DJIは2021年10月27日レンズ一体型のアクションカメラ「DJI Action 2」を発売開始しました。
「DJI Action 2」は2020年に発売された「OSMO ACTION」の後継機にあたります。縦横39mm、厚さ22mm、重量56gと超小型軽量のアクションカメラながらも、最大4K/120FPSの収録が可能になっています。
今回、さっそく「DJI Action 2」を購入し使ってみたのでレビューをお届けしたいと思います。
この記事を書いた人
大阪で活動するフォトグラファー。年間書籍「プロカメラマンFile」2018-2020に選出、掲載。日本最大の写真の祭典「関西御苗場2018」でレビュアー賞獲得。仕事では広告写真や写真教室講師等務める。プライベートではポートレートやスナップの作品を撮影する。
「DJI Action 2」の特徴・スペック
2021年10月27日に中国のジンバルやドローンなどを展開しているカメラメーカーDJIから「DJI Action 2」が発売されました。
DJI Action 2 Powerコンボ(販売価格 税込4万9,500円)とDJI Action 2 Dual-Screenコンボ(販売価格 税込6万3,800円)の2種類のコンボキットをラインアップしています。
「DJI Action 2」の重量はなんと56gと超小型設計になっています。「Go Pro HERO10 Black」の重量が153gなので、その約3分の1程度の重量になります。またサイズは縦39mm、横39mm、厚さ22mmと驚くほど小さいスクエア型のアクションカメラになります。
肝心の映像の方は最大4K/120FPSの収録が可能になっています。背面の液晶モニターは1.76インチ、350 ppiでかなり小さめですが、専用アプリと接続することで、スマホからも映像の確認や遠隔操作が可能になります。
屋外で利用することも考えられているので、水深10m防水にも対応しています。
そしてカメラのセンサーサイズは「1/1.7インチCMOS」になります。「Go Pro HERO10 Black」のセンサーサイズは確か「1/2.3型」だったと思うので、スペック的には「DJI Action 2」のセンサーサイズの方が上になります。
今までのアクションカメラにはなかったマグネット着脱式を採用しており、マグネットで服に装着できるようになったり、よりスピーディーにセッティングもできるようになりました。
- 重量56gの超小型設計
- 4K120fps で撮影可能
- 水深10m防水
- センサーサイズ 1/1.7インチCMOS
- マグネット着脱式
参考:DJI Action 2
届いた「DJI Action 2」を開封
今回、筆者は「DJI Action 2 Powerコンボ」を購入しました。「DJI Action 2 Powerコンボ」の中身をご紹介していきます。
箱を開けると「Dji Mimo」アプリの案内や使い方のイラストが書かれています。これを見るだけでなんとなく使い方がわかります。
「DJI Action 2 Powerコンボ」の中身です。
- カメラユニット
- 電源モジュール
- 磁気ストラップ
- 磁気アダプターマウント
- 電源ケーブル
といった内容になっています。
ちなみに「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」の場合はこれらに加え、
- フロントタッチ画面モジュール
- 磁気ボールジョイントアダプターマウント
が追加されます。
電源モジュールを装着してみました。マグネット着脱式になっているので付け外しはとっても楽です。強めの磁気で、装着したらロックされるので、撮影中に外れてしまうということもまぁなさそうです。
従来のアクションカメラと違う点
「DJI Action 2」は「Go Pro」や「OSMO ACTION」のような従来のアクションカメラとは違う点があります。
それがカメラユニットと電源モジュールで別れているということです。
そしてカメラユニットの方は何の端子もついていません。それにより何が起きるのかを簡単にまとめました。
- 本体カメラユニットに充電用端子がないので、電源モジュールを介して充電しなければならない。
- 本体カメラユニットは32GB(実質22GBくらい)のストレージを内蔵。SDカードスロットは本体にないので、電源モジュールにmicroSD(最大256GB)を挿すことができる。
- 電源モジュールから本体カメラユニットへ電源供給するので、先に電源モジュールのバッテリーが切れる。
「DJI Action 2」で撮影した写真や動画紹介
それでは実際に「DJI Action 2」を使って撮影した動画や写真をいくつかご紹介します。
1自転車に乗っているところを撮影
「DJI Action 2」をマグネットで服の上につけて自転車に乗っているところを撮影してみました。カメラのブレも少なく、臨場感ある面白い映像を撮影することができました。周辺環境音も綺麗に収録されていることがわかります。
