
当記事ではカメラの一脚についてまとめていきます。一脚は三脚に比べると、必要性やどういうシーンで使用すればいいかがとてもわかりにくいです。今回はカメラ一脚の必要性から使用シーン、一脚の素材、おすすめの一脚紹介、の実際の使用例など幅広くまとめていきたいと思います。
一脚(いっきゃく)とは?
一脚とは、上の写真のようなもので、カメラを支持する伸縮可能な1本のパイプの撮影用品です。カメラ三脚の脚が一つしかないものになります。基本的に機能としてはカメラを支えるもので、三脚と同じです。
一脚の歴史をたどると、もともとはカメラ用ではなく大昔に兵士が銃を支えるものとして使用されていたみたいです。それが年々銃が軽量化していくにつれてそういう使い方はしなくなったようですが、カメラ用の一脚として今もなお残っています。
一脚の必要性

カメラをしているとみんな綺麗な写真を撮ろうとハイスペックなカメラを求めがちです。例えば、暗所での手持ち撮影時に、綺麗に撮るために何万円もかけて、下手したら何十万もかけてハイスペックなカメラを買おうとしがちです。ですがそこに一脚一本あれば、ハイスペックなカメラでなくてもISOを下げて綺麗な写真が撮影できたりします。当然一脚であれば何万円も投資する必要はありません。
そういった状況やシチュエーションによっては何万円もかけてハイスペックなカメラを買うよりも、数千円の一脚の1本あった方がコスパよく綺麗な写真が撮れる場合があります。単にお金をかければいいというわけでもなく、賢く状況に合わせたものを用意できるようになることが必要です。
一脚のメリット
一脚のメリットをわかりやすく三脚と比較してまとめてみました。
1狭い場所でも気にせず設置できる
一脚は三脚よりも設置の際、幅をとりません。なので狭いところでも場所を選ばず立てることができます。平面じゃない安定しない場所や、窮屈な場所でも三脚で対応できない場所でも一脚だと対応できたりします。
2コンパクトで、三脚よりも持ち歩きが楽
一脚なので当然ですが、三脚よりも基本的に軽く持ち運びも楽になります。長時間歩き回る場合は重要なポイントですね。余談ですが、登山写真家の方の中には、一脚を杖がわりに使用していたりもします。
3三脚よりも値段が安い
一脚は脚が1本しかないので、必然的に三脚よりも値段が安いです。物によっては普通レベルの三脚の値段と同じくらいの値段で一脚であればそれなりの高品質なものが購入できます。同じ値段払って、使い勝手の悪い三脚を買うくらいなら、高品質で使いやすい一脚を選択するのもありだと思います。(物によります。)
4設置に時間がかからない
一脚は三脚よりもスムーズに、スピーディーに設置ができます。急いで設置しないよいけないときや、場所の移動が多い場合は嬉しいですね。
以上、メリットをまとめました。
- 狭い場所でも広げられる
- コンパクトで、持ち歩きが楽
- 三脚よりも値段が安い
- 設置に時間がかからない
一脚のデメリット
それでは続いて、一脚のデメリットを同じく三脚と比較して比べてみました。
1安定感が三脚ほどではない
やはり、安定感を比べると三脚には劣ります。一脚で星空撮影などの長時間露光はまず無理です。完全に構図を固定するような撮影はできないと思った方が良いでしょう。
2使うシーンが分かりにくい
どこでどう使っていいかがわからない、というのがみんな手を出しにくい理由になっているんではないでしょうか??一脚の使用シーンは結構限られてしまうため、わかりにくいです。
以上、一脚のデメリットをまとめてみました。
- 安定感が三脚ほどではない
- 使うシーンが分かりにくい
一脚を使うシチュエーション
一脚を使うシチュエーションをまとめてみました。
1子供の運動会での撮影
運動会の撮影など、周りの親御さんもみんなカメラを手にするので、幅をとる三脚はたてづらいです。かといって手持ちで撮影して、気がついたらブレブレの写真ばかりということにもなりかねません。そんな時に一脚という選択肢がベストです。ブレも防げて、狭い場所にでも簡単に立てることができます。
2手ぶれ補正の無いレンズ、カメラを使っている時
手ぶれ補正の無いブレやすいカメラやレンズを使っている時に、コンパクトな一脚を持ち歩いていれば、とても役立ちます。いざという時に、ブレの少ない綺麗な写真や動画を撮影することができます。
3スポーツ撮影や動物撮影などで望遠レンズを使う時
スポーツ撮影や動物撮影などでは望遠レンズを使用することが多くなります。そんなときに一脚があると非常に便利です。望遠手持ちの撮影はなかなか体力を奪われます。一脚があれば、カメラを支えてくれて、小回りも効くので、いざという時のシャッターチャンスも逃しにくいです。またブレの防止にもなります。
4結婚式でのムービー撮影
結婚式場などでの記録用のムービー撮影なんかは三脚よりも一脚の方がおすすめです。すぐに高さを変えてアングルを変えられることと、移動が素早く行えることから、決定的瞬間を逃すわけにはいかない結婚式場などのイベントでは一脚が活躍します。実際に結婚式場側で一脚を導入しているところも多いです。
一脚の雲台タイプについて知ろう
失敗しない一脚選びをするには一脚の種類や特徴をしっかり捉えなければなりません。まずは一脚の種類について、雲台のタイプをまとめていきます。一脚には雲台のついているものとついていない(角度調整のできない)雲台がありますが、基本的には雲台ありを購入することをおすすめします。雲台には大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴についてまとめてみます。
