
ここ最近一眼カメラで動画を撮影する方が非常に増えました。
そして動画において重要になるのが「音声の収録」です。カメラの内臓マイクでは品質の高い音声収録は難しいので、外部マイクを使うことをおすすめします。
外部マイクはRODEやソニー、パナソニック、ゼンハイザーなどから様々な種類が販売されています。
今回は、一眼ムービー初心者に向けて「マイクの選び方」と「おすすめの外部マイク」をご紹介します。
この記事を書いた人
プロカメラマン小野友暉
大阪で活動するフォトグラファー / 映像クリエイター。年間書籍「プロカメラマンFile」2018-2020に選出&掲載。日本最大の写真の祭典「関西御苗場2018」でレビュアー賞獲得。仕事では広告写真や動画制作、写真教室講師等務める。毎月20〜30万円のガジェットや機材を購入するガジェットマニア。
一眼カメラ用マイクの選び方
まずは一眼カメラ(ビデオカメラ)用マイクの選び方について解説していきたいと思います。
1マイクのタイプと使用用途で選ぶ
マイクには様々なタイプが存在しますが、一眼カメラ(ビデオカメラ)に直接装着して使うマイクは大体「ビデオカメラ用ガンマイク」「ショットガンマイク」「ラベリアマイク / ピンマイク」に絞られます。
出演者が複数人いて、出演者それぞれの声+環境音も集音したい場合は「ビデオカメラ用ガンマイク」「ショットガンマイク」が向いています。
出演者が1人か2人で、喋っている声を綺麗に集音したい場合は「ラベリアマイク / ピンマイク」がおすすめになります。
2マイクの指向性で選ぶ
マイクには「指向性」と呼ばれる、どの方向から音を収音できるかという特性があります。
指向性には大きく分けて4種類あり、「無指向性(全指向性)」「単一指向性」「超指向性」「双指向性」があります。
- 無指向性(全指向性)…指向性がなく、360度の音を集音できる
- 単一指向性…特定の方向(前方)の集音をしやすい
- 超指向性…離れた距離から特定の音だけを集音できる
- 双指向性…マイク前面と背面からの音に対して同等の感度を持ったマイク
ざっくり解説するとこのようになります。
ラベリアマイクやピンマイクでは「無指向性(全指向性)」のものが多く、一眼カメラの上にのせて使うガンマイクは「単一指向性」のものが多いです。
そしてテレビのロケなどで使われるショットガンマイクは「超指向性」のものが多いです。
「双指向性」のマイクはPC内臓マイクなんかであったりしますが、ビデオカメラ用では少ないです。
3モノラルマイクかステレオマイクかで選ぶ
マイクにはモノラルマイクとステレオマイクがあります。
- モノラルマイク…1つのマイクで録音
- ステレオマイク…2つ以上のマイクで録音
モノラルには「単一」という意味があり、一般的に1つのマイクで録音された音源になります。モノラルで録音した音をイヤホンやスピーカーで聴くと左右から同じ音が流れます。
対し、ステレオには「立体音響」という意味があり、2つ以上のマイクで録音された音源になります。ステレオで録音した音をイヤホンやスピーカーで聴くと左右で違う音が流れます。
一眼レフ用のマイクで販売されているマイクはモノラルマイクの方が数が多いです。
ただし用途によってはステレオマイクの方が適している場合があるので、どのような用途で使うかによって、モノラルマイクかステレオマイクかを決めましょう。
4電源供給方法で選ぶ
マイクの電源供給方法をチェックして、自分のカメラ機材にあうマイクを選びましょう。
マイクには「マイク側に電源が必要なマイク(ファンタム電源 / 48V)」と「マイク側に電源がいらないマイク(プラグインパワー方式)」があります。
- マイク側に電源が必要なマイク=高感度
- マイク側に電源がいらないマイク=低感度
それぞれで上記のような特徴がありますが、単純に高感度マイクであればいいというわけではありません。感度は用途やシチュエーションによって使い分けるのが良いです。
「マイク側に電源が必要なマイク」はファンタム電源(48V)と電池駆動で電源供給可能なものが多いです。
これらはプロ向けマイクに多くなってきます。
5ノイズ軽減機能で選ぶ
「ノイズ軽減機能」があるかどうかをチェックしておきましょう。価格の高いマイクになるとローカットの機能がついているものもあります。
ローカットとは低い周波数をカットする機能です。エアコンやパソコンなどの環境ノイズが入る場合はローカットを有効にしてノイズを低減することができます。
また他にも風の影響によるノイズを低減するためのウインドスクリーンやウインドジャマー、振動音などを軽減してくれるショックマウントが付属しているかどうかもチェックしましょう。
もし付属していない場合はマイク剥き出しでそのまま使うよりもアクセサリーを別途購入するのをおすすめします。
一眼カメラ用マイク人気おすすめ
それでは一眼カメラ(ビデオカメラ)の人気おすすめをご紹介していきたいと思います。
(※2022年1月時点でのAmazonの価格を表記しています。ご覧になられている時期によっては価格の変動がある場合がございます。)
Ulanzi VM-Q1
マイクの指向性 | 超心形指向 |
電源供給 | プラグインパワー |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント |
サイズ | Φ20* 70mm |
重量 | 27g |
COMICA CVM-VM10II
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | プラグインパワー |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ウインドジャマー、ショックマウント |
サイズ | 21mm*85mm |
重量 | 230g |
COMICA CVM-V30 LITE
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | プラグインパワー |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント |
サイズ | 160mm 50.8mm 86mm |
重量 | 150g |
COMICA CVM-V30 PRO
