
数多くのスーパースターの撮影を手掛け、現代のファッション業界を賑わせる男性フォトグラファーRankin(ランキン)。
今やRankinの撮影したファッションフォト、MV、アーティストの肖像画は、彼を知らなくとも誰もが一度は写真を目にしたことがあるほど、メディアにとって彼は欠かせない存在になっています。
今回は、世界中のフォトグラファーが憧れる輝かしい実績と、スターから一般人までどんな人でもアートに変えてしまうRankinのこれまでと写真作品をご紹介します。
Rankin(ランキン)のフォトグラファー人生について
1966年、イギリス出身のファッションフォトグラファーRankin(ランキン)。
ローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、マイケル・ジャクソン、ザ・クイーンなど数多くのスーパースターの撮影を手掛け、雑誌や映画などの広告写真などフォトグラファーとしての活動をしながら、自身で社会のドキュメンタリーを写し発信する写真家としてのプロジェクトも行っています。
1991年、RankinはJefferson Hack (ジェファーソン・ハック) と共にファッション文化雑誌「Dazed&Confused Magazin」の共同設立も務めています。
現在では世界で最も若者への影響を与える雑誌として進化し、次世代の作家、スタイリスト、イメージメーカーの先駆者といわれています。
映画ファンであるRankinは、自身で動画監督としての仕事もはじめ、マイリー・サイラスやリタオラなど有名アーティストのミュージックビデオを手掛けています。
今や世界的ファッションフォトグラファーとなったRankinは、ロンドンを拠点に自身のクリエイティブチームを結成しビジネスを確立しています。
Rankinが手掛けた数々のファッションフォト
Rankinのファッションフォトは独創的でありながら、ブランドや雑誌のテイストによって全く違ったアプローチをしており見ていて飽きません。
Rankinのファッションフォトは奇抜な写真から白バックのシンプルな写真までさまざまな雰囲気で撮影されています。
ですが、どんなシンプルな写真もRankinが撮影したものだと分かるのは、被写体との親密さや信頼関係、隠しきれないRankinの個性が写真から溢れ出ているからです。
そして、フォトグラファーとして自分の味だけを主張するのではなく、それぞれのブランドの特徴や魅力を理解した上で表現しているところが、時代の先をいき業界に欠かせないフォトグラファーになる理由の一つではないかと思います。
誰もが知るスターの肖像画を数多く撮影
Rankinはデヴィッド・ボウイやスパイスガールズをはじめ、誰もが一度は聞いたことのある、認知しているスーパースターの肖像画も数多く撮影しています。
【The Rolling Stones】
【Emma Watson】
【Robert Downey, Jr.】
【Britney Jean Spears】
有名歌手のMVのディレクションも務める
写真だけでなく映像監督としても活動しているRankin。
筆者は洋楽が好きなので海外アーティストのミュージックをよく見るのですが、「これもRankinがディレクションした動画だったんだ!」と驚きました。
【Adore You -Miley Cyrus-】
【Facemelt -RITA ORA-】
【Strip -Little Mix-】
Rankinは2011年に映像制作会社「RANKIN FILM」を立ち上げ、ソロディレクターとしてナイキやGODIVAなど有名メーカーのコマーシャルを制作しています。
また、ミュージックビデオやCMにとどまらず、デビュー作「The Lives of Saints」など映画作品にも携わっています。
Rankin独自の特別プロジェクト
広告写真・映像の仕事をしているイメージの強いRankinですが、写真家としてコンセプトのあるフォトプロジェクトも行っています。
マグカップを使ったユニークな肖像画「Macmillan」
複数の被写体とマグカップを一緒に撮影した「マグショット」プロジェクト。
マグカップの後ろに隠れるように指示し、白く輝くマグカップと被写体の瞳をモノクロ写真で表現しています。
ソーシャルメディアに影響される10代の若者を写した「Selfie Harm」
ソーシャルメディアができてから若者の生活の中心はSNSになり、いかに目を大きく、肌を綺麗に、モデルやアイドルのように自分を写真で表現するかが重視されています。
RankinはそういったSNS文化を‟ソーシャルメディアが人々の自己イメージに有害な影響を与えている”とし、それを認識してもらうため15人のティーンエイジャーを集め、素の姿と加工フィルターを使った写真を撮影し被写体に手渡しました。
ファッションフォトの30年を表現した「Unfashionable」
ファッションフォトグラファーとして30年のキャリアを持つRankinがこれまでに手掛けたファッションフォトを逆年代順に並べたプロジェクト。
最新のデジタルカメラで撮影した写真からはじまり、後半にはポラロイドカメラで撮影したレトロなファッションフォトが並び、30年間のカメラ・写真文化も楽しめます。
日本人メイクアーティスト西村礼美とのコラボレーション
ロンドン・ニューヨークを拠点とし活動する日本人メイクアップアーティスト西村礼美とのコラボ作品。
Rankinはメイクアップアーティストとのコラボレーションも何度かしており、西村礼美との作品は魅惑的で独特の美しさをテーマに、メイクアップの芸術性を写真で主張しています。
一般人のキスを目に見える喜びに「Snog」
Rankinがボランティアプロジェクトとして数十組のカップルのキスフォトグラフィーを撮影しました。
若い男女から年配の夫婦まで、いろいろな形の愛を目に見える喜びとして表現しています。
Rankinの写真集
これまでに発売されたRankinの写真集をご紹介します。
Spezial Fotografie: Rankin (Portfolio, Number 32)
出展:amazon
セクシャリティーとユーモアを掛け合わせた写真集。
ロンドンの美術学校に通っていたRankinは先生に自身の作品を評価されることを拒否し、個展ではスキャンダルを起こすような奇抜な写真を展示していた彼も今や誰もが認める世界的ファッションフォトグラファーに。
#NSFW (Not Safe for Work)
出展:amazon
294ページにわたるヌード写真のコレクションブック。
Rankinが25年間撮影したヌード写真の中で最も挑発的で印象に残る写真が詰まっています。セクシーだけじゃないシュールな世界観が魅力的です。
Rankin: Unfashionable: 30 Years of Fashion Photography
出展:amazon
2018年発売。特別プロジェクトでも紹介した、Rankinの30年間のファッションフォトをまとめた一冊。
現在のRankinの写真作品から、初期のポラロイド写真まで、Rankinのフォトグラファー人生を遡る写真集となっています。
誰かの写真だけでなく自分自身の人生記録も大切に
Rankinの撮影した写真や人物について紹介してきましたが、Rankinは芸能人やプロジェクトに集まった人々だけでなく、自分自身の人生も写真で残し世に発信しています。
セルフポートレートに特化していない限り、フォトグラファーや写真家で自分の姿も沢山ポートフォリオに残しているという人は少ないイメージですが、Rankinの写真を見ると彼のユニークな人柄が溢れ出ており、Rankinという人を見れば見るほど彼の撮る作品を理解できてきます。
美人な妻と3匹の犬と暮らしているRankin。
数多くのアーティストを撮影してきたRankinですが、妻もモデルとして撮影しており‟これまで何度も同じ人を撮影することはなく、一人の女性からこんなに刺激を受けたことはない”と話しています。
さいごに
30年以上のキャリアを持つRankinですが、まだ年齢は50代。
写真というひとつの枠に縛られず、映像作品やチャリティイベント、Rankinを中心とするクリエイティブチームで世界を変えるためのさまざまな活動を行っています。
これからもファッションフアート業界に影響を与え続け、新しい時代を作っていくフォトグラファーになるでしょう。