
今回はこれから本格的な動画制作を始めたい方、動画クリエイターを目指している人向けに「電動ジンバル」というカメラ機材についての解説と、失敗しない選び方、おすすめの電動ジンバルをご紹介していきたいと思います。
ちなみに僕は過去に電動ジンバル3台、ジンバルカメラ1台を所有してきました。様々なジンバルを使ってきた経験から詳しく解説していきたいと思います。
そもそも「電動ジンバル」とは?
ジンバル(Gimbal)という言葉はもともと「1つの軸を中心として物体を回転させる回転台」を意味する英単語です。
映像・動画制作におけるジンバルとは「手ブレを抑えて、滑らかでスムーズな映像を撮影するための回転台付きグリップ」のことをいいます。ジンバルを使うことで、歩きながらの撮影でも滑らかな映像を簡単に撮影する事が出来ます。
具体的にはこのような映像になります。
このように簡単に滑らかな映像を撮影することができます。
ここ数年で電動ジンバルは急速に伸びてきており、手頃な価格で手に入るようになりました。よって一般のアマチュアカメラマンから動画クリエイターまで動画制作に用いることが増えました。
電動ジンバルがあるとどうなる?
電動ジンバルを導入することで、どのような効果が得られるのかをまとめてみました。
1手ブレを抑えた滑らかな映像が撮れる
ジンバルの基本機能にはなりますが、ジンバルを導入することで、滑らかな映像を撮影することができます。手持ちの撮影の場合、いくら高性能な手ブレ補正機能のあるカメラでも限界があります。
ジンバルで撮影した滑らかで高クオリティの映像は感動ものです。特に動きのあるようなシーンでは大活躍してくれます。
2手持ちではできなかったアングルでも撮影できる
ジンバルを使うことで、ローアングルやハイアングルでも滑らかな撮影が可能になります。低い位置から狙ったローアングルの撮影もジンバルを逆さにして持つことで可能になります。(機種による)また、別売の延長ポールロッドを使えばハイアングルからの撮影もできます。
手持ちでは目の高さ〜胸の高さくらいのアングルになりがちです。ジンバルを導入すればアングルのバリエーションは間違い無く広がります。
3タイムラプスや360度ロールなど、豊富な機能を楽しめる
最近のジンバルは手ブレを抑えてくれるだけでなく、「タイムラプス」や「360度ロール」「リモートコントロール」といった豊富な機能を搭載しているものも多くあります。
そういった豊富な機能も使って今までできなかった動画の楽しみ方もできます。
失敗しないジンバルの選び方
これからジンバルを購入したいと考えている方に向けて「失敗しないジンバルの選び方」をまとめていきます。決して安い買い物ではないので、しっかりと確認した上で購入しましょう。
1最大搭載重量で選ぼう
ジンバルにはそれぞれ、最大搭載重量(何Kgまで搭載可能か)が決まっています。自分のカメラとレンズの組み合わせの重量をしっかりと把握して、搭載可能かどうかを確認しておきましょう。搭載重量はギリギリよりも余裕のある方が、ジンバルの性能も発揮しやすいです!
2カメラの互換性を確認しよう
自分の所有しているカメラメーカーとの互換性があるかどうかの確認をしましょう。互換性があれば、専用ケーブルとカメラを接続してジンバル側で撮影ボタンを制御することができるようになります。(ジンバルによる)
互換性がないカメラでも、滑らかな映像は撮影できるのですが、その他機能をフルに活用したい場合は、互換性のあるジンバルを選ぶと良いでしょう。
3サポート体制を確認しよう
ジンバルはほとんどのメーカーが海外メーカーになるため、もし何かあったときの場合のサポート体制がしっかりしているかどうかを確認しましょう。使い方がわからなかったり、不具合があった時にすぐに問い合わせできる信頼できるメーカーだと安心です。
4バッテリー駆動時間で選ぶ
バッテリーの最大駆動時間もしっかり確認しておきましょう。おすすめは10時間以上のものです。それだけあれば1日中の撮影でも余裕があって良いと思います。小型のジンバルで発売年数がけっこう経っているものだとバッテリー駆動時間が短いものが多いです。駆動時間が短いと替えのバッテリーを購入しなければならなかったりその他の物に出費がかさみます。
5アクセサリー類もチェック
電動ジンバルは、メーカーそれぞれに豊富なアクセサリー、周辺機器もあります。動画制作を突き詰めていくとそういったアクセサリー、周辺機器類も後々揃えることになります。あとで買い足していくことも想定して、どのようなアクセサリー、周辺機器がどれだけあるのかもしっかりチェックしておきましょう!
