Ulanziから新発売された軽量&カーボン製のトラベルビデオ三脚「Ulanzi TT09 VideoGo」のレビューをお届けします。
「Ulanzi TT09 VideoGo」は名前の通り、ビデオ三脚となっており油圧式の雲台を搭載しています。
フルカーボンでありながら価格は2万円台と、かなり手頃な価格設定となっています。
今回、Ulanzi様より本製品をご提供いただき、実際に使用してみましたので、感想を細かくまとめていきたいと思います。
Ulanziについて
Ulanziは2015年に設立されたメーカーで、ライトやクイックリリースプレート、三脚、ワイヤレスマイク、カメラポーチなど幅広い商品を展開しています。低価格ながらも良質な製品が多く、カメラをしている人であればUlanzi製品を見たことある、使ったことがあるという方も多いのではないでしょうか?そんなUlanziから新発売されたビデオ三脚が「Ulanzi TT09 VideoGo」です。
Ulanziのカーボン三脚は数ある商品ラインナップの中でも非常に人気が高く、ビデオ三脚で言うと、すでに「Ulanzi F38 クイックリリースビデオトラベル三脚 3318」という製品と、「Ulanzi Zero V 軽量ビデオトラベル三脚 T073GBB1」という製品が発売されています。今回新しく発売された「Ulanzi TT09 VideoGo」は現行の2つのモデルの良いとこどりをしたような優れたビデオ三脚となっています。
Ulanzi TT09 VideoGoの特徴
Ulanzi TT09 VideoGoの特徴を簡単にまとめました。
安価なフルカーボン三脚
Ulanzi TT09 VideoGoの材質は、脚のチューブ部分は100%フルカーボンとなっていて、軽量を実現しつつも、三脚としての安定性もアルミ素材と同等以上になります。本来カーボン素材の三脚は割高なものが多いのですが、Ulanzi TT09 VideoGoはカーボン三脚の中でも非常に安価なものとなっています。
F38クイックリリースプレート対応の雲台
F38クイックリリースプレートに対応した雲台となっており、高い互換性と複数のデバイス間の素早い切り替えが可能です。Falcam F38クイックリリースを既に使っている方はもちろんのこと、これから導入される方でも、取り入れることで三脚からストラップ、ジンバルから三脚、三脚に乗せるカメラを変えるなど、そういった操作を素早く行うことができます。
小型軽量設計で持ち運びに適した三脚
カーボン製で重量は約1.5kgと非常に軽量となっています。また折り畳んだ時の高さが450mmとカメラバックに取り付けても、ケースに入れて手に持っても邪魔にならないようなサイズとなっています。三脚の使用シーンだけでなく、持ち歩きのシーンのこともよく考えて作られた三脚だということがわかります。
多機能スパナ搭載
雲台のハンドル部分は取り外しが可能となっており、ハンドル部分を外すと多機能スパナが搭載されています。他メーカーではあまり見ない、いかにもUlanziらしいギミックになっているかと思います。多機能スパナはローアングル撮影をする際に中心軸を取り外したり、その他ネジを締める作業で使用することができます。
Ulanzi TT09 VideoGoのスペック
Ulanzi TT09 VideoGoのスペックをまとめてみました。
中心軸を伸ばした最大高でも1420mmと高さはそこまでありませんが、ボール雲台の耐荷重は5kgとミラーレス一眼カメラを載せるには十分なスペックとなっています。三脚自体の重量は1.5kgと非常に軽量となっています。
材質 | チューブは100%フルカーボン |
最大高(中心軸を伸ばさない状態) | 1190mm |
最大高(中心軸を伸ばした状態) | 1420mm |
最低高 | 140mm |
折り畳んだ時の高さ | 450mm |
重量 | 1.5kg |
三脚の耐荷重 | 20kg |
ボール雲台の耐荷重 | 5kg |
Ulanzi TT09 VideoGoを実際に使ってみた!
Ulanzi TT09 VideoGoを実際に使って撮影もしてきたので、開封からレビューをお届けしたいと思います。
開封
こちらがUlanzi TT09 VideoGoの外箱になります。
箱から既にコンパクトなものとなっています。
箱を開けると、専用ケースに入っている状態で収納されていました。
専用ケースの中身を全て出しました。
同梱物は、
- 専用ケース
- 三脚本体
- 取扱説明書(日本語対応)
- スパイク
となっていました。
雲台部分にUlanzi TT09 VideoGoの表記があります。
雲台も非常に小さくコンパクトなものとなっています。
Ulanzi TT09 VideoGoを使って撮影
実際にUlanzi TT09 VideoGoを使って撮影していきます。
まずはF38 クイックリリースプレートをカメラに取り付けます。
そして三脚にプレートがついたカメラを取り付けます。
雲台側のプレートロックボタンを押した状態で、プレートをスライドしていくだけです。
雲台にプレートが入ったら、念の為ロックをかけておきましょう。ロックをかけなくても落ちないようにはなっていますが、ロックをしっかりかけておくことで、落下防止につながります。
これで簡単にカメラの取り付けができました。
F38クイックリリースプレートを追加で購入すれば、別のカメラをUlanzi TT09 VideoGoに素早く付け替えることができます。いちいちプレートをつけ外す手間がないので便利ですね。
F38クイックシューをお持ちであれば、三脚からジンバル、三脚からスライダーといったデバイス感の移動もスムーズに行うことができます。
Ulanzi TT09 VideoGoはユニバーサル調整ボール雲台となっているので、雲台の下部にあるロックを解除し、ボールを操作し、水平を保ちます。
