多様な接続性と高速充電を実現する「VB99 ProミニVマウントバッテリー」レビュー

VB99 ProミニVマウントバッテリーは、Smallrigから発売されたプロの映像クリエイター向けのVマウントバッテリーです。多彩な接続性最大100Wの急速充電明確かつ正確なディスプレイコンパクト軽量耐久性に優れた設計が特徴です。

特に、ロケ撮影や長時間の撮影を行う映像クリエイターにおすすめとなっています。

今回、実際にVB99 ProミニVマウントバッテリーを試してみたのでレビューをお届けします。

 

 

 

「VB99 ProミニVマウントバッテリー」とは

そもそもVマウントバッテリーをよく知らない人向けに簡単に説明しておきます。Vマウントバッテリーとは、主に業務用ビデオカメラや照明機材などのプロ用機材で使用される、大容量のバッテリーです。

高出力で、多様な出力ポートに対応しており、耐久性にも優れているのが特徴です。また、バッテリー背面とアダプタープレートにV字型のロック機構があり、確実に固定できます。

そして今回ご紹介するVB99 ProミニVマウントバッテリーはカメラアクセサリーなどを展開しているSmallrigから発売されたもので、Vマウントバッテリーの中でも非常にコンパクトで多彩な接続性を誇るVマウントバッテリーになっています。

VB99 ProミニVマウントバッテリーの公式ショップページは下記リンクからご覧いただけます。

 

 

外観・デザインをチェック

まずは外観・デザインからチェックしていきます。

まずこちらがパッケージデザインです。

外観箱

 

中身を全て取り出してみました。

中身

バッテリー本体+マニュアル+ケーブルといった内容でした。

 

バッテリー本体の外観をみていきます。

Vマウントバッテリーにしては非常にコンパクトに思います。またアルミニウム合金と耐火 PC で作られているらしく、非常に堅牢なつくりなのが手にとってみるとよくわかります。耐久性には優れていそうなので、プロの現場でも安心して使えそうです。

SmallRig VB99 Pro ミニVマウントバッテリー

ディスプレイの面に対しての左側側面にはボタンが一つついています。

側面

裏面ではVマウントのマウント部分と、表記ラベルがありました。

裏面

ラベルには電子機器などの製品が特定の基準を満たしていることを示す認証マーク、FCCマークとCEマーク、KCマーク、BISマーク、PSEマークなどが確認できました。

日本国内はもちろんのこと、海外主要都市でも安心して使用することができそうです。

表記

 

ディスプレイの面に対しての右側側面にはD-TAPの端子がありました。

側面

 

D-TAPの端子です。角丸の部分がVマウント方向ににきています。この向きは他社のVマウントバッテリーと大体同じ向きかと思います。

D-tap

側面にあるボタンを一度押すと、ディスプレイが表示されます。

表示

何もさしていない状態だと、このようにバッテリーの残量が表示されます。

ディスプレイはTFT カラー スクリーンで、明確かつ正確なステータス情報が確認できます。非常に明るく見やすいディスプレイでした。屋外でも問題なく見ることができ、視認性は高かったです。

表示

ケーブルなどをさしていると、バッテリー残量はもちろん、電力消費、電圧などの細かいステータスが確認できます。

給電状態

 

出力ポートはUSB-C 2 個、D-Tap 1 個、USB-A 1 個、8V-OUT 1 個、12V-OUT 1 個がありました。

非常に多彩な接続性と言えるでしょう。こんなに使うことは私の場合ではありませんが、あるといざという時にも安心です。いろいろな使い方ができるので、使用の幅が広いのはとても良いなと思いました。

本体上部

ちなみに重さも測ってみました。実測値で643gと、公式ショップのスペック記載の重量とほぼ同じくらいでした。Vマウントにしては非常に軽いバッテリーといえます。

重さ

コンパクトで軽量で、持ち運びは楽そうです。

 

VB50 ミニVマウントバッテリーとサイズ感を比較してみた

ちなみにVB50 ミニVマウントバッテリー(左)とVB99 ProミニVマウントバッテリー(右)でサイズ感を比較してみました。

VB50 ミニVマウントバッテリーとの比較

 

