビデオ三脚が欲しい方
- コストの問題で今まで業務用ビデオ三脚をなかなか購入できずにいた方
- カウンターバランスがついていてコスパの良い三脚が欲しいと思っている方
- マルチカメラ時のサブのビデオ三脚として
最後に
以上、Ulanzi VideoFast Heavy Dutyのレビューをお届けしました。
この三脚を受け取った時に、製品価格を知らないまま使用していたのですが、「絶対10万円以上はするよなー」と思いながら使っていました。
その後にカーボン製が79,980円だと知って、とても驚いたのを覚えています。
そのくらい非常にコストパフォーマンスに優れている三脚なので、映像をやっているのにプロ仕様のビデオ三脚をまだ持っていないという方にとてもおすすめです。
気になった方はぜひ商品ページをチェックしてみてください。現在予約受付中となっています。