Insta360 Xシリーズ最上位モデルの360度アクションカメラ「X3」のレビュー記事をお届けします。
Insta360は、360度カメラおよびアクションカメラを専門に製造する中国の企業です。このブランドは、革新的で使いやすいカメラを提供することで知られており、プロフェッショナルな映像制作者から一般消費者まで幅広いユーザー層に支持されています。そんなInsta360のXシリーズ最上位モデルのInsta360 X3は、5.7K 360度ビデオ、72MP写真、FlowState安定化、防水性能、大型タッチスクリーンを備えたアクションカメラです。
今回Insta360様より製品のご提供をいただき、いくつか作例動画も撮ってきたので、使用した感じも含めレビューをお届けしたいと思います。
Insta360 X3の特徴
Insta360 X3は2022年9月8日に発売されたアクションカメラです。一体どんなアクションカメラなのか、特徴を簡単にまとめました。
1 5.7K360度動画が撮影できる
Insta360 X3は最大で5.7Kの360度動画を撮影することができます。5.7Kという大きな動画サイズと360度範囲で動画の撮影が可能なので、撮影中にアングルを意識せずとも後からリフレーミングで好きなアングルを選択することができます。
2 見えない自撮り棒で第三者視点での撮影が可能
Insta360 X3に自撮り棒をつけて撮影すると、自動で自撮り棒が消えるようになっています。これにより、ドローンで撮ったような空中のアングルや第三者視点での撮影が可能となります。非常に面白い機能で、動画表現の幅も広がること間違いありません。
3 強力な手ぶれ補正「FlowState」
Insta360 X3はアクションカメラとしても非常に優秀で、強力な手ぶれ補正機能「FlowState」が搭載されています。ブレが多くなるスポーツ中の手持ちの撮影はもちろん、揺れの激しいバイクや自転車などのブレも非常に滑らかに補正してくれます。
その他Insta360 X3の特徴を詳しく見るには、公式の製品ページをご覧ください。
Insta360 X3の進化点、従来モデルとの比較
Insta360 X3は、Xシリーズの従来モデルである「X2」からも大きく進化しています。
具体的にどういったところが進化しているのかをご紹介します。
- センサーサイズが大型化(1/2センサー)
- より明るく、より広角なレンズへ進化(F1.9、6.7mm)
- 静止画の解像度が7,200万画素と従来モデルの約4倍に
- 360度アクティブHDR動画機能搭載
- 「ミーモード」、「ループ録画」機能が搭載
- 2.29インチの大きな液晶モニターへ進化
- 動画最大ビットレートが向上
- バッテリー容量が向上
まずカメラのセンサーサイズが、1/2.3から1/2へとやや大きくなりました。
またレンズもX2ではF2.0、7.2mmでしたが、X3ではF1.9、6.7mmとより明るく、より広角のレンズに変わっています。
大きく変わった点で言うと、静止画の解像度が7,200万画素と非常に高くなっています。X2では静止画の解像度が1,800万画素だったので、約4倍になっています。
またX2にはなかった360度アクティブHDR動画機能が搭載されました。明暗差の激しいシーンでダイナミックレンジの広い動画を撮影してくれます。
一番わかりやすい進化した点は、2.29インチの大きなスクリーンになったことです。X2は丸型の小さい液晶モニターでしたが、X3では長方形の大きな液晶モニターになりました。
その他、動画最大ビットレートが向上していたり、バッテリー性能が向上していたりと、従来モデルから進化しているところが多くあります。
Insta360 X3のスペック
Insta360 X3のスペックを簡単にまとめました。連続録画時間は81分とやや短めに感じますが、アクションカメラとしての使い方であれば十分かと思います。長時間撮りたい方であれば替えバッテリーが必須になるかと思います。また基本は本体のUSB-Cポートに接続し充電します。
絞り | F1.9 |
35mm判換算焦点距離 | 6.7mm |
センサーサイズ | 1/2センサー |
写真解像度 | 7200万画素 (11968×5984) 1800万画素 (5952×2976) |
動画解像度 | 360度: 5.7K: 5760 * 2880@30/25/24fps 4K: 3840 * 1920@60/50/30/25/24fps 3K: 3008 * 1504@100fpsシングルレンズモード: 4K: 3840×2160@30/25/24fps 3.6K: 3584×2016@60/50/30/25/24fps 2.7K: 2720×1530@60/50/30/25/24fps 1080P: 1920×1088@60/50/30/25/24fps |