2WAY雲台
「2WAY雲台」とは上下左右の2方向それぞれ個別に角度が調整できる雲台のことをいいます。
3WAY雲台
「3WAY雲台」とは上下左右に加え傾きの、3方向それぞれに個別に角度が調整できる雲台のことです。
自由雲台
その名の通り、自由にカメラの角度を調整できる雲台のことです。
フリュード雲台
「フリュード雲台」とは、主に動画撮影をする際に滑らかな動きを可能にする雲台のことです。パンなどの動きを滑らかに行うことができます。
一脚・三脚の素材
一脚の素材の種類について説明します。(三脚にも当てはまるので同様に説明)一脚・三脚の素材は大きく2つ、アルミとカーボンがあります。それぞれアルミとカーボンの素材についての特徴を次にまとめてみました。それぞれにいいところ(メリット)、悪いところ(デメリット)があるため、そこをしっかり理解した上で、ご自身の使用用途にあったものを選ぶといいと思います。
アルミの一脚・三脚の特徴
アルミの一脚・三脚についての特徴を箇条書きでまとめました。
- アルミはカーボンに比べて価格が安い。
- アルミはカーボンに比べると重量が重い。
- アルミはカーボンに比べると振動減衰性が劣る。
カーボンの一脚・三脚の特徴
続いてカーボンの一脚・三脚についての特徴を箇条書きでまとめました。
- カーボンはアルミに比べて価格が高い。
- カーボンはアルミに比べると重量が軽い。
- カーボンはアルミに比べると振動減衰性が優れている。
フォトグラファーにおすすめの一脚 14選
一脚の種類や特徴、素材について知った上で、おすすめの一脚を14選ご紹介していきたいと思います。
1Libec TH-M KIT
アルミフリュード
日本メーカー製のLibecのTH-M KITになります。写真用途でも動画用途でも使用することができ、他メーカーと比べても抜群の安定感を誇る一脚です。フットペダルもついていて、足で踏み込むことによって、フリーモードと自立モードも簡単に切り替えることができます。最大搭載重量も4kgと重量級のカメラも載せることが可能です。クリエイターにおすすめの最強の一脚です!
全高 | 189.5cm |
縮長 | 87.5cm |
重量 | 2.7kg |
段数 | 3段 |
パイプ径 | 34mm/29.5mm/25mm |
耐荷重量 | 4kg |
2SLIK スタンドポッド
アルミ2WAY
SLIK(スリック)から2WAY雲台の一脚です。全長は177.5cmと非常に高く、ミニ三脚も付属しているので、一脚兼簡易三脚として使用できます。
全高 | 1775mm |
縮長 | 720mm |
重量 | 720g |
段数 | 4段 |
パイプ径 | 26.8mm |
耐荷重量 | 1kg |
3SLIK スタンドポッドGX-N
アルミ3WAY
先ほど紹介したSLIK(スリック)のスタンドポットから進化した一脚。3WAY雲台になり、全長も長くなったのにも関わらず、縮長は小さくなりました。
全高 | 1873mm |
縮長 | 710mm |
重量 | 1035g |
段数 | 4段 |
パイプ径 | 24mm |
耐荷重量 | 1kg |
4Velbon Pole Pod EX
アルミ3WAY
Velbon(ベルボン)からバランスも良く、コスパのよい一脚です。3WAY雲台で簡易三脚は2段でそれなりの安定感が見込めます。
Velbon スタンド型一脚 Pole Pod EX 4段/2段 レバーロック 脚径23mm/17mm 小型 3Way雲台 クイックシュー対応 アルミ脚 372482
全高 | 1870mm |
縮長 | 710mm |
重量 | 800g |
段数 | 4段 |
パイプ径 | 23mm |
耐荷重量 | 1kg |
5Velbon ウルトラスティック セルフィー
アルミ自由雲台
続いてVelbon(ベルボン)からセルフィー専用の自撮り棒。かなり小さくなるので旅行先で持ち歩くのにもオススメです。別売りのミニ三脚にドッキングも可能になります。
全高 | 725mm |
縮長 | 185mm |
重量 | 185g |
段数 | 6段 |
パイプ径 | 24mm |
耐荷重量 | 0.4kg |
6Fotopro DIGI-MPS
アルミ自由雲台
Fotopro(フォトプロ)からサポート三脚付きの一脚です。全高こそはあんまりにしても、耐荷重は1.5kgとなかなかです。
全高 | 1415mm |
縮長 | 480mm |
重量 | 235g |
段数 | 4段 |
パイプ径 | 20mm |
耐荷重量 | 1.5kg |
7Fotopro DIGI-MP1BH
アルミ自由雲台
Fotopro(フォトプロ)からかなり破格の一脚が出ました。「とりあえずの一本!とにかくお金をかけたくない。」という方にオススメです。
全高 | 1395mm |
縮長 | 470mm |
重量 | 220g |
段数 | 4段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 1.5kg |
8SLIK スタンドカーボン 604 S
カーボン2WAY