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | 単四形電池 2本 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ウインドジャマー、ショックマウント、ローカット |
サイズ | – |
重量 | – |
RODE VideoMicro
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | プラグインパワー |
ノイズ軽減 | ウインドジャマー、ショックマウント |
サイズ | Φ2.1 x 8 x 2.1 cm |
重量 | 42g |
COMICA CVM-VM20
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | バッテリー駆動 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント |
サイズ | ウインドスクリーン、ウインドジャマー、ショックマウント、ローカット |
重量 | 84g |
SYNCO-M3
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | 単4形電池 2本 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント、ローカット |
サイズ | 186x32mm |
重量 | 52g |
パナソニック ステレオマイク VW-VMS10-K
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | プラグインパワー |
ノイズ軽減 | ショックマウント、ウインドジャマー |
サイズ | 30mm 67mm 89mm |
重量 | 64g |
Sennheiser MKE 200
マイクの指向性 | スーパーカーディオイド |
電源供給 | プラグインパワー型 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント |
サイズ | 69 x 60 x 39 mm |
重量 | 48g |
Sennheiser MKE 400-Ⅱ
マイクの指向性 | スーパーカーディオイド |
電源供給 | 単四電池2本 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ウインドジャマー、ローカットフィルター |
サイズ | 126 x 67 x 37 mm |
重量 | 93.5 g |
SYNCO-G1(A1)-2.4GHz
マイクの指向性 | 全指向性 |
電源供給 | バッテリー駆動 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ウインドジャマー |
サイズ | 52x42x16mm |
重量 | 35g |
COMICA BoomX-D2
マイクの指向性 | 全指向性 |
電源供給 | バッテリー駆動 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ウインドジャマー |
サイズ | 11 x 7 x 18.5 cm |
重量 | 29g |
Hollyland Lark 150
マイクの指向性 | 全指向性 |
電源供給 | バッテリー駆動 |
ノイズ軽減 | ウインドジャマー |
サイズ | 12 x 6 x 5.8 cm |
重量 | 20.5g |
Sennheiser ゼンハイザー ポータブルラベリアセット
マイクの指向性 | 全指向性 |
電源供給 | バッテリー駆動 |
ノイズ軽減 | – |
サイズ | – |
重量 | 21g |
SHURE VP83
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | 単三電池 1本 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント、ローカット |
サイズ | – |
重量 | 215 g |
SHURE VP83F
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | 単三形電池 2本 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント、ローカット |
サイズ | – |
重量 | 215g |
RODE VideoMic Pro+
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | 単3電池2本 / バッテリー |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント、ローカット |
サイズ | 170mm x 111mm x 66mm |
重量 | 122g |
Sennheiser MKE 400
マイクの指向性 | 単一指向性 |
電源供給 | 単4形 電池 1本 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント、ローカット |
サイズ | 130 X 21 X 62 mm |
重量 | 60g |
Sennheiser MKE 600
マイクの指向性 | 超指向性 |
電源供給 | 単3形 電池1本 |
ノイズ軽減 | ウインドスクリーン、ショックマウント、ローカット |
サイズ | 20mm 256 mm |
重量 | 128g |
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最後に
以上、一眼ムービー初心者向けに一眼カメラの外部マイクの選び方と人気おすすめをご紹介しました。音声収録は動画のクオリティを左右する非常に重要なものです。一眼カメラの内蔵マイクでそのまま収録しているという方は早急に外部マイクを導入することをおすすめします。
すでに外部マイクを持っている方も、ラベリアマイクやショットガンマイクなど、マイクのバリエーションを増やすと動画撮影の幅も広がります。興味のある方はぜひ外部マイクチェックしてみてください。
また過去記事でも外部マイクについてまとめた記事があります。やや情報が古いかもしれませんが興味のある方はこちらもご覧ください。