CP⁺2024×関西写真部SHAREのコラボワークショップでゲスト出演していただく、フォトアーティストのmomokoさんにインタビュー。
momoko | 14歳から写真の魅力に引き込まれ、独学で技術を磨く。ヘアメイク、ドレス制作、ブーケ作りも自ら手掛け、幼少期から嗜好する西洋映画のような世界を写真に表現。ウェディング、アパレル、子ども撮影など多岐にわたる撮影で活躍中。
一本のガーベラを美しく写真に残したくて
ーまずはじめに、momokoさんがカメラを始めたきっかけを教えていただけますか?
中学生の頃、自分の部屋の花瓶に生けられた一本のガーベラを、美しく写真に残したいと強く思いました。一眼レフでプロが撮影したような写真を脳裏に描きながらも、当時はカメラ付きケータイしか持っておらず、当然、理想とはかけ離れた写真しか撮れませんでした。ものすごく悔しい気持ちと共に、「私にも撮れるはずだ」となぜか諦められず、どんどん写真にのめり込んでいきました。
ーmomokoさんの作品はヨーロッパ映画のような世界観が魅力的ですが、今の作品スタイルに辿り着くまでどれくらいかかりましたか?
13年ほどです。
ーmomokoさん自身がどんな人生をおくってきたのかにも、とても興味があります。カメラを始める前はどんなことを趣味、または仕事にされていましたか。
中学生の頃から写真が好きなので、それ以前の趣味というと小学校時代の話になってしまいますが、絵を書くこと、お菓子作り、裁縫、ポップアップカード作り、散歩道でお花を摘みブーケにして、捨てずにとっておいた包装紙でラッピングすることなどが好きでした。「作ること」が好きだと認識していました。
また、オーケストラやソプラノ歌手のコンサート、美術館などにはよく母に連れて行ってもらっていました。
家族は西洋の芸術が好きでしたので全体的にその影響を強く受けていると思います。
記憶の何かとリンクしコンセプトが浮かぶことも
ーmomokoさんは撮影だけでなく、衣装作りやヘアメイクもされるんですよね。そのスキルはどのようにして磨いたんですか?
服作りの基礎は主に母や姉に教えてもらいましたが、基本的には作り方をいつも頭の中で想像して自己流で作っています^^
ヘアについては小さい頃からヘアアレンジが大好きで、幼稚園の頃の遊びといえば12体くらいのりかちゃん人形を順番に三つ編みにして、ほどいて、また三つ編みにしていました!
今では、気になるヘアアレンジの画像を見つけたらアレンジ方法を想像しておいて、友人と会う機会などに練習させてもらっています。
メイクは知り合いのヘアメイクアップアーティストさんの講習やyoutube、画像をじっくり観察するなどの方法で勉強しています。
写真と同じように、憧れる→やり方を想像する→試す(トライアンドエラー)のサイクルで少しずつ習得してきました。
ー衣装作りの時から写真での魅せ方も研究されているんでしょうか。また、momokoさんなりの作品コンセプトの考え方を教えていただけるとうれしいです。
写真での魅せ方も研究しているという意識はありません。
しかし、衣装を作る時にはすでに完成系の写真が何枚かは頭の中にあるので、それを自分の技術内で実現可能なデザインに落とし込んで制作しています。
私の写真においての世界観はシンプルに言うなれば「私の好み」そのものです。
Instagramやピンタレストで自分の好みの服を見て、自分に実現可能な範囲の服のデザインが思い浮かんだら、それを軸にしてどのようなモデルさんに似合うかを想像し、そのままいくつかの理想的なショットを脳内イメージで固めていきます。
コンセプトを固めるというよりは、服装とモデルさんを元に理想のカットを念頭に置いた状態で撮影本番を迎えることが多いです。
しかし、撮影しているうちに自分の記憶の何かとリンクし、具体的なコンセプトが思い浮かんで来ることも多いです。思い浮かんだコンセプトに合わせてストーリーや主人公の設定を考え、モデルさんに演技を交えたポージングしていただくこともあります。
ー写真のモデルさんはヨーロッパ映画の主役のような素敵な方ばかりですよね!どのようにお声がけしてるんですか?
Instagramで自然とフォローやいいね、コメントをし合い、撮影に繋がることもありますが、多くは、こちらからDMで思い切ってお声がけしています。
唯一無二の自分の衣装を作る事を大切に
ーヨーロッパアンティークのような世界を演出するためのロケーションが大変そうだなという印象を受けました。実際に、撮りたいイメージに合う世界作りで苦労されることはありますか。
ロケーション苦労しないカメラマンさんはいないと思いますが、私も大いに悩まされてきました。撮影前日の夜までロケ地を決められないことも何度もありました。
理想を言えば、美しい自然の中や古いヨーロッパ風の建物を入れて、広角で写したいのですが、都会の公園では障害物や現代的なものを避けながら撮影する必要があるため、私の写真は被写体が画面の大半を埋めているタイプの構図が多いです。
ただ、モデルさんと洋服を含めたスタイリングで世界観を作ることができれば、世界観に合わないアスファルトや柵などの障害物を映り込まないよう工夫することで作品は成り立ちます。
予算と時間がある時は、思いっきり自然豊かな場所へロケにいき、それ以外は深く考えずに近場の公園でできることをするという感じですね!
