Premiere Pro「ズームトランジション」の簡単な作り方を解説

 

ズームトランジションは幅広いジャンルの映像で使用されるほど人気のものです。今回はズームトランジションを表現エフェクトのみで作る方法を紹介します。企業映像にも活用できるので、仕事で映像を作る人も参考にしてみてください。

エフェクトを組みあわせる際の考え方も学べるので、ぜひ作ってみましょう!

 

Vlogでおなじみのトランジション

動画編集

YouTubeなどに投稿されている多くの映像を見てみると、高確率でズームトランジションに遭遇します。ズームトランジションを作る前に、この表現について深堀りしていきましょう。

Sam Kolder考案といわれている

ズームトランジションは、海外で驚異的な人気を誇るSam Kolderが考案したとされています。美しい映像や「あっ」と驚かせる表現を生み出し、名実ともに認められているクリエイターです。

Sam Kolderが使い始めたこともあり、広く浸透していると考えられるズームトランジション。現在は彼のことを知らない人であっても、ズームトランジションには触れたことがあるでしょう。いかに素晴らしい表現なのかを物語っています。

 

ダイナミックな映像表現が魅力

ズームという言葉を使っていることから、この表現は映像に引き込まれていくような印象を与えることが可能です。

ディゾルブなどの標準搭載のエフェクトでも、映像は切り替えられますが、少し味気ないと思うこともあるでしょう。そんな時にズームトランジションを活用すると、映像にアクセントを入れることができます。自身の表現したい映像と組み合わせれば、さらなる効果を得ることもできるはずです。

 

最近は企業PVなどでも活用されている

Vloggerを中心とする映像クリエイターから広がり始めた表現ですが、ズームトランジションは多くの企業PVなどでも使用されています。スタイリッシュな雰囲気を演出できることから、利用されているようです。

仕事で映像を作る必要がある人で、トランジションがいまいちかっこよくないと思っている場合、ズームトランジションを学ぶことで映像の幅が大幅に広がるでしょう。

 

 

なぜズームトランジションが人気なのか

動画編集

ではなぜズームトランジションは人気になったのでしょうか?人気になった側面を掘り起こしつつ、実際に活用する際の具体例も添えて解説していきます。

 

かっこいい表現が手軽にできる

ズームトランジションは標準エフェクトで簡単に作れる表現なので、誰でも1度理解してしまえば何度でも導入可能です。この手軽さもズームトランジションが人気の理由といえます。

エフェクトを1つかけるだけでトランジションするのもいいですが、少し凝った演出をすることで、映像の面白みはぐっと上がります。

エフェクトを組みあわせて作っていくことにはなりますが、ズームトランジションを応用すれば、他の映像表現を再現する際のヒントにもなるでしょう。1つの映像表現を手に入れると同時に、これから先のクリエイターとしての実力も蓄えられます。ぜひ難しいと思っても耐えてみてください!

 

汎用性が高く幅広いジャンルに対応

企業映像などでも利用されていると述べましたが、幅広いジャンルとの親和性の高いことも人気の理由といえます。

かっこよく臨場感のあるエフェクトとなっているので、ポイントを押さえて活用することでジャンルを問わず活用可能です。例えば以下のポイントを押えて入れてみましょう。

  • 場面が変わる
  • 話題が変わる
  • 映像により引き込ませたい
  • 次々と映像を切り替えたい

これらを目的とするとき、ズームトランジションは有効に作用します。特に次々と映像を切り替える手法では、B-ROLL制作にも活かせますので、取り入れてみましょう。

 

Sam Kolderへの憧れ

人気クリエイターSam Kolderが考案したとされていますが、憧れから使用し始める人も少なからず存在します。

しかしこれは映像上達において悪いことではなく、自分の目標を設定し学習することにつながるでしょう。もし目標とするクリエイターがいるのであれば、真似することも大事にしましょう。そうしてスキルを吸収するなかで、個性が生まれてきます。

 

 

ズームトランジションの作り方

ではズームトランジションを作っていきますが、本格的なものは少し手数が多くなってしまうので、映像初心者にも易しい簡易版も紹介します

本格的なものと応用編についても解説するので、余裕がある人は参考にしてください。

 