こちらも非常に操作感はよく、簡単に水平を取ることができます。
もちろん、水平器も搭載しています。
雲台側面にある、大きなノブを緩めることで、チルト軸の操作が可能となります。
非常に滑らかで粘りのある動きが可能です。
雲台下部にある小さなノブを緩めると、パン軸の操作が可能となります。
こちらのノブはかなり小さいですが、締めたり緩めたりの操作は問題なくできました。
パン軸の動きはチルト軸に比べるとやや粘りが足りない感じはありますが、それでも滑らかに動いてくれます。
続いて、中心軸を伸ばしていきます。
三脚部分のネジを緩めることで、中心軸を上へ伸ばすことができます。
ネジを緩めたらあとは上の方に引き上げるだけです。
簡単に中心軸をあげることがきました。あげたあとはしっかりとネジを締めるところまで忘れずに行いましょう。
中心軸をあげると、三脚の安定性がやや落ちてしまうので、その際は中心軸の下にフックがついているので、ウエイトを引っ掛けることで、安定性を高めることができます。
カメラリュックなどで十分なので、引っ掛けて使用すると、三脚の安定性は上がります。
続いて三脚の最大高と最低高の高さを見ていきたいと思います。
まずは最大高にしていきます。Ulanzi TT09 VideoGoは5段の三脚となっているので、4つのロックを解除して脚を最大まで伸ばします。
ロック部分も親指をしっかりとかけれるような形になっているので、少ない力で開閉ができます。
最大高の高さにしてみました。こちらで高さ1190mmとなっています。カメラを載せてもやや低く感じてしまうかもしれません。
中心軸を伸ばした状態の最大高にしてみました。
この状態の高さで、1420mmとなっています。これでカメラを載せたら操作しやすいちょうどいい高さくらいになるかと思います。
続いて、最低高の高さを作っていきます。
まずは中心軸の下部分を取り外す必要があるため、ハンドル部分を取り外し、多機能スパナの「CR-V H2.5」のネジを使って中心軸を取り外します。
上記写真部分にネジをさし、緩めていきます。緩んできたら、雲台ごと上に引き抜けば取り外せます。
雲台が取り外せたら、残された長い方の中心軸を抜きます。
中心軸を完全に取り外した三脚に先ほど抜いた雲台と短い中心軸を差し込みます。
あとは脚の角度を最大の60度に広げます。開脚角度ストッパを下に下げて脚を開くだけです。
3本の脚を全て60度の角度に開いたら最低高の高さへと設定できました。
こちらの高さは約140mmとなっています。ローアングルで撮影したい場合はこちらの高さで撮ると良いでしょう。
足場の悪い場所では付属のスパナに変えて三脚を立てることをお勧めします。
デフォルトでついているラバーを回転させて取り外し、
スパナに取り替えるだけです。
最後にカメラリュックに取り付けてみました。
カメラリュックよりも小さく収まると思うので、取り付けても負担は少ないです。このように取り付けられれば完全に手が空いた状態でカメラと三脚を持ち運ぶことができます。
実際に使ってみた感想
実際にUlanzi TT09 VideoGoを使って感じたことをいくつかまとめてみました。
ビデオ三脚としてはかなり軽量で、持ち歩くのに最適
実際にUlanzi TT09 VideoGoを手に持って一番最初に感じたのは「軽すぎる!」です。チューブ部分はフルカーボンの材質を使っていることもあり、かなり軽量設計なので、持ち歩くのが本当に楽です。折り畳んだ時の高さも450mmと大きすぎない程よいサイズ感です。
ビデオ三脚は写真用の三脚と比較するとサイズが大きくなりがちですが、Ulanzi TT09 VideoGoは「本当にビデオ三脚なの?」と思うくらいコンパクトな三脚となっています。付属のケースに入れて持ち歩いても良いですし、裸のままカメラリュックに装着して持ち歩いても良いです。
雲台がなかなか良い
小型のビデオ三脚に付属の雲台は、ほとんどが使い物にならないようなものが多いですが、Ulanzi TT09 VideoGoの雲台は小型ながらもそれなりに質が高かったです。パン軸の動きはやや物足りない部分はありますが、チルト軸の動きではプロ用のビデオ雲台に引けを取らないような滑らかな動きが可能です。操作の際、しっかりと粘りも感じられるので、ちょっとした風景などの絵を撮る程度であれば十分に使えると感じました。
一つ一つの操作感が良くストレスが少ない
開脚角度ストッパーや、三脚の高さ調整を行うロックなど、ハンドルノブ、クイックリリースプレートノブ、ユニバーサル調整ボール雲台、中心軸調整ボタンなどの操作感はなかなか良くストレスも少ないと思います。三脚によっては高さを変えるだけでもノブが硬くて、ストレスを感じてしまうものがありますが、Ulanzi TT09 VideoGoを使ってみた感じでは大きくストレスに感じることはありませんでした。操作感は価格以上だと感じました。
Ulanzi TT09 VideoGoはこんな人におすすめ
Ulanzi TT09 VideoGoがおすすめな人をまとめてみました。こちらに当てはまる方はぜひ購入を検討してみることをおすすめします。
- とにかく軽量なビデオ三脚が欲しい
- 安価でコスパの良いビデオ三脚が欲しい
- 外出先でミラーレスカメラで動画をよく撮られる方
- F38クイックプレートを使っている方
まとめ
以上、Ulanzi TT09 VideoGoのレビューをお届けしました。
2万円台で、カーボン三脚が手に入るというのが驚きなのと、本当に手軽な撮影で持ち歩くのに適したビデオ三脚なので実用的だと思います。プロの現場では少々物足りないかもしれませんが、旅行先や出張先での撮影で持ち運びのできる質の高いビデオ三脚ということであれば最適な三脚と言えます。
気になった方はぜひチェックしてみたください。Ulanzi TT09 VideoGoは2023年10月12日 発売開始となります。