厚みはVB50 ミニVマウントバッテリーのギリギリ倍ほどはない、といった感じでした。

厚み

バッテリー容量もVB99 ProミニVマウントバッテリーはVB50のほぼ倍となります。ただ、急速充電のスピードはVB99 ProミニVマウントバッテリーの方が圧倒的に早いです。VB50 ミニVマウントバッテリーが45W (最大) USB-C PD 急速充電をサポートしているのに対し、VB99 ProミニVマウントバッテリーは最大 100W の急速充電をサポートしています。

 

コンパクトなサイズでおさえながらも、スペックは倍以上のものになっているのがとても感動しました。

 

 

FX3&カメラリグにVB99 ProミニVマウントバッテリーを使ってみた

SmallrigのSony FX3 / FX30 用 HawkLock クイックリリース アドバンス ケージ キットと、

Smallrig Fx3専用カメラケージ

 

こちらのVマウントバッテリーマウントプレートを併用して、

Vマウントバッテリーマウントプレート

FX3のリグを組み、Vマウントバッテリーで給電しながら長時間撮影に対応するカメラシステムを作っていきます。

 

 

 

まず、Sony FX3 / FX30 用 HawkLock クイックリリース アドバンス ケージ キットを取り付けた状態がこちらです。

リグ

色味もFX3のカラーとマッチしていて、非常にカッコ良いです。

 

FX3のXLRハンドルユニットにもピッタリとマッチしたリグになっています。

ハンドル

左側側面にはHDMIのケーブルホルダーもついていて、さらにNATOハンドルを取り付けることも可能です。

 

右側側面にはグリップの安定性を向上させるリストストラップもついています。手持ち撮影をよくする人にとってはありがたいですね。

リストストラップ

 

続いてここにVマウントバッテリーマウントプレートを足していきます。そうする事によって、Vマウントバッテリーを取り付けることが可能になります。

 

Sony FX3 / FX30 用 HawkLock クイックリリース アドバンス ケージの底面はアルカスイス互換になっているので、Vマウントバッテリーマウントプレートをそのまま取り付けることが可能です。

Vマウントバッテリーマウントプレートを取り付けて、Vマウントバッテリーも付けてみました。

ケージ側にもプレート側にもセンターラインが引いてあるので、それに合わせることでズレることなく簡単かつスピーディーに取り付けができました

 

FX3のカメラケージ+Vマウントバッテリーマウントプレート+Vマウントバッテリーを取り付けるだけで、FX3がより本格的な業務用動画機になりました。2時間を超えるような長時間の撮影も、いちいちバッテリー交換することなく対応できそうです。

FX3 長時間撮影

 

見た目も非常にカッコよく、FX3のケージなしよりもこちらの方がよりプロっぽく見えるので、クライアントへのパフォーマンスとしても非常に良さそうでした。

Vmountバッテリー

 

 

またカメラへの電源供給だけでなく、外部モニターへの電源供給も同時に可能なので、外部モニター側に重たいバッテリーを取り付ける必要もありません。

外部モニターにバッテリー

外部モニターはカメラの上部に来ることが多いので、外部モニターにバッテリーを付けていると、カメラシステム全体の重心のバランスがあまりよくありません。

 

 

 

個人的におすすめの方法としては、FX3のダミーバッテリーケーブルを使用するのではなく、

VB99 ProミニVマウントバッテリーのUSB-CからFX3へ給電。VB99 ProミニVマウントバッテリーのD-tapからDCで外部モニターに給電。というやり方です。

そうすることで、カメラ側のバッテリーを入れたままカメラに給電ができ、かつ外部モニターにも同時給電ができます。VB99 ProミニVマウントバッテリーの容量が先に切れたとしてもカメラの電源はまだ生きたままなので、カメラの電源を落とすことがありません。D-tapのダミーバッテリーの運用だと、外部モニターと同時出力が難しくなるのと、VB99 ProミニVマウントバッテリーの容量がなくなった瞬間、カメラの電源も落ちてしまいます。動作の安全性の面でもダミーバッテリーを使用するのはよくないと言えるでしょう。

また、このようなリグを組んだ状態だと、VB99 ProミニVマウントバッテリーのディスプレイは、カメラマンの目に一番近い位置に来る事になるので、常にステータスやバッテリー残量などの情報を確認しながら撮影することができるので、状況に合わせた動きも取りやすくなると思います。

 

 

 