ーこれまでの撮影で経験したトラブル、苦戦したエピソードがあれば聞かせてください
なぜだか、全然思いつきません。もちろん、想定外の事、残念な事などいろんな事が起きますが、その度に撮影メンバーと力を合わせて乗り越えているため、特に苦い思い出としては残っているものがないのかもしれないです。
ー衣装からヘアメイク、写真の色味まで、すべてにmomokoさんのこだわりが詰まっていると思いますが、特にこだわっているポイントとその理由を教えてください。
特にこだわっていることは衣装で最も時間と労力をかけている部分でもあります。
もともと、ヨーロッパの服装の文化が大好きなため、衣装に強いこだわりがあります。
現代の日常生活を送るには少し布量が多すぎる、クラシカルすぎるといった違和感のある衣装であることが、逆に、写真において特別な世界観を醸し出す重要な要素だと考えています。
そういった衣装になる洋服は、お金を出せばどうにか手に入れられますが、イメージに合うものを探す時間がかかり、費用もかさんでしまいます。
そのため、唯一無二の自分の衣装を作る事を大切にしています。
被写体とできる限り心を通わせる
ーmomokoさんが影響を受けた人、目指したい人はいますか?
ジョー・ライト監督です。
ジョー・ライト監督の「プライドと偏見」という映画は私の写真が目指す世界です。
ー今後、チャレンジしていきたいことはありますか?
つい最近までは、ダブルワークをしていましたが、写真家として本格的にスタートを切ることができました!基盤をしっかりと作り、総合的にプロデュースする私ならではのサービスを練り上げていきたいです。また、Instagramを通じて、日本だけでなく、本場のヨーロッパを含め、世界中に需要のある世界観だと感じています。いつかは海外を飛び回ってこの世界観の写真を求める方を撮影してみたいです!
ーmomokoさんが写真家として大切にしていることは何ですか?
シャッターを切るとき、眼前の光景に対して愛を感じ、感動し、癒されるような心地の良さがあることを大切にしています。そして、ー被写体ー(人間やその他すべて)とできる限り心を通わせることです。
CP⁺2024 ワークショップについて
ー『CP⁺2024』出演依頼がきたときのお気持ちを聞かせてください!
世界最大規模の写真イベントに関わらせていただけることが大変光栄でした。
また、皆さんと対面で写真についてお話できる機会が初めてのため、とても楽しみに思いました。関西写真部SHARE様のことは以前から存じており、素敵だなと思っていたので、その点でもお声がけいただき嬉しい気持ちでいっぱいでした。
ー今回はヨーロッパアンティークな世界観の作り方をテーマにワークショップを開催していただきますが、どんな方に参加して欲しいですか?
人と関わること、人を撮影することが大好きな方なら誰でもウェルカムです!私自身、自分が惹かれる写真にどうしたら到達できるのかと、頭を悩ませてきました。そのため、同じように、ヨーロッパアンティークな世界観への憧れがあるものの、どうしたら近づけるかわからないという方には、ぜひお越しいただきたいです。
自分の好きを追求するのが楽しいという方なら誰にでも自分の理想を実現できると思います!
ー『CP⁺2024』来場者のみなさんにメッセージをどうぞ!
CP+2024にお越しの皆様へ、
この度は、CP+2024にて私が担当するワークショップにご関心を寄せていただき、誠にありがとうございます。
カメラを通して見る世界は、一人ひとりで異なり、それぞれが独自の美しさを持っています。皆さんの中に眠るクリエイティブな視点を呼び覚まし、さらなる撮影の楽しさと技術の向上につながるヒントをご提供できれば幸いです。
写真を愛するすべての人々と出会い、交流することを楽しみにしております。CP+2024での素晴らしい時間を一緒に作り上げましょう!
心よりお会いできることを楽しみにしております。
ーありがとうございました!そのほか読者にお伝えしたいことがあればご自由にどうぞ。
ウエディングフォトやマタニティフォト、お子様の写真、ご自身のポートレート、ブランドの商品撮影などジャンルを問わず様々なご依頼をお受けしております。
お気軽にDMでお問合せください。
◾️ヨーロッパアンティークな世界観の作り方
ヨーロッパアンティークの世界観を作るワークショップ。ヘアメイク、衣装、モデル探し、ロケ地選び、レタッチ技法の要点を学びます。後半はイギリスハーフのモデルを撮影できます。 |
開催日 | 2月23日(金) |
時間 | 16:00~17:00 |
講師 | momoko |
講師Instagram | @moepejic |
体験人数 | 先着 15名 |