4K動画の撮れるフルサイズの高画素ミラーレスカメラ SONY(ソニー)α7RⅢ レビュー

 

小野友暉
どうも、プロカメラマンの小野友暉です!

 

今回は、昨年2017年11月27日にソニーから発売された、有効画素数約4240万の超高解像度のフルサイズミラーレス一眼カメラ「SONY(ソニー) α7RⅢ」の購入レビューを書いていきます。購入してから実際に使用してみて感じた良いところイマイチなところ実際の作例などもご紹介していきたいと思います。

 

ちなみに合わせて購入したレンズはSONY FE 24-70mm F2.8 GMです。

 

 

「α7RⅢ」を購入した3つの理由

まずは「SONY α7RⅢ」購入した3つの理由をまとめていきます。

1動画の撮れるカメラが欲しかった

Sony α7RⅢ

「動画の撮れるフルサイズのミラーレス一眼カメラが欲しかった」これが「Sony α7RⅢ」を購入した理由の一つです。ビジュアルコミュニケーションが主流となった現代ではインスタグラムのような写真のSNSが大きく流行りました。そして写真の次に流行るのが動画のSNSだと数年前から言われています。実際、インスタのストーリーズやFacebookのライブ配信など、動画の機能も続々登場しています。

「これから動画撮影のできるカメラが求められるな」と個人的にそう感じたので、動画撮影に特化しているフルサイズのミラーレス機を探したところ、当時はソニー一択でした。購入後にNikonやキャノンからもフルサイズのミラーレス一眼カメラが発表されましたが、レンズや動画撮影用の撮影機材なども考えたら、「SONY α7RⅢ」にしておいてよかったと改めて思います。

 

2これからはミラーレスカメラの時代

Sony α7RⅢ ミラーレスカメラ

今まではNikonのフラグシップ機「Nikon D5」やフルサイズ機「Nikon D850」、「Nikon D750」などのミラーのあるカメラをメインで使用していました。ミラーのあるカメラであればファインダーから直接被写体を捉えることができるので、タイムラグがありません。

従来のミラーレスカメラの電子ファインダーでは遅延(タイムラグ)が発生してしまい、決定的瞬間を逃してしまうというデメリットがありましたが、最近ではEVFの性能が格段に上がり、タイムラグもほぼなく、ファインダー内を明るくしたりなど、むしろ肉眼で見るより克明に被写体を捉えることができるようになりました。そういった機能に惹かれたのも購入した理由の一つです。

 

3コンパクトなカメラが欲しかった

コンパクトなSony α7RⅢ

3つ目の理由は「キレイに撮れるコンパクトなカメラが欲しかった」です。ミラーのあるフルサイズ機のカメラだとどうしてもボディが大きくなってしまいます。ロケ撮影などで大きなカメラを持ち歩くのはなかなか負担になります。屋内のスタジオ撮影等でも長時間撮影では重いカメラだと負担が大きいです。

ロケ撮影用にコンパクトかつ、綺麗に写真の撮れるカメラを探したところ、ソニーのミラーレス一眼カメラに辿り着きました。ミラーレスだからと言って画質や描写力が落ちることはありません。むしろミラーレスの方が綺麗だという声もあるくらいです。

 

 

「α7Ⅲ」でなく「α7RⅢ」を選んだ理由

Sony α7RⅢを選んだ理由

購入を検討していた時期がちょうど「SONY α7Ⅲ」が発売されたばかりの頃でした。選択肢の中に「SONY α7Ⅲ」も入っていて、「SONYα7RⅢ」とギリギリまで悩みましたが、結局「SONY α7RⅢ」を選びました。

その理由は、僕の撮影スタイルの場合、ロケ撮影に加え、仕事でのライティング撮影、動画撮影もします。仕事で写真を取り扱うこともあり、PCのスペックも高いものにしているのもあって、高解像度の写真編集もスペック的に余裕がありました。写真をトリミングすることも少なくなかったというのと、高解像度の動画撮影をしてみたい高解像度の写真を堪能したいという好奇心もあり、結局「SONY α7RⅢ」を選びました。後から「SONY α7RⅢ」にしておけばと後悔もしたくなかったというのもあります。

 

 

「α7RⅢ」使ってみてここが良かった

「SONY α7RⅢ」を実際に使用してみて、良かったと思った部分をまとめていきます。

 