カメラはこのように胸元に磁気ストラップでつけてみました。
2スケボーに乗っているところを撮影
続いて、「DJI Action 2」を自撮り棒三脚に取り付け、手持ちでスケートボードに乗っているシーンを撮影してみました。自分目線から足元を映すシーンと、自撮り棒三脚を伸ばしてスケートボードの横あたりから足元を写したシーンを撮影しました。
自撮り棒三脚はDJIの純正のものではなく、Amazonで購入したUlanziの自撮り棒三脚を使用しています。
そもそもスケボーがそんなに得意ではないので、迫力さにはかけますが、映像としてはこちらも面白い絵が撮れました。
3タイムラプス動画を撮影
続いて、タイムラプス動画を撮影してみました。こちらもDJI純正のものではなく、「SZsic カメラ ホルダー」を使ってその場にあった金網フェンスに取り付けて撮影しました。
タイムラプス動画はモードを「タイムラプス」に変更して、そのまま10分間撮影し続けるだけです。10分経過したらタイムラプス動画が出来上がっています。オートで撮影しても綺麗に撮影できますが、自身で細かく設定することも可能です。
4風景写真を撮影
続いて「DJI Action 2」で撮影した写真です。こちらも自撮り棒三脚にカメラを乗せて、アプリで接続してマニュアルで撮影しました。
写真はRAW画像(ファイル形式はDNG)で撮影することが可能です。
写真はとても綺麗に手軽にマニュアルでも撮影することができ、正直期待以上でした。フルサイズの一眼カメラに広角レンズをつけて撮影するよりも「DJI Action 2」でパッと撮影する方がコスパも抜群で手軽だと感じました。
例えば、店舗の内観写真撮影では「DJI Action 2」で十分綺麗に撮影することができるので仕事の現場でも活躍してくれると思います。
PCやスマホなどのデバイスでWebで閲覧する写真であれば、フルサイズの一眼カメラで撮影したものと「DJI Action 2」で撮影したものとでは見分けはほとんどつきません。
実際に使ってみた感想
「DJI Action 2」を実際に使ってみて感じた感想をまとめました。
1今まで撮れなかった面白い画角で撮れる
超小型ということもあり、今まで一眼カメラやシネマカメラなどの大型のカメラでは難しいアングル、画角からの撮影も「DJI Action 2」では手軽に撮影することができるようになりました。
例えば、映画やドラマでよく見かける冷蔵庫を開くシーンを冷蔵庫の内側から撮るシーンであったり、一人称の撮影でその人目線になってバイクに乗っている、車を運転しているシーンなど。
カメラが大きいとセッティングの難易度も高く、機材をたくさん使うようなシーンでも、超小型の「DJI Action 2」を使えば手軽に撮影することが可能です。
2想像以上に内蔵マイクが優秀
動画収録時の音声の質の高さにびっくりしました。「DJI Action 2」はインテリジェントオーディオという技術を採用しており、4マイク構成のマトリックス ステレオ技術で、臨場感あふれる音声の記録が可能です。また記録したい音声の方向を設定することで、指向性を持たせて音声録音することも可能です。
まらに2022年1月に発売予定の「DJI Mic」と組み合わせることで、内臓マイクよりもさらに高音質で音声の収録が可能になります。
これによりアクションカメラ、ウェアラブルカメラの、「内蔵マイクの音質が悪い」という課題も克服できます。
3発熱問題はアリ 4K60pで20分程度で停止
室温19度、4K60pでテスト撮影してみたところ21分26秒でカメラが停止しました。カメラの電源こそ落ちませんでしたが、「カメラが高音で録画を停止します」的な表記が出て、自動で録画が停止されてしまいます。
停止直後のカメラを触ると、触っていられないくらい高温になっていました。21分の収録時間はあまりに短いため、ここは大きな課題点かなと感じました。
ちなみに1080p 30pでの撮影であれば90分以上連続撮影しても問題ありませんでした。
長時間撮影する場合は1080pで撮るのが無難みたいです。
4写真は期待以上!ただし比率の選択肢が2つしかない
写真の方は正直あまり期待していなかったのですが、マニュアルでRAWでの撮影もできるので迫力のある風景写真や建物の内観写真が撮影することができます。動画の場合は暗所ではノイズが目立ちますが、写真の場合はシャッタースピードを調整して光を取り込めるので、ノイズも気になりません。
さらに「DJI Action 2」は気軽に持ち運びもできるので、持ち歩けてRAW画像で綺麗な広角の写真が撮影できるのは写真用途だけでも十分価値があるように感じました。
ただし不満を挙げるとしたら写真のアスペクト比が「4:3」と「16:9」しか選択肢がないことです。通常の一眼カメラで使われる「3:2」のアスペクト比はせめて入れて欲しかったなと思います。
筆者はこんな使い方をします
筆者は今後「DJI Action 2」でこのような使い方をしていきます。
動画クリエイターであれば、こういった広角で小型のアクションカメラがあれば映像のバリエーションも確実に増えます!