SLIK(スリック)からカーボン製の一脚兼簡易三脚。カーボン製の一脚は丈夫で軽量。長く使えて使いやすさも良いので少々値は張りますが、買って損はない商品です。
全高 | 1599mm |
縮長 | 644mm |
重量 | 520g |
段数 | 4段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 1kg |
9SIRUI 6段 カーボン P-326
カーボン
SIRUIのカーボン製の一脚。こちらは6段の一脚で、持ち運ぶときはコンパクトに、広げた時にはかなり高くなるので、使い勝手のいい一脚になります。また、カーボン素材を使っていることもあり、使いやすさも優れています。
全高 | 1540mm |
縮長 | 380mm |
重量 | 399g |
段数 | 6段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 10kg |
10SIRUI 6段 カーボン P-426S
カーボン
またまたSIRUIからカーボン製の一脚。先ほど紹介したP-326からワンランク上の一脚になります。望遠での撮影、ビデオ撮影など、あらゆるシチュエーションで活躍します。長く使えるいいものをお探しの方にはオススメです。
全高 | 1,600mm |
縮長 | 575mm |
重量 | 1,400g |
段数 | 6段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 10kg |
11Manfrotto XPRO カーボンファイバー 5段 MVMXPROC5
カーボン
三脚、一脚では定番のブランド、Manfrotto(マンフロット)からカーボン素材の一脚です。パン以外をロックするFLUIDTECH機構搭載でフォト・ムービー撮影の両方で活躍します。効果ではありますが、最高のパフォーマンスをしてくれます。
全高 | 1880mm |
縮長 | 605mm |
重量 | 1300g |
段数 | 5段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 5kg |
12Manfrotto XPRO アルミ MVMXPRO500
アルミ2WAY
もう一つManfrotto(マンフロット)からビデオカメラ、映像撮影に特化した一脚をご紹介します。プロフルード雲台装備しているアルミ製の一脚。ビデオ撮影を多くされる方にはおすすめです。
全高 | 2030mm |
縮長 | 780mm |
重量 | 2,560g |
段数 | 4段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 5kg |
13GITZO カーボン GM4552L
カーボン
三脚、一脚ではハイクオリティで知られる有名ブランド、GITZOのカーボン素材の一脚です。Carbon eXactチューブと、大型石突装備していて滑らかな動きを実現します。とにかく、クオリティの高いものが欲しいという人におすすめの一脚です。
全高 | 1900mm |
縮長 | 560mm |
重量 | 730g |
段数 | 5段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 30kg |
14Manfrotto 一脚 COMPACT Advanced アルミ 5段
アルミ
Manfrotto(マンフロット)から使いやすさを追求した安価なコスパ抜群の一脚です。ラバーグリップもついているので、操作感も抜群です!
全高 | 1556mm |
縮長 | 415 mm |
重量 | 350 g |
段数 | 5段 |
パイプ径 | – |
耐荷重量 | 3Kg |
筆者はこんな一脚の使い方をしてます
ちなみにですが筆者は自宅でYoutube用の動画撮影をする際に、Libec TH-Mの一脚を使用しています。動画機材は写真撮影時の機材よりも重たくなりがちなので、重たいカメラでも抜群の安定性で支えてくれる「Libec TH-M KIT」はとても気に入っています。三脚ほど幅もとらないので、狭い部屋でも使えることができます。
あとはGoogle認定フォトグラファーをしていることもあって、Googleの360度ストリートビューを撮影する際に、360度カメラを一脚兼簡易三脚に載せて使用しています。
なぜ三脚ではなく一脚を使用するかと言うと、360度写ってしまうカメラなので、三脚を使用すると、横の広がりが大きい分、写真の中に大きく写り込んでしまい、後で三脚を消す編集作業がとても面倒です。一脚は横の広がりがあまりなく、また360度カメラは小さく軽量なので、一脚兼簡易三脚で十分支えられます。この場合は一脚という選択肢が一番良いと感じています。
また他の使い方としてポートレートの撮影時に一脚を使ったりします。使い方などは過去記事に詳しくまとめていますので良ければご覧ください。
最後に
以上、カメラの一脚についてまとめました。一脚は三脚に比べるとどう使っていいかがわかりにくく、手を出しづらいものという印象もありますが、しっかりと理解して使いこなすことができれば非常に便利なアイテムとなります。1本くらいは持っておいて損はないと思います。興味ある方はぜひ使ってみてください。また、三脚についての記事も過去に書いていますのでよければご覧ください。