約4240万画素の高解像が素晴らしすぎる

高画素が素晴らしすぎるSony α7RⅢ

「SONY α7RⅢ」の約4240万の有効画素数はとても素晴らしいです。これは実際に撮影した画像を見るたびに思います。僕は特に、仕事でも撮影することも多いので、ライティング撮影などの、光の安定した撮影をする際に、超高解像度のカメラだととても綺麗で素晴らしい描写力をみせてくれます。

また撮影の内容によっては撮影後によくトリミングするような場合も出てきます。そういったときも高解像度のカメラで撮影された写真は大きくトリミングしても、そんなに画像が荒くなることもありません。

 

低ノイズで暗所での撮影に強い

暗い室内での撮影にもつよいSony α7RⅢ

暗い室内で写真を撮る機会があったのですが、「SONY α7RⅢ」で撮影した写真を見てみると、ノイズの少なさに驚きました。今まではISO3200くらいまであげて撮影した写真をPCで確認すると、ノイズが目立って使い物になりませんでしたが、「SONY α7RⅢ」でISO3200で撮影した写真は非常に程ノイズで、PCで確認しても、そこまで気にはなりませんでした。

暗所に強く、低ノイズで撮れるのはレタッチする際にも非常に役立つので、嬉しいポイントの一つでした。

 

光学式5軸ボディ内手ブレ補正で手持ち動画撮影ができる

手持ちの動画撮影ができるSony α7RⅢ

「SONY α7RⅢ」は世界最高5.5段の補正効果を実現する光学式5軸ボディ内手ブレ補正がついています。実際写真撮影する際もですが、特に動画撮影する際にはこの手ぶれ補正はとても重宝します。

今までは一眼カメラでの手持ちの動画撮影はブレすぎて、リグシステムや、スタビライザー、ジンバルを使わなければなりませんでしたが、「SONY α7RⅢ」は手持ちでの動画撮影でも使えるレベルまでに手ブレを抑えてくれます。もちろん、ジンバルやスタビライザーを仕様すればもっと綺麗で滑らかな映像が撮れます!

 

高速・高精度AF そして瞳AFが素晴らしい

瞳AFが素晴らしい

「SONY α7RⅢ」と同時購入した標準ズームレンズのSONY FE 24-70mm F2.8 GMで撮影するとAFがとにかく爆速で驚きました。それでいて、ピントがずれていることも少なく素晴らしい精度のAFで被写体を捉えてくれます

そして、「SONY α7RⅢ」に新しく搭載されている機能、「瞳AF」もポートレートを撮る人にはかなり嬉しい機能で、とても素晴らしいものでした。ロケ撮影で、モデルさんに動いてもらいながら撮影する場合でもしっかりと目にピントを合わせにいってくれます。この機能のおかげで”失敗写真”の枚数は大幅に減るのではないでしょうか。

 

バッテリーの持ちがかなり良い

Sony α7RⅢのバッテリー

購入時に、替えのバッテリーを2つ同時購入し、撮影の時には合計3つのバッテリーを持ち歩くようにしているのですが、「α7RⅢ」用のバッテリー「NP-FZ100」はかなり持ちが良いです。ロケ撮影で1日撮影していても全然持ちます。バッテリーの持ちが良いと、動画撮影の負担がなくなるので、とても嬉しいです。

以前、Nikon D810で動画撮影していたことがあるのですが、動画だとバッテリーの消耗がとても早く、3つのバッテリーで撮影しながら横で充電して、なくなったら入れ替え状態で、なかなか苦労しましたが、「SONY α7RⅢ」だとその心配もなさそうです。また、互換性のバッテリーも非常に優秀で、僕は純正バッテリー1つと、残りの2つは互換性バッテリー&充電器がセットになっているものを購入しました。

 

 

「α7RⅢ」使ってみてここがイマイチだった

SONY α7RⅢ を実際に使用してみて、イマイチだった部分をまとめてみました。

首にぶら下げてるとたまに設定が変わってる

首からぶら下げてると誤作動が起きる

Sony α7RⅢ を持って、カメラ散歩を何度かしていて感じたことが、首からカメラをぶら下げていると、気づかぬうちにボタンが押されているようで、いざ撮影する際にカメラの設定が変わっていることがありました。

