10代でカメラマンになり、現在では多くの世界的ファッションマガジンを手掛ける女性写真家「Lara Jade」。
彼女の写真は最先端のファッションフォトとして人々を魅了するだけでなく、彼女自身の人生から女性の強さが引き出されているような印象を受け憧れと共感を生み出します。
Lara Jadeの撮影した写真を見たことがある方も多いはず。今回はLara Jadeのこれまで歩んできた人生と作品をご紹介します。
トップ画像：Gigi & Irena for Material Girl Magazine
写真家・Lara Jadeについて
出典:https://www.larajade.com/about
イギリスのスタッフォードシャー生まれの写真家・Lara Jade（ララ・ジェイド）。
14歳で写真に出会った彼女は、オンラインアートコミュニティ「deviantART」と「Flickr」での写真発信にチャレンジします。セルフポートレートで有名な写真家・Cindy Shermanなどから影響を受け、カラフルなメイクや衣装でセルフポートレートに挑戦。
17歳で大学に進学した後も写真活動に取り組み続け、大学卒業後にロンドンへ移りファッション写真家として実績を積み上げていきます。
現在はニューヨークに住んでおり、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンの間で仕事をしながら世界で活躍しています。
17歳で写真のビジネスをスタートさせる
The Great DiscontentのインタビューでLara Jadeは、17歳の頃にオンラインでビジネスをスタートさせたと話しています。
ーLara Jadeが2011年、deviantARTに投稿した作品
deviantART、Flickr、MySpace、その他のコミュニティベースのWeb サイトに写真を投稿すると、彼女の写真はすぐに注目を集めるようになります。大胆な行動をしていた彼女はDavid Baileyのスタジオに自らメールを送ったり、同級生がパーティーをしている間に家でフォトレタッチをしたり、作品のコンセプトを考えていたと言います。
ヘア スタイリスト、メイクアップ アーティスト、ワードローブ スタイリストなど、業界のクリエイティブな人たちと出会うことで、彼女はさらに前進していきます。
Lara Jadeが冒した2つのリスク
インタビューの中で、Lara Jadeは写真家として前進するために2つのリスクを冒したと話します。
1つ目は、19歳でロンドンに引っ越したこと。家賃に沢山のお金を使い、ロンドンでチャレンジをしましたが1年で若い年齢でファッション写真を撮ることの難しさを痛感したそうです。
2つ目は、写真への情熱を再発見するためにニューヨークに引っ越したこと。家族や職場の同僚から「ニューヨークに引っ越す前に、ロンドンで成功する必要がある!」とネガティブな意見が多かったそう。
しかし、彼女はアーティストにとってリスクを冒すことは必要だと考えており、ニューヨークに移住した後も業界の一員になるためにオンラインでさまざまなクリエイターと繋がりビジネスを構築していきます。
なんと「アンパンマンカメラ」で撮影に挑戦!?
