Digifilm Camera Y35というカメラは、ヤシカが販売するフィルムカメラのような見た目、使い心地のデジタルカメラです。最近ではあまりなじみのないメーカーですが、フィルムカメラやオールドレンズが好きな方であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。主にフィルムカメラ製品を製造しているメーカーです。(※2007年に「ヤシカ」の商標権が香港に移ったため、日本のヤシカとは少し異なるようです。)
そんなヤシカから発表されているデジタルカメラDigifilm Camera Y35をご紹介します。
デザインとコンセプト
出典: https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
このカメラの特徴はなんと言ってもそのデザインです。
コンパクトフィルムカメラのような懐かしさを感じさせるこのデザイン、実は、あるヤシカ製フィルムカメラがモチーフとなっているのです。
私が愛用しているフィルムカメラのラインナップに、「YASHICA ELECTRO35」というヤシカ製のカメラがあります。
このカメラ、Digifilm Camera Y35に似ていませんか?
そうなんです。本製品のデザインはこのフィルムカメラ「YASHICA ELECTRO35」がモチーフとなっており、ボディだけではなくフィルムを巻き上げ部分やシャッター部分さえも再現。ヤシカが大好きな僕にとって、この商品を知ったときはまさに夢を見ているかのようでした(笑)
スペック・仕様
この一見フィルムカメラにも見えるDigifilm Camera Y35のスペックを見てみましょう。
出典: https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
■スペック
センサー | 1/2.5インチ、CMOSセンサー |
レンズ | 4Gガラスレンス(4枚ガラスレンズ) |
画素数 | 1400万画素 光学ファインダー内蔵 |
絞り値 | F2.0 |
焦点距離 | 35mm |
撮影距離 | 1.5m~無限 |
シャッタースピード | 1s,1/30s,1/60s,1/250s,1/500s 絞り優先モード搭載 |
露出補正 | 5段階調整(-2/-1/0/+1/+2) |
電源 | 単3アルカリ乾電池×2本(別売) |
メディア | SDカード(SD Wi-Fiカードと互換性あり)(別売) |
装備 | マイクロUSB端子・三脚ネジ穴 |
セット内容 | 本体(ABS樹脂製)、レンズキャップ |
開発製造 | 香港YASHICA社 |
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
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付属のフィルムは ISO1600(ハイスピード)、ISO400(白黒)、ISO200(ウルトラファイン)、120フォーマット(6×6)、fancy、YashicaBlue
の6種類。
それぞれのフィルムの公式サイト作例レビューは後ほど!
このフィルムを取り替えながら撮影することで、フィルターをかけたような効果を楽しむことができます。
スマートフォンで撮った写真にフィルターをかける、なんて一瞬でできちゃうこの時代から見ると、なんという不便さ。
しかしこのギミックに反応する世代やフィルムカメラ愛好家は必ずいるはず。もちろん僕もその一人。
絞りはF2.0開放で固定。
シャッタースピードは5段階で、絞り優先モードでの撮影のみとなります。
SDカードを入れ、写真はそこに保存されます。しかしモニターがないので、どんな写真が撮れたかはパソコンに取り込んでみないと分かりません。この仕様もまたフィルムカメラの要素ですね。
付属フィルムの作例レビュー(作例は公式サイトから)
付属フィルムの作例レビューをご紹介します。
ISO1600
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
フィルムのISO1600よりも、ピクセル的に少し荒い印象が出ます。フィルムの粒子感が好きな人にとっては少し残念な写りとなりそうです。
白黒
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
フィルムカメラにモノクロフィルムを入れて撮ると、現像方法によりコントラストが大きく変わってしまいます。
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
しかしこれはコントラストが強く出ているという印象です。マット感というよりギラギラしている感じ。
ISO200(ウルトラファイン)
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
全てのフィルムの作例の中で一番はっきりとしていてよく写っています。逆になんの変哲もなく、被写体の強さがなければ面白みのない絵になってしまいます。
120フォーマット(6×6)
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
やっぱりインスタグラムの影響でしょうか。スクエアフォーマットが流行っていますね。インスタントカメラのチェキスクエア10に似た質感です。
fancy
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
いわゆるセピア色。だけど赤や青などの色の強いものはある程度しっかりと色が乗っているので、セピアしきれてもいない印象です。
いつもの被写体や見慣れた街が非日常に変わる瞬間が撮れそうです。見れば見るほど使いたくなってしまいました。(笑)
yashicablue
出典:https://greenfunding.jp/lab/projects/2487
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周辺光量が落ちている(これはフィルム関係ないが)のと微妙と言える青さ加減が相まって、トイカメラ独特の空気感が感じられる写真が撮れそうです。少し黄色みかまだ残り、青というよりも緑フィルター、Lightroom現像だと色被り補正(緑寄り)をしすぎたような色合いです。
どこで買えるの?
Villege Vanguard公式オンラインショップにて予約販売中です(2018/2/12現在)
2019年2月下旬に発送開始予定と発表されています。
元々はクラウドファンディングによって開発費を募り、そこで支援した人のみが貰える(買う)というカメラだったのですが、この度それが一般発売されたということですね。
ですので、もう手にした方の作例などが転がっていますので、そちらも参考にするといいかもしれません。
このカメラ、実際どうなの?
実際には周辺光量落ちがひどい、歪みもひどい、絞りF2.0固定なので中央以外の画質の粗さが気になるなど、無難なカメラではありません。普通な絵を撮りたいカメラとしては使えるものではない(他にいいカメラがもっとある)と断言できます。
だからといって、このカメラは必要ないかと言われると、少し欲しいかもというのが正直な感想です。
ヤシカのフィルムカメラにはヤシノンという極めて高性能なレンズが付いており、このヤシカエレクトロ35もそれは例外ではありません。とても緻密で素晴らしい絵を写し出すことができる普及機としてベストセラーになりました。
様々な人が出されている作例を見る限り、そのヤシカエレクトロ35が作り出す絵を期待して買ってしまうと、正直落胆してしまう写りです。
しかしその、うまくいかない写りがいいのです。トイカメラなどのいわゆる独特な”味”を出すことは可能でしょう。
ロモグラフィーや通称”デジハリ”で有名なデジタルハリネズミなどのトイカメラなどのような撮影方法、被写体であれば、バシッと決まる写真が撮れる期待は持てそうです。
そのような描写が好きな方は、一度手にとってみてはいかがでしょうか。