アメリカの”伝説の写真家”、『ソール・ライター』の魅力をご紹介!

アメリカの伝説の写真家ソール・ライター(Saul Leiter)をご存知ですか?アメリカだけでなく日本でも話題になり、数年前から映画の公開や、日本各地でソール・ライター展も開催されました。今年に入ってもその勢いは止まらず、写真集などの多くの作品集が世界中で出版されています。今回はそんなソール・ライターの魅力をご紹介します。

 

 

ソール・ライター(Saul Leiter)とは?

参考・出典: wiki

アメリカの写真家・画家。1923-2013 享年89歳。1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍。カラー写真の先駆者(パイオニア)とも称され、ELLEやVOGUEなどの現在も残る超一流のファッション雑誌の写真を撮ります。そして83歳にしてシュタイデル社から「衝撃の世界デビュー」を飾った伝説の写真家です。

 

 

ソールライターの撮る写真と作品

ソール・ライター

2010年 撮影:マーギット・アーブ (C)Saul Leiter Estate

 

ソール・ライターはファッション写真ポートレートスナップ写真を中心に撮影しています。当時はカラーフィルムはとても高価で期限切れのフィルムを使用していたと言われています。ということもあり、彼の写真はどこか柔らかい印象があります。

 

ソール・ライターと同じように”カラー写真の先駆者”と称されたウィリアム・エグルストンが「New Color 」というアート・カテゴリを確立させたのに対峙するように「Early Color」という名前の書籍もソール・ライターの作品集として出版されています。

 

また彼は自宅やその周辺を中心に写真を撮ることで有名でした。わざわざ違う場所や、遠くへいかずとも、彼は自分の身の回りの環境を写真に収めて、「自分の写真」を撮ることにだけ専念していました。そのスタンスが写真家として尊敬できます。

 

実際、写真集「WOMEN」の中のヌード写真と、室内で撮られたポートレートの大半は、ソール・ライターのアトリエで撮影されたものです。

 

 

ここでソール・ライターの作品を2つ紹介します。

 

ソール・ライターの作品

Don’t Walk (1952)
(c) Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.

 

ソール・ライターの作品

Snow (1960)
(c) Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.

 

ソール・ライターの撮るスナップ写真は縦構図が多いように思います。長年雑誌の写真を撮影していたからでしょうか..?

 

 

 

ソール・ライターのドキュメンタリー映画

2015年には日本全国で、ソール・ライターのドキュメンタリー映画も上映されました。
『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』

 

 

もちろん僕も映画を見ましたが、彼の独特な考え方や雰囲気にとても惹かれるものがありました。写真についての想いや考え方はもちろん、非常にユニークな人間性が映画の中からもよくわかります。

 

 

 

 

ソール・ライターの愛した女性

また、ソール・ライターと半世紀以上人生を共にした女性ソームズ・バントリーの存在も、ソール・ライターを語る上では外せません。モデルの卵であったソームズは写真家のソール・ライターと出会い、絵画という共通の趣味をきっかけに共に生活を始めます。二人の若い頃の写真を見ても、二人の関係性が伝わってきます。

ソール・ライターとソームズ・バントリー

ソール・ライターとソームズ・バントリー

出典:http://www.leitercatalog.com/alan-porter-photography.html

 

残念ながらソームズはソール・ライターが世界に名を轟かせる前の2002年にこの世を去ってしまいます。映画の中でもソームズの姿が出てくることはありませんが、ソール・ライターがソームズについて語るシーンは非常に多く、どこか切なく見えてきます。

 

実際彼は彼女についてこう語っています。

 2002年に彼女が亡くなってからそこの部屋に私は入らなかった。一人では入る勇気がなかった。私一人の手には終えないと思ったんだ。

彼女をなくし、ひどくショックを受けているようでした。彼女への愛がとても大きいものだったことが、映画を見ていてもよくわかります。

 

そんなソームズを撮影した作品がこちら

ソームズ・バントリー

Soames Bantry (1965)
(c) Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.

 

ソームズ・バントリー
Soames Bantry (1960)
(c) Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.

 

 

 

ソール・ライターの遺したたくさんの名言

名言を多く遺したことでも有名なソール・ライター。名言の一部をご紹介します。

 

—見るものすべてが写真になる
All seen things will be a picture.

 

—雨粒に包まれた窓の方が、私にとっては有名人の写真より面白い
The windows wrapped in raindrops, It is more interesting to me than a photograph pf a famous person.

 

—私は注目を浴びることに慣れていない。私が慣れているのは放っておかれることだ。
I’m not used to being the center of attention.I’m used to being left alone.

 

—重要なのは、どこである、何である、ではなく、どのようにそれを見るかということだ。
It is not where it is or what it is that matters but how you see it.

 

—私が写真を撮るのは自宅の周囲だ。神秘的なことは馴染み深い場所で起きると思っている。何も、世界の裏側まで行く必要はないんだ。
I talk photographs in my neighborhood. I think that mysterious things happen in familiar places. We don’t always need to run to the other end of he world.

 

 

 

 

ソール・ライターの作品集

写真家ソール・ライターの作品集をいくつかご紹介していきたいと思います。

 

『WOMEN』

ソール・ライターが20年撮り続けた知人女性たちのヌード写真集『WOMEN』ニューヨークのイーストヴィレッジにあるスタジオで自然光によって照らされた空間を写し出したモノクロ写真と、そのモノクロ写真にペインティングを施したカラー作品で構成されています。

 

 

 

『ソール・ライターのすべて』

初期のストリートフォトから広告写真、プライベートヌード、ペインディングなど約200点とともに、アトリエ写真、愛用品などの資料も収録された、ソールライターの全てが詰まった作品集。

 

 

 

最後に

以上、アメリカの写真家、ソール・ライターについてまとめました。個人的には彼の撮影スタイルや考え方など、近しいものを感じていて、とても好きな写真家の一人です。”伝説の写真家”と称される理由もよくわかります。気になった方はぜひ一度彼の作品集を見てみてはいかがでしょうか?

 

Top画像 出典 : https://www.nytimes.com/

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