あなたはなぜ写真を撮るの?写真に対する考え方や意識を変えてみよう!
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小野友暉
どうも、関西写真部SHAREの小野友暉です。

 

僕は今まで自身でもカメラマン、写真家として活動しながら、当サイト「関西写真部SHARE」のメディアを通し、様々な著名な写真家にインタビューしてきました。インタビューさせていただいた写真家の中には写真新世紀グランプリを受賞された方や土門拳賞、三木淳賞を受賞された方もいます。

インタビューしてきた写真家たちはそれぞれ全く違うジャンルの写真を撮られていますが、共通している部分があることに気がつきました。今回は、写真家インタビューを通してわかった、写真家たちの写真に対する考え方をまとめていきたいと思います。

 

あなたはなぜ写真を撮るのですか?

「あなたはなぜ写真を撮るのですか?」

 

このような質問をされた時、あなたなら何と答えますか?

 

「写真が好きだから」とか「写真撮るのが楽しい」といった解答が多いのではないでしょうか。決してそれが悪いと言うわけではありません。逆にカメラを始めた最初の動機なんてみんなそのようなものです。

先ほどの質問に対して、写真家として名を上げている方々の答えは全く違うものでした。

 

例えばフォトジャーナリストの方なら「こういう現実を皆に知らせなきゃダメだな」とか「‟人の生き様”を伝えていきたい」という想いが先にきます。

 

アート写真を撮られる方であれば、「見ている人に新しいひらめきを与えたい」「何かを表現したいって気持ちが昔から自分の中にある」と答える方もいました。

 

これらから共通して言えることが、写真家の方達にとって「写真は表現する(想いを伝える)ための一手段でしかない」ということです。
写真を楽しんで撮っているわけではなく、表現するために、想いを伝えるために写真を撮っています。

 

つまり、写真を撮る動機が好きで撮っている人とは全く違うのです。

 

人間の考え方が及ぼす行動の結果というものは時間が経てば経つほど、大きなものになります。

単純に写真を楽しみたいという方は写真を撮る行為を楽しめば良し。プロカメラマンを目指す人であれば、撮影技術や現場での対応力などを磨けば良いでしょう。写真家を目指す場合は、技術を磨くよりもまずは考え方を身につけることをおすすめします。

 

 

カメラマンと写真家の違い

これは僕自身の話になりますがカメラを始めて間もない頃、著名な芸術家でありながらカメラマンもされている方とお話しする機会があり、「僕は写真家になりたいです!」と相談したことがありました。その相談に対する答えは

 

「でも君がいま撮っている写真はカメラマン的な写真だよ」

 

この一言でした。

 

最初はその言葉の意味が全くわかりませんでした。その意味がわからない理由は当時の僕は「プロカメラマンと写真家の違い」がはっきりとわからなかったからです。

 

皆さんはプロカメラマンと写真家の違いをはっきりと理解して言葉で説明できますか?この答えは人によって様々なものがありますが、個人的に一番しっくりきた答えを紹介したいと思います。

 

プロカメラマンとは”写真を撮る人”。クライアントがいて、決められた納期と報酬があり、ある程度正解の写真も決まっています。より綺麗な写真を撮るために、経験を積んでカメラやライティングの技術、現場での対応力を身につけます。クライアントが求める以上の写真を撮影するために、カメラやレンズ、三脚など機材を豊富に所有していて、そこにこだわりを持っている人が多いです。

 

一方、写真家とは”写真で表現する人”。納期もなければ、決まった報酬があるわけでもなく、撮る写真に正解はありません。写真家は表現したい(伝えたい)ものを必ず持っています。写真は表現方法の一手段にしか過ぎないので、カメラにはそこまでこだわりがありません(表現するためのこだわりは持っています)。写真を撮る行為は歯磨きやご飯を食べるのと一緒で“当たり前にやること”。そこからプリントや展示、写真集制作といった表現の活動も必ずしています。

 

とあるギャラリーのオーナーはこの「プロカメラマンと写真家の違い」を『歌』で例えていました。

カメラマンはカラオケで歌う人たち。写真家は路上ライブでオリジナル曲を歌っている人たち。

 

実に面白い例えだなーと思い、聞いた時から今もまだ記憶に残っています。

 

僕の場合、写真家と名乗っていますが、どちらかというとSNSやwebサイトにアップしている写真はカメラマンとして撮った商用写真になります(写真家としての作品は基本SNSには載せないようにしてます)。またカメラマンとしての実績の方が今はまだ多いです。

写真家としては「関西御苗場2018」という写真の祭典でレビュアー賞を頂いたことと、その流れで「She is…」という2年間撮り続けた作品の個展を2019年に大阪で開催させていただきました。

現在は写真集の制作と、東京での個展開催の準備をしています。作家としてはまだまだですが、今後は写真家と胸を張って言えるように頑張って活動を続けていこうと考えています。

 

 

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カメラマンと写真家の二本柱でやっている人も多い

写真家とプロカメラマンの違いについて説明しましたが、「プロカメラマンはプロカメラマンの仕事しかしない、写真家は写真家の活動しかしない。」というわけではありません。

写真新世紀や木村伊兵衛賞を受賞された写真家でも、カメラマンの案件を請け負いながら作家活動をしているという人も結構いました。正直お金になるのはカメラマンとしての仕事です。写真家としての活動で食べていけているのはほんの一握りというのが日本の写真界の現状のようです。

 

 

考え方や意識を変えるのにおすすめの本

ここまで、考え方の重要性と写真家のとカメラマンの違いについて書いてきました。ここで写真に対する考え方や意識を変えるのにおすすめの本を紹介したいと思います。写真家になりたいという方はもちろん、カメラマンを目指す方にもぜひ読んでほしい本です。

 

1写真を読む夜 13人の写真家たちの撮影哲学

写真を読む夜 13人の写真家たちの撮影哲学

奥山由之や川島小鳥、蜷川実花をはじめとする13名の写真家による対談書籍「写真を読む夜 13人の写真家たちの撮影哲学」。13人の写真家たちの撮影時の考え方を対談の中から読み取ることができます。

「そんな視点があったか」

「こんな考え方で写真を撮っていたのか」

と新しい発見がいろいろあります。

 

 

2写真を紡ぐキーワード123 写真史から学ぶ撮影表現

写真を紡ぐキーワード123

出典:Amazon

前半は写真の歴史や歴史的写真家の紹介。後半は写真表現技法についてまとめられています。非常にわかりやすくまとめられていて、作品の方向性はどうすべきか悩んでいる人には解決の糸口となる本になるのではないでしょうか。

 

 

最後に

以上、写真に対する意識について書きました。

最近、写真を仕事にしたいという方からお問い合わせも何件かいただくようになったのですが、僕自身カメラマンなのか、写真家なのか路頭に迷っていた時期がありました。今ははっきり、「写真家としてやっていきたい」と決意していますが、いきなりそうはいかないので、カメラマンとしての仕事を続けながら作家活動をしています。

これから写真を仕事にしたい方や、写真好きな方へ何か気づきを与えられたら幸いです。

 

 

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