1 簡易版

まずは簡易版です。エフェクトを組みあわせて表現をする際、参考となる動画を細かく分析する必要があります。ズームトランジションにおける特徴は大まかに以下の3つ。

  • 画面の中央に向けて吸い込まれていく
  • 吸い込まれていくなかで別の映像に切り替わる
  • 映像にはブラーがかかっている

簡易版としてこの3つのポイントを押さえながら、再現していきます。使用するエフェクトは以下です。

  • トランスフォーム
  • 複製
  • ディゾルブ(お好み)

では以下の手順で作っていきましょう。

  1. 切り替えたい2つの映像をまたぐように、調整レイヤーを配置
  2. 切り替えする素材AとBのうち、調整レイヤーと被っている部分を個別にカットする(カットした小さいクリップをaとbと記す)
  3. aとbに複製を適用(それぞれカウントは9)
  4. aは「複製」のカウントにキーフレームを打ち、頭を「3」→1フレーム進めて9まで2ずつ増やしていく
    ※カット可能
  5. トランスフォームを調整レイヤーに適用する→キーフレームを打ち【スケール】を開始点「100」、動画の切り替え「900」→1フレーム後に「100」、終了点「900」に設定
  6. トランスフォームのシャッター角度を「200」に(モーションブラーがかかります)

     

     

    2 標準版

    標準版では簡易版に比べてさらに手を加えていきます。実際にやることは難しくありません。簡易版で使用したエフェクトに加えてもう1つエフェクトを加えて、より本格的なものにしていきます。

    今回追加で使うものは、ミラーエフェクトです。「え?なんでミラー?」と思う人もいるでしょう。ミラーエフェクトはある地点から動画を鏡のように反転して移すエフェクトです。

    画面に吸い込まれていく様子をより再現するために、ミラーエフェクトを画面の4点に適応していきます。簡易版に比べてグッと臨場感が増すので、ぜひ活用してみてください。以下に数値などを記載していきます。

    トランスフォームや複製の数値や手順は簡易版と近いので、合わせて確認ください。

    1. 切り替えたい動画AとBの境からそれぞれ8フレームのところでカット(カットしたAとBをa,bとする)
    2. a,bに覆いかぶせるように調整レイヤーをかける
    3. a,bに「複製」を適用→カウントを9に(カウント3でも可)
    4. aに「ミラー」を4つ適用
      →吸い込まれている様子を演出するため
    5. 4つのミラーの「反射の中心」を複製した映像の中心を覆うように配置
      ・(反射の中心)=(1920,720),(1280,540),(1920,360),(640,540)
      ・(反射角度)=(90°),(0°),(-90),(180)
    6. ミラーの数値は中央を囲む形であれば変更してもOK
    7. 調整レイヤーに「トランスフォームを適用」
      簡易版と同様にキーフレームを打つ
    8. 「トランスフォーム」のシャッター角度を「200」に

     

     

    3応用版

    標準版をマスターしたらズームトランジションは習得完了です。しかしこれだけだと他の人とあまり差が付きませんよね。

    せっかく動画をやるのであれば特別なものを作っていきたいと考えるのが自然です。そこで今回はズームトランジションにひと手間加えて、より面白い表現にする方法も紹介します。

    さまざまな手法が考えられますが、今回取り入れるのは「グリッジ」です。色をずらしたり、ノイズを入れ込むことでかっこいい表現が可能な手法の1つとなっています。

    今回紹介するグリッジのやり方は他でも応用できるので、ぜひ活用してみてください。標準版のエフェクトが出来上がったところから記載します。

    1. まずは動画素材a,bに「カラーバランス(RGB)」を適用
    2. カラーバランス(RGB)の赤の数値を200,それ以外を0に
    3. 動画素材a,bを新たに2つ複製し、描画モードをスクリーンに
    4. カラーバランスの数値を、レイヤーごとに青以外を0,緑以外を0にする
    5. あとは各レイヤーの素材を少しずつずらすとグリッジ表現が完成
    6. カラーバランスの数値を少し変えても微調整可能

     

     

     

    まとめ

    動画編集ズームトランジションはよく使われる手法となりつつあるので、覚えておくと役立つ場面も増えてくるでしょう。いくつかのエフェクトを組み合わせながら作っていくことからも、Premiere Proを理解するためのきっかけにもなります。

    できることが多く何から手を付けていいかわからないという側面もありますが、少しずつ学んでいくことで動画編集は格段に上達可能です。

    ぜひこの記事を参考にしつつ、動画ライフを楽しんでいきましょう。

     

     

     

     

     

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