この件を周りのカメラマンにも相談したら、同じような現用が起きたことがあるというSonyユーザーも多かったため、結構あるあるなのかもしれません。コンパクトなレンズをつけている時はあまり起こりませんが、重いレンズをつけている時はたまに起きるようです。

 

グリップの握り心地がイマイチ

小指あまり

「SONY α7RⅢ」のボディは非常にコンパクトで、軽いので気に入ってはいるのですが、コンパクトになりすぎて逆にグリップの握り心地がしっくりきません。特にカメラ右側の前面についているダイヤルがカメラを握っている状態からは非常に回しにくいです。

そしてSonyユーザーのカメラマンの声でも多いのがカメラを握った時の「小指あまり」。小指がボディに微妙にかからないので、安定性が少し損なわれてしまいます。縦グリップや、カメラリグを装着で解消されるというアイディアもありますが、どうにか付属品なしで「小指あまり」のないようにして欲しいところでした。

 

SDカードのスロットが表示と逆で混乱

スロットの表示が逆

意外と混乱してしまったのがSDカードのスロットが、SONYのカメラモニターで表示されているスロット名と上下逆さになっているところです。あまり気にならないといえばならないのですが、若干戸惑ってしまいました。これは設計ミスなのかなんなのか、意図がよくわかりません。ですが、慣れれば特に問題はありません。

 

「α7RⅢ」で撮影した写真

実際に「SONY α7RⅢ」で撮影した写真を何枚か紹介していきます。まずはレタッチなしの撮って出しの写真から。

「SONY α7RⅢ」で撮影したレタッチなしの写真

F2.8 1/160秒 ISO100 焦点距離70mm WB オート

 

「SONY α7RⅢ」で撮影したレタッチなしの写真

F2.8 1/80秒 ISO100 焦点距離56mm WB オート

 

「SONY α7RⅢ」で撮影したレタッチなしの写真

F2.8 1/80秒 ISO2500 焦点距離70mm WB オート

 

 

ここからは「SONY α7RⅢ」で撮影した、レタッチあり写真を紹介します。

「SONY α7RⅢ」で撮影した写真

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM

 

「SONY α7RⅢ」で撮影した写真

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM

レタッチ無しでもとても綺麗に撮れますが、レタッチするともっと綺麗に、写真の魅力が増します。

 

 

「SONY α7RⅢ」で撮影した写真

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 16-35mm F2.8 GM

 

「SONY α7RⅢ」で撮影した写真

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 16-35mm F2.8 GM 

 

こちら最後の2枚は広角レンズSONY FE 16-35mm F2.8 GM で撮影した写真です。

 

また「SONY α7RⅢ」で撮影した写真はかなり低ノイズなので、結構大げさにレタッチしてもノイズが気になりません。

 

「α7RⅢ」で撮影した動画

続いて実際に「SONY α7RⅢ」で撮影した動画をいくつかご紹介します。

「When She Loved Me song」

オールドレンズで撮影した動画。雰囲気ものです。オールドレンズならではの色味、フレアがいい感じです。手持ちで撮影。

モデル : かんばらふうこ
撮影・編集 : 小野友暉

 

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:Pentax M42 Super Takumar 55mm F1.8
  • 使用マウント:K&F Concept レンズマウントアダプター KF-42E2

 

「When life tries to bring you down just dance」

4Kで撮影した動画。雰囲気ものです。手持ちで撮影。

モデル : 麻峰(Asami)
撮影・編集 : 小野友暉

 

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM

 

「あひる珈琲 PR動画」

移動販売式珈琲屋さんあひる珈琲さんの宣伝動画。

撮影・編集 : 小野友暉

 

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM
  • 使用マイク:SHURE VP83

 

「Spending time rainy days」

「雨の日の過ごし方」をテーマに撮影したショートフィルム。こちらも色はPremire Proで少々いじってます。

モデル : 北野未央
撮影・編集 : 小野友暉

 

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM
  • 使用マイク:SHURE  VP83

 

 

「PENTAX 67Ⅱ Mounting of the film」

PENTAX 67Ⅱ のフィルム交換を「SONY α7RⅢ」で撮影した動画。雰囲気もんです。

撮影 小野友暉

 

  • 使用カメラ:SONY α7R III ILCE-7RM3
  • 使用レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM
  • 使用マイク:SHURE  VP83