世界的に有名なファッション写真家・Lara Jadeが、日本の子供たちに愛され続けてきたキャラクター・アンパンマンの子供用カメラでファッションフォトに挑戦！
YouTubeでは撮影風景が公開されています。
プロアーティスによるヘアメイク、豪華な衣装に身に纏ったモデルをアンパンマンカメラで写しているところがシュールすぎる！
動画後半で撮影した写真を「Alienskin Exposure 7」で処理した作品が公開されていますが、子供用のカメラで撮ったとは思えないクオリティの仕上がりになっており、Lara Jadeの表現力はカメラのスペックに囚われないということが分かります。
Lara Jadeのファッションフォト集
Lara Jadeがポートフォリオサイトで公開している写真の中から、筆者のお気に入りの作品をご紹介します。
MODERN LUXURY – FEB 2022
出典：https://www.larajade.com/editorial-ii/
出典：https://www.larajade.com/editorial-ii/
出典：https://www.larajade.com/editorial-ii/
CUCCULELLI SHAHEEN – ET REDEUX SS21
VOGUE JAPAN WEDDING – Alex Szwałek
出典：https://www.larajade.com/editorial-ii/
出典：https://www.larajade.com/editorial-ii/
出典：https://www.larajade.com/editorial-ii/
Lara Jadeの初期の作品
10代の頃からオンラインアートコミュニティで作品発信をしていたLara Jadeの初期の作品は、現在でもWEB上に残り続けています。
彼女の表現、演出すべてから、青春時代を写真に捧げてきた情熱が感じられます。ファッションフォトグラファーとして活躍するLara Jadeの最近の作品とは違う写真の雰囲気が、10代のLara Jadeの頭の中を覗いているかのようで面白いです。さらに、いくつかの作品はセルフポートレートで撮影されており、カメラと三脚のシンプルな設置でありながら、見ている人にそれを感じさせない表現力に心を奪われます。
Doll Master -Sep 24, 2006
出典：https://www.deviantart.com/larafairie/
Crime Scene – Suicide – Mar 14, 2007
出典：https://www.deviantart.com/larafairie/
LUSH Head Games Editorial I -Jan 13, 2010
出典：https://www.deviantart.com/larafairie/
過去の作品から辿っていくと、モデルやヘアメイクアーティストが作品に携わりはじめた時期から、Lara Jadeの才能がより発揮されているように感じます。
Lara Jadeのポートフォリオサイトは広告や雑誌などクライアントワークが中心に掲載されていますが、10代の頃から投稿しているオンラインアートコミュニティを見ると彼女の初々しい作品を見ることができます。
2006年頃はまだ日本では今のようにSNSやオンラインコミュニティで写真を投稿するという方は多くないはず。若さと美貌に溢れる彼女は、常に時代の最先端で作品を発信し続け、新たなチャレンジと失敗を繰り返してきたからこそファッション業界に欠かせない存在となっています。
次世代の写真家を育成するワークショップも開催
Lara Jadeが写真業界に入ったときは、ファッション写真について教育する人がおらず、業界全体からカーテンで仕切られているように感じたそう。
そんな自身の悩みから、次世代のファッション写真家をサポートしたいという思いが強くなり、彼女自身が教育者となりワークショップを開催しています。
出典：https://www.larajadeeducation.com
2日間行うレッスンは少人数制で、ライティング、ポージング、ビジネスの背後にあるものなどをLara Jadeから直接学ぶことができます。
2022年3月にロンドンで開催されたワークショップは、参加費用$1,500、日本円で約20万円！価格だけ見ると高く感じますが、ファッション写真家を目指す方にとって近道になるスキル・知識をたった2日で身に付けられる貴重なワークショップでチケットも完売しています。
【1日目】スタジオ照明、ポージング、クリエイティブ ディレクション、プロのモデルをスタジオで撮影、クライアント別に照明テクニック・トリックを解説など
【2日目】グループ ポートフォリオ レビュー、ビジネス/マーケティング手法、出版、クライアントへの売り込み、ターゲット クライアントの調査、ソーシャル メディアのヒントと戦略 など
VogueやHarper’s Bazaar、ISSUE Magazine、Amazonなど、大手企業のファッションフォトを手掛ける写真家のスキルを身に付けられます。さらに、日本でも自宅で学べるオンラインワークショップも行っています。ファッション写真家で海外に羽ばたきたい方はぜひチェックしてみてください。
さいごに
ファッション写真家としての地位を確立するだけでなく、次世代の写真家が生きやすい業界づくりにも取り組むLara Jade。
彼女のインタビュー記事や動画を見て人柄を知ることで、私がはじめてLara Jadeの作品を見たときに考えた「なぜ彼女の作品に写る女性たちは強く芯があるような印象に見えるのだろう？」という疑問がLara Jade自身の人生から表現されているものなんだと紐解けた気がします。
今回の記事でご紹介した作品の他にも、ポートフォリオサイトやSNSで写真を楽しむことができるのでチェックしてみてくださいね。