1一人称の主観の動画撮影
作例動画でも上げた自転車に乗っている動画のように、一人称の主観の動画撮影で使っていこうと考えています。マグネット着脱式で服の上に取り付けることができ、ハンズフリーになるので、PC作業をしている、DJをしている、料理をしているといった作業風景なんかでも面白いかもしれません。
2大きいビデオカメラでは難しいアングルからの動画撮影
一眼カメラやシネマカメラでは難しいアングル、画角からの動画撮影を「DJI Action 2」を使ってしていこうと考えています。
アクセサリーにある、「磁気ボールジョイントアダプターマウント」を使えば天井や壁にも貼り付けることが可能なので、部屋の高い場所からの撮影なども手軽に行えます。
具体的な例をあげると、例えばゴルフをしているワンシーンで、ホールカップに入ったボールをカップから取り出すシーンをカップの中にカメラを仕込んで撮りたいとします。
シネマカメラなどの大きなカメラでは到底ホールカップの中には仕込めないので、大きな穴を掘ってカップに見立てた円形の筒を用意して…と、かなり大掛かりな撮影になってしまいますが「DJI Action 2」があれば小型なので直接カップに入れるだけで面白いワンシーンが手軽に撮れます。
3店舗の内観写真撮影
内観写真の撮影用途で「DJI Action 2」を使おうと思っています。
カメラマンの仕事をしている方であれば、店舗の内観写真を頼まれたりといったシチュエーションもあるかと思います。空間を広く見せる写真であれば、絞って撮影することが多いのでわざわざフルサイズの一眼カメラに広角レンズを付けて三脚に乗せて撮影としなくとも、「DJI Action 2」で自立式一脚などに乗せて撮影する方が手軽でスピーディーで良いのではないかと思います。
大判プリント用途で撮るならしっかりしたカメラの方が良いですが、単純にWebやSNSに掲載する用途の内観写真なら一眼カメラでなく、「DJI Action 2」で必要十分です。
マニュアルでの撮影、RAW形式で撮影することもできるのはありがたいです。
4対談インタビュー動画の引きカメラとして
筆者は対談インタビュー動画などを撮影する機会が結構あります。
1対1で合計2名の出演者で対談動画を撮る際はいつも一眼カメラ2台、シネマカメラ1台で大型のカメラ3台体制で撮影します。
出演者A にカメラ1(寄りのカット)、出演者Bにカメラ2(寄りのカット)、出演者AとBにカメラ3(引きのカット)という基本的な配置で撮影するのですが、この引きのカットは背景を大きくぼかすことがないので、スペックの高いカメラである必要があまりありません。
なので引きのカメラに「DJI Action 2」を持ってくることで、撮影の準備や片付けがかなり時間短縮になるのではないかと思います。
最後に
以上、アクションカメラ「DJI Action 2」のレビューをお届けしました。
筆者の場合は、仕事で使うシーンが多そうそうですが、プライベートでの撮影でも十分に楽しめるアクションカメラだと思います。
DJI Action 2 PowerコンボとDJI Action 2 Dual-Screenコンボがありますが、自撮りをする場合はDJI Action 2 Dual-Screenコンボがおすすめです。
家族や友達とのお出かけや旅行、Vlog用途でも使えるカメラなので、さまざまな使い方ができます。1台持っていると普段の動画撮影がかなり楽しくなるので興味のある方はぜひ購入を検討してみてください。