おすすめの電動ジンバル6選
ジンバルについてしっかりと理解を深めたところで、おすすめのジンバルをご紹介したいと思います。
1Libec TH-G3
日本メーカー「Libec(平和精機工業株式会社)」の初の電動ジンバル「Libec TH-G3」です。2020年1月に発売されたばかりで、ジンバルは海外メーカーのものが多いですが、安心の日本メーカーなのでサポートもしっかりしていて信頼できます。
機能性も申し分なく、最大搭載重量は0.5〜3.6kgと、重量級のカメラまで対応しています。またバッテリー駆動時間は最大18時間と他製品と比較してもズバ抜けています。これだけのスペックでさらに価格も安価でコスパ抜群。操作も簡単なので、初めてのジンバルとしてもおすすめできる製品です。
過去記事でレビュー記事も書いていますので、気になる方はこちらをご覧ください。
最大搭載重量 | 0.5〜3.6kg |
バッテリー駆動時間 | 最大18時間 |
本体重量 | 1.47kg (バッテリーは除く) |
発売日 | 2020年1月 |
2DJI Ronin-S
ドローンやジンバルを展開する中国メーカー「DJI」の重量級のカメラまで搭載可能な電動ジンバル「DJI Ronin-S」です。いち早く電動ジンバルを展開していたこともあり、使用しているユーザーも多い機種です。プロの動画クリエイターも使用している人は多いです。カメラの互換性も幅広く、アクセサリー類も豊富にあるので、後から自分の撮影スタイルにあわせてカスタマイズできます。
なかなか高価ですが、これから本格的な動画制作をしたい、プロの動画クリエイターとしてやっていきたいと考えている方には長い目で見ておすすめです。
バッテリーグリップを含めたジンバル本体の重量は1.84kgとそれなりに重いので、さらにカメラを載せて動き回るような撮影をするとなると結構な腕力が必要です。
最大搭載重量 | 〜3.6kg |
バッテリー駆動時間 | 12時間 |
本体重量 | 約1.46 kg (ジンバルのみ)、約1.84 kg(ジンバルとグリップを含む) |
発売日 | 2018年5月 |
3DJI Ronin-SC
出典:Amazon
先ほど紹介した「DJI Ronin-S」の数年後に発売された「DJI Ronin-SC」です。本体重量やサイズ感も「DJI Ronin-S」よりも一回り小さくなった物です。搭載重量は最大で2kgなので、小型ミラーレスカメラで撮影するのに向いています。重たいカメラは搭載することができませんが、その分手頃な価格になり、本体重量も軽くなっているので、よりスポーツなどの激しい動きにも対応できます。
最初のジンバルとしてもおすすめできる製品です。
最大搭載重量 | ≤ 2.0 kg |
バッテリー駆動時間 | 11時間 |
本体重量 | ジンバル:約830 g BG18グリップ:約258 g 三脚:約160 g |
発売日 | 2019年7月 |
DJI(ディージェイアイ) Ronin-SC【ジンバル/スタビライザー】
4ZHIYUN WEEBILL S
出典:Amazon
スマホ用からシネマカメラまでの様々なクラスのジンバルを展開している中国メーカーZHIYUN(ジーウン)の「WEEBILL S」。ミラーレス一眼カメラなどを載せることができる中型のジンバルになります。別売(近日発売予定)のワイヤレストランスミッターを組み合わせれば低遅延映像をジンバルからスマートフォンに伝送可能になるなど、高い拡張性も備えた製品です。本格的な動画制作には少し物足りないかもしれませんが、ミラーレス一眼でVlogなどの日常的な動画撮影をよくするという方におすすめの機種です。
最大搭載重量 | 最大:-(カメラ.レンズ適用一覧をご覧ください)最小:300g |
バッテリー駆動時間 | 最長約14時間 |
本体重量 | 926g(三脚、バッテリー除く) |
発売日 | 2019年10月 |
5ZHIYUN Crane 3 Lab
出典:Amazon
ZHIYUNの一眼レフ対応のCraneシリーズの「Crane 3 Lab」です。撮影時の安定性を最大限に高める両手グリップデザインを採用していて、特徴的な形となっています。プロのビデオグラファーや映画撮影チームなどをターゲットにした機種になります。本格的な動画制作を考えている方にはおすすめです。搭載重量はかなり重量級のカメラまで載せることができますが、バッテリー駆動時間が少し不安なところではあります。
最大搭載重量 | 最大:4,500g 最小:650g |
バッテリー駆動時間 | 最大7.5時間 |
本体重量 | 1,880g |
発売日 | 2019年3月 |
6ZHIYUN Crane 3S
出典:Amazon
ZHIYUNの一眼レフ対応のCraneシリーズからもうひとつご紹介。最近発売されたばかりの大型の一眼レフやシネマカメラにまで対応した「Crane 3S」です。こちらの機種は完全にプロフェッショナル向けジンバルです。スペック等は申し分ありませんが、初心者には使いこなすのは難しいかもしれません。
最大搭載重量 | 最大:6500g 最小:600g |
バッテリー駆動時間 | 最大12時間 |
本体重量 | 2470g(本体のみ、延長アーム非使用時) |
発売日 | 2020年3月 |
ジンバルを使って撮影した動画
実際に電動ジンバルを使って撮影した動画をご紹介します。
こちら「Libec T-G3」を初めて使用してテスト撮影した時の動画です。
「DJI Ronin-S」を使って撮影したポートレートムービーです。
同じく「DJI Ronin-S」を使って撮影したダンサーを撮影した動画になります。
ジンバルを導入すべき人ってどんな人?
ジンバルを導入するべき人はどのような人かを具体的にまとめてみました。
- 動画撮影時の手ブレが気になる、解消したい人
- ワンランク上の本格的な動画制作をしたい方
- Vlogなどの普段から動画撮影をよくする人
- 映像での表現の幅を広げたい人
動画に関心もなく、普段もあまり撮らないという人には必要ないかもしれませんが、これから動画制作にチャレンジしたいと考えている人は持っていて損のないアイテムです。
最後に
以上、これから本格的な動画撮影をした動画初心者の方に向けで電動ジンバルについての解説と、失敗しない選び方、おすすめの機種をご紹介しました。
ジンバルが一般カメラユーザー向けに発売されて動画の楽しむ幅も大きく広がりました。購入を悩んでいる方にはぜひおすすめしたい撮影機材です。
ジンバルを導入して、高クオリティの動画作品制作と快適な動画ライフを手に入れましょう!