写真フォーマット | insp (モバイルアプリまたはStudioで書き出し可能)、 DNG Raw (PureShot、編集にはStudioが必要です) |
動画フォーマット | シングルレンズ:MP4 360度: INSV |
カラープロファイル | 鮮やか、標準、LOG |
重量 | 180g |
サイズ (幅 x 高さ x 奥行き) | 46.0×114.0x33.1mm |
連続録画時間 | 81分 |
音声モード | ・風切り音低減 ・ステレオ ・方向性強調 |
音声ファイル形式 | 48 kHz, 16bits, AAC |
microSDカード | UHS-I V30スピードクラス、exFATフォーマット済みの SDカード。推奨容量は1TBまでです。 |
バッテリー容量 | 1800mAh |
充電方法 | Type-C USB |
充電時間 | 90分(5V/3A) |
動作温度 | -20℃ 〜 40℃ |
Insta360 X3実機レビュー
実際にInsta360 X3でさまざまな動画や写真を撮影してみました。
開封〜セットアップ
まずは開封〜セットアップまでをご紹介します。
今回ご提供いただいた製品がこちらです。
- Insta360 X3本体
- Insta360 X3 替えバッテリー
- Insta360 X3 レンズキャップ
- 114cm 見えない自撮り棒
まずInsta360 X3本体の箱の中身を全て出してみました。
内容は
- Insta360 X3本体
- 充電用ケーブル
- 専用ソフトケース
- 取扱説明書
- ステッカー
- クロス
となっていました。
こちらが本体正面になります。
本体の前面、背面は握りやすいマット素材になっていました。
こちらが左側側面になります。
マイクと、USB-Cの端子、バッテリーとなっています。
そしてこちらが背面部分。
レンズと2.29インチの大きな液晶モニター、その下にボタンが2つと非常にシンプルです。
こちらが右側側面になります。
上からマイク、スピーカー、電源ボタンとQ(クイック)ボタンが配置されています。
最後に底面になります。
カメラでは一般的な3/8ネジのメスがあります。
続いて、Insta360 x3には欠かせない必須のアクセサリーとなる「見えない自撮り棒」について紹介します。
自撮り棒は必須のアクセサリー
今回一緒にご提供いただいた114cmの見えない自撮り棒です。通常の使い方であれば114cmという長さで十分です。
Insta360 X3は本体を直接手に持って撮影できなくもないですが、この見えない自撮り棒があることで第三者視点で撮られたような非常に面白い絵が撮れます。
他にも公式から豊富なアクセサリーが展開されており、長さ3mの、超長い見えない自撮り棒を使えば、まるでドローンの空撮のような絵が撮れたり、バレットタイム撮影キットを使えばInsta360 Xシリーズならではの迫力ある動画が撮れます。
Insta360 X3の多彩な機能を楽しむためにはこうしたアクセサリー類は必須と言えます。
Insta360 X3を使って撮影した写真・動画
Insta360 X3を使って撮影した動画と写真をいくつかご紹介します!
車に取り付けて第三者視点の撮影
車にInsta360 x3を車に取り付けて第三者視点の撮影を試してみました。
公式に車載のアクセサリーはあるみたいなのですが、今回は手元になかったため、元々持っていた車載吸盤マウントにInsta360の自撮り棒ごと取り付けて撮影しました。真似される場合は自己責任でお願いします。
一人で撮影するにはまず不可能だと思われた第三者視点での撮影が手軽にできました。
撮影した動画を見た時はとても感動しました。通常このような映像を普通のカメラで撮ろうと思うと、人員も時間もコストもかかって大掛かりな撮影になりますが、Insta360 x3があれば労力をかけずとも撮れてしまいます。
広大な景色をバックに360度写真
続いて、静止画の作例のご紹介です。よく晴れた日に海へ出かけたので、360度写真を撮影してみました。今回はHDR写真機能を使って撮影しています。
かなり綺麗に、広大な景色と一緒に撮影することができました。360度写真ということもあり、かなり広い範囲で撮影ができるので、綺麗な景色をバックに集合写真という使い方も手軽にできてしまいます。10人以上の集合写真でも簡単に撮ることができるのではないでしょうか?