Smallrigさまざまなアクセサリーで試してみた

また、カメラケージ以外のアクセサリーも試してみました。

こちらのVマウントバッテリー用カニ型クランプ付きミニプレートを使うことで、

Vマウントバッテリー用カニ型クランプ付きミニプレート

ライトスタンドや、フィルムカートの支柱など、ポールのような形状のものにVマウントバッテリーを取り付けることができます。

ライトスタンドの先にある、LEDライトに給電する際や、フィルムカートに設置した大型のモニターへ電源供給する際にVマウントバッテリーの置き場所に困らなくなります。

 

 

 

またベルトにつけるタイプのVマウントバッテリープレートものアクセサリーもあります。

ベルトクリップ付きプレート

 

 

こちらのプレートを使うことで、ベルト部分にVマウントバッテリーを取り付けることができます

 

例えば、手持ちのLEDライトに給電するのに使用するととても便利です。いちいち手に持っておく必要がありません。

 

 

こういった、アクセサリーと合わせて使用することで、Vマウントバッテリーをもっと身近なものとして使用することができます。

 

 

 

実際に使ってみて感じた感想

実際に、VB99 ProミニVマウントバッテリーを1ヶ月程度使い続けて感じたことを大きく2つまとめました。

100Wの急速充電&出力が頼もしく、プロの現場では安心につながる

VB99 ProミニVマウントバッテリーは100Wの急速充電に対応しており、時間にすると2.5時間でフル充電をすることができます。このスピードは驚異的で、フル充電までの時間が早いとプロの現場では何かと助かります

例えば、長丁場の撮影現場などでバッテリーが切れたとしても、撮影の合間に給電しておけば、数時間後にフル充電された状態で再度使用可能になります。Vマウントバッテリー5つも6つも現場に持って行かずとも、2〜3個持っていって、使い切ったものはその間で給電さえしておけば、大体1日撮影でも楽に回すことができます。使い方にもよるのですが、カメラやモニターなどの電源としての使用であれば長時間運用が楽に実現できます

また、VB99 ProミニVマウントバッテリーは100Wの出力にも対応しているので、例えばMacbookなどのノートPCに急速充電ができたり、100WのLEDライトに給電すれば、100%の明るさでの使用ができます。Vマウントバッテリーのスペックによっては45Wや65Wまでのものも多い中、100Wまでの出力に対応したVB99 ProミニVマウントバッテリーであれば使い方の幅も非常に広がるなと思いました。

 

 

堅牢な作りでコンパクトなのでどこにでも持ち歩ける

VB99 ProミニVマウントバッテリーは非常に堅牢な作りになっており、コンパクトで持ち運びにも困らないので、気軽にどの現場でも持っていきやすいです。

サイズが大きすぎたり、壊れやすそうな素材のものだと、持ち歩くのに気が引けてあまり持ち歩かなくなったりしますが、VB99 ProミニVマウントバッテリーはそんな心配はいりません。カメラバックにそのまま入れるだけで、少しのスペースさえあれば気兼ねなく持ち歩けます。

映像の現場の中でも、ワンオペや2〜3人などの少人数での撮影時にこのサイズ感というのは非常に大事になってきます。特に一人だと持ち歩ける荷物に制限があるので、バッテリーを何個も持ってはいけないことが多いです。カメラバックの限られたスペースを考えた時に、コンパクトなのはもちろんですが、堅牢で、多様な接続性があり、大容量で高出力なバッテリーだと選ばれやすくなります。VB99 ProミニVマウントバッテリーはそのポイントを押さえているので、非常に持ち歩きやすく、実用性が高いバッテリーだと思いました。

 

 

「VB99 ProミニVマウントバッテリー」はこんな人におすすめ

VB99 ProミニVマウントバッテリーがおすすめな方をまとめました。プロの映像クリエイターには間違いなくおすすめできる高品質なVマウントバッテリーです。実際、海外の映像クリエイターの方でこのVB99 ProミニVマウントバッテリーを使っている方は、よく見かけます。

こんな人におすすめ
  • プロの映像クリエイター
  • 業務用シネマカメラなどを使う機会が多い方
  • 外部モニターを使った撮影を行う機会がある映像クリエイター
  • 高性能でコスパの良いVマウントバッテリーが欲しい方

 

 

 

 

まとめ

以上、VB99 ProミニVマウントバッテリーをご紹介しました。非常に優秀なVマウントバッテリーだと感じました。プロの映像の現場に立たれることが多いクリエイターの方にはおすすめです。撮影現場がより快適になることでしょう。

気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

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