 

 

 

「α7RⅢ」のスペック

Sony α7RⅢのスペック

それでは「Sony α7RⅢ」のスペック、主な仕様を紹介します。

 

使用レンズ ソニーEマウントレンズ
撮像素子 35mmフルサイズ(35.9×24.0mm)、ExmorR CMOSセンサー
カメラ有効画素数 約4240万画素
総画素数 約4360万画素
画像ファイル形式 JPEG (DCF Ver.2.0、Exif Ver.2.31、 MPF Baseline)準拠、RAW(ソニーARW 2.3フォーマット)
画質モード RAW、RAW+JPEG(エクストラファイン、ファイン、 スタンダード)、JPEG(エクストラファイン、ファイン、スタンダード)
ピクチャープロファイル 切/PP1-PP10(ブラックレベル、ガンマ(Movie, Still, Cine1-4, ITU709, ITU709 [800%], S-Log2, S-Log3, HLG, HLG1-3)、ブラックガンマ、ニー、カラーモード、彩度、色相、色の深さ、ディテール、コピー、リセット)
動画ファイル記録方式 XAVC S、AVCHD規格 Ver.2.0準拠
動画音声記録方式 XAVC S: LPCM 2ch、AVCHD: Dolby Digital (AC-3) 2ch、ドルビーデジタルステレオクリエーター搭載
記録媒体 メモリースティック PRO デュオ、メモリースティック PRO-HG デュオ、メモリースティック マイクロ(M2)、SDメモリーカード、SDHCメモリーカード(UHS-I /II対応)、SDXCメモリーカード(UHS-I /II対応)、microSD メモリーカード、microSDHC メモリーカード、microSDXC メモリーカード
ノイズリダクション 長秒時NR 入/切 SS 1秒からBULBに適用、高感度NR 標準/弱/切
測距点数 35mmフルサイズ時:399点(位相差検出方式)、フルサイズレンズ装着かつAPS-C読み出し時:323点(位相差検出方式)、APS-Cレンズ装着時:255点(位相差検出方式)/425点(コントラスト検出方式)
AFモード AF制御自動切り換え (AF-A)/シングル(AF-S)/コンティニュアス (AF-C)/ダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)/マニュアルフォーカス(MF)
ロックオンAF
瞳AF
測光方式 1200分割ライブビュー分析測光
露出補正 ±5.0EV (1/3EV, 1/2EV ステップ選択可能)
(ダイヤル操作時 : ±3EV (1/3EV ステップ))
ファインダー形式 1.3cm(0.5型)電子式ビューファインダー
ファインダー視野率 100%
液晶モニタードット数 1,440,000ドット
液晶モニタータッチパネル
顔検出モード AF時の顔優先(入/切)、マルチ測光時の顔優先(入/切)、登録顔優先(入/切)
シャッター速度範 静止画撮影時:1/8000-30秒、バルブ、
動画撮影時:1/8000-1/4(1/3ステップ)、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで
手ブレ補正機能方式 イメージセンサーシフト方式5軸補正 (補正方式はレンズ仕様による)
Wi-Fiスマートフォン転送
使用電池 リチャージャブルバッテリーパック NP-FZ100
USB給電
質量 約657g(バッテリーと”メモリースティックPROデュオ”含む) 約572g(本体のみ)
外形寸法 約126.9(幅) x 95.6(高さ) x 73.7(奥行き)mm、
約126.9(幅) x 95.6(高さ) x 62.7(奥行き)mm(グリップからモニターまで)
付属品 電源コード、リチャージャブルバッテリーパック NP-FZ100、ケーブルプロテクター、バッテリーチャージャーBC-QZ1、ショルダーストラップ、ボディキャップ、アクセサリーシューキャップ、アイピースカップ、USB Type-C(TM)ケーブル

 

 

まとめ

以上、「SONY α7RⅢ」購入レビューでした。「SONY α7RⅢ」の上位機種でフラグシップ機にあたる「SONY α9」にひけをとらない、むしろ「α9」のいいとこ取りをしたようなとても魅力的なカメラだと思います。動画も写真も綺麗に撮れる、長く愛用できるカメラとなりそうです。もし購入を検討している方には是非ともオススメできる最高のカメラです。

 

 

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