また通常のカメラで集合写真を撮る場合、撮影者は集合写真の中に入れなくなってしまいますが、insta360 x3と見えない自撮り棒を使えば、撮影者も一緒に写真の中に入ることができます。
insta360 x3を持って林の中を散歩 タイムラプス動画
続いて、Insta360 x3を持ってタイムラプ動画を撮ってみました。モーションNDを適応して、8倍速にし、さまざまな視点へと画角を変更しています。
撮影自体は林の中を自撮り棒を持ってあ歩いただけです。特に画角など細かいことは一切気にせずに歩いて撮影してみました。
後から編集で見せ方は考えています。これだけでも迫力のある面白い絵が撮れたと思います。
アプリで簡単編集 Clone Trailを試してみた
続いて紹介するのは「Insta360」アプリのチュートリアルの中にある、「Shot Lab」の「Clone Trail」という機能を試してみました。「Shot Lab」とは「Insta360」アプリが自動編集してくれるテンプレートが集まった機能です。使い方は非常に簡単で、テンプレートと撮影した動画を選ぶだけで全て自動で編集してくれます。
動画の撮り方についても「Shot Lab」のそれぞれのテンプレートごとに解説動画があるので、事前にそちらを確認しておきましょう。解説動画の通り撮影できれば、あとはテンプレートに当てはめるだけです。今回は「Clone Trail」のテンプレートを選んでみました。
これだけで簡単に残像分身の動画を撮ることができました。BGMまで自動でつけてくれたのは驚きでした!笑
「Clone Trail」はサッカーのボールを蹴る瞬間、野球のボールをなげる瞬間、バスケットのドリブルシュートなど、スポーツの場面で使うのもとても良いと思います。
「Shot Lab」のテンプレートには他にもSNS映えしそうなものがたくさん入っています。これらを一つ一つ試していくだけでも、Insta360 x3を十分に楽しめると思いました。
実際に使ってみた感想
実際にInsta360 x3を使ってみた感想をいくつかまとめました。
後から構図を決めれるとう手軽さが撮影のハードルを下げてくれる
Insta360 x3のような360度のアクションカメラならではだと思いますが、後から構図を決めれるという便利さと、優れた編集機能があるおかげで、日常のお出かけでもアクションカメラを手軽に使えるようになったと思います。
筆者は今までにアクションカメラをいくつも使用してきましたが、スポーツでの使用頻度がそこまでないので、日常でアクションカメラを使うことがあまりありませんでした。なぜなら広角に撮るだけであればスマホでも十分に同じような絵が撮れて、なんならスマホの方が撮影してすぐにSNSなどにもアップできるので、利便性が高かったからです。
Insta360 x3の場合は、手持ち撮影するだけで360度範囲で撮れるので、後から好きな構図に編集できます。また編集機能も非常に優れているのでアプリ任せの自動編集でもそれなりの動画を作ってくれます。ちょっとしたお出かけ先でただ持って歩いている動画であっても、動きのある動画、面白い動画を簡単に作れるのはポイントが高いなと感じました。
通常のアクションカメラでは構図を意識して神経質になってしまうので、なかなか日常の中に持ち込むことができませんでしたが、Insta360 x3だと何も考えずにとりあえず録画しておこうと思えるので、結果的に日常でも使い続けられるカメラになりそうです。
プロが使うにも十分な機能性がある
筆者は映像クリエイターとしてもフォトグラファーとしても活動していますが、Insta360 x3はプロが使うにも十分な機能性を持っていると思います。
Insta360 x3はLog撮影も可能なので、映像制作のワンシーンに取り入れることで映像制作の幅が広がります。
また筆者はGoogleストリートビューを撮影するGoogle認定フォトグラファーとしても活動しているのですが、Insta360 X3の静止画の解像度は7,200万画素と非常に高解像度なので、ストリートビューを撮影するには申し分ないスペックだと思います。
実際Insta 360は業務用の360度カメラも展開しているので、機能性に関しては非常に優れていると感じます。
オレンジ色で知らせてくれる安全仕様で安心!
細かい内容にはなりますが、バッテリーや、ポートの蓋などがしっかりしまっていない時は、ロック部分の色がオレンジになるようになっていて、目視で閉まっていないことが確認できるようになっています。Insta360 x3は防水ケース無しでも水深10mの防水使用になっていますが、そもそもバッテリーがきちんと挿入されていないまま、水につけてしまうと故障に繋がってしまいます。そういうトラブルを防ぐための細かい配慮がとても良いなと感じました。
見えない自撮り棒が本当に優れている
筆者は過去に360度動画や360度写真の撮影の経験があるのですが、その時使っていた360度カメラには自撮り棒を消すような機能がありませんでした。写真であれば一枚一枚手作業で自撮り棒や一脚を消していたのですが、その作業の手間が要らなくなったのは本当にでかいと思います。動画においては本当に第三者視点での不思議な映像が撮れてしまいます。
他にも見えない自撮り棒があることで、集合写真撮る際に撮影者も一緒に写れたりもします。長い自撮り棒を購入すれば、まるで空撮のような高い視点からの面白い絵が撮れたりと、アイディアと使い方次第で本当にさまざまな撮影を楽しめます。
自撮り棒を消してくれるこの機能だけでも購入する価値があると言っても過言ではありません。
非常に重宝する機能だと思いました。
Insta360 x3はこんな人におすすめ
Insta360 x3はどんな人におすすめかをまとめてみました。
- 初めての360度カメラの購入を検討している方
- SNSに動画をよく投稿する方
- 映像クリエイターの方
360度のアクションカメラを使ったことないという方でもおすすめできるカメラだと思います。プロの映像クリエイター目線で見ても映像カットのバリエーションが広がることは間違いありません。また手軽に高品質な動画編集を行なってくれるので、普段からSNSで動画をよく投稿する方も、このカメラがあると重宝するかと思います。
最後に
以上、Insta360 x3のレビューをお届けしました。
初心者の方でも非常に使いやすく、使い方次第で無限の広がりがあるカメラだなと思いました。
今回のレビュー記事では試せなかった機能がまだまだあります。手軽に撮影を楽しめるカメラでもあるので、興味のある方はぜひ購入を検討してみてください。