最近スマートフォンの画質の向上などによって、動画を始める敷居が低くなってきました。しかし実際に始めてみると奥が深く、気にするべきポイントは無数に…。
そこで今回は動画の世界観を引き出す「音」にフォーカスして、「ノイズ除去」の方法を紹介します!Vlog・インタビュー動画など、世界観が重要な作品作りに役立ててください!PremiereProを元に解説をしていきます!
なぜ動画で音編集が重要なのか
どうして音が動画を作るうえで重要となるのでしょうか。動画を見るとなると視覚がメインと思われがちですが、音は意外にも無意識に私たちの感覚を刺激しています。音編集がもたらす効果についてみていきましょう。
1 音がより世界観を表現してくれる
音を編集するともともと録音された音を、表現したい形に変えることができます。これは音量を変えるだけでもいいし、エフェクトを複数かけて実現することも該当するでしょう。しかし「音を整える」という意識がある動画とそれ以外では、動画そのものの魅力に差が生まれます。
YouTubeなどで動画クリエイターが投稿している作品の多くは、撮影時に録音した音に加えてBGM・SEを追加し、編集が施されているものばかりです。
クリエイターによっては「BEHIND THE SCENE」と称して、製作過程を紹介する動画が公開されてることでしょう。僕がよく見る人は、ほぼ全員といっていいほど音の編集をしています。プロが意識的におこなっているというだけでも、実践してみる価値があるでしょう。
2 動画に集中しやすくする
音を編集するメリットは世界観の表現だけではありません。動画の雰囲気をより感じてもらうためには、動画そのものに集中してもらう必要があります。
そこで音編集です!
音編集をすることで作品完成前に、ノイズなどの不快な要素を取り除くことができます!もちろん音を使った演出も可能ですが、すべてを通して動画を見続けられる状態を目指すといった点で、音編集は有効です。動画を見ているだけでは、自然すぎて音に意識は向かないかもしれません。しかし実際に作ってみると音の重要性に気づきます。
ぜひ音の重要性を再確認して、動画のクオリティを向上させましょう。
3 視聴者の離脱を防止
僕は仕事上YouTube動画の編集をおこなうことが多いのですが、動画編集をするうえで重要となるのが「視聴維持率」。
視聴維持率を意識することで、YouTubeチャンネルの評価が上がるとされているからです。
動画編集を副業としておこなう動きが強まっていることもあるので、それに応じて視聴維持率を意識したい人の数も増えていることでしょう。視覚からの情報を意識するのは重要ですが、意外と離脱する理由は聴覚からの情報であることも…。音がガサガサしていたり、ノイズバリバリでこもった音源だと「クオリティ低いな」って思いませんか?
それを編集時に自覚できるのであれば、修正するだけで作品の質は上がります!YouTube動画が伸びれば実績にもなります。音編集を身に付けて編集者としてレベルアップしましょう!
ノイズ除去を活用できる場面
では音編集を覚えることによって活用できる場面について具体的に紹介していきます。使用シーンをイメージできると、学習するときのハードルも下がりやすくなるでしょう。実際に僕が仕事で使ったときの経験をもとに紹介していきますので、参考にしてください!
インタビュー動画など音声が重要な動画で活躍
映像の仕事をしているとインタビュー動画の編集をする機会があります。編集の工程としてはそこまで変わることはないのですが、音がこもっていたり、ノイズが乗っていることが多々…。音量の調整をすると余計にノイズが際立ってしまうこともあるので、そこで編集をする必要があります。音声が重要なコンテンツとなるインタビュー動画では、より綺麗な音であることが求められるでしょう。実際に空調の音が大きく入っていた動画の編集にて、音声をより聞き取りやすくすることで喜ばれた経験があります!
動画は目だけでなく耳からの情報も多いです。より綺麗な音を作ることを意識して、自身の作品や仕事に活かしてみましょう。
反響が大きな場所での撮影素材の音を改善
YouTube動画などではさまざまな場所で撮影がおこなわれます。カメラにマイクを設置するなどして撮影する場合は、スタジオの反響も一緒に録音してしまいがちです。度合いにもよりますが、声が非常に聞き取りづらいことが起こることも…。
バラエティ系の番組を作る場合に、ボケの言葉が聞き取りづらいのってむなしいですよね。そこでノイズや反響を軽減することで聞き取りやすくすることが必要です。この工程を編集に挟むだけで、より違和感のない動画になります。
まず覚えるべきおすすめノイズ除去エフェクト
では実際にPremierePro上でどうノイズ除去をすればいいのでしょうか。僕が使うエフェクトをもとに、どれほど結果が得られるのかをみていきます。街の喧騒・室内の空調・風切り音の3つのパターンで検証した動画も作成しましたので、参考にしてください!
ご飯ばかり見てないで、ちゃんと音聴いてくださいね笑
クロマノイズ除去
一番使うのが「クロマノイズ除去」です。ホワイトノイズと呼ばれる「サーッ」という音に有効なエフェクトになります。でも編集方法難しそうだなって思いますよね。イコライザーが~。コンプが~。そんな知識はいりません。
編集方法は簡単で、エフェクトの編集画面で調整するだけで設定が完了するのです。
5つの波形とエフェクトのかかり具合を動かしていくのですが、使いやすいのは波形を見ながら設定できるでしょう。除去するノイズを聴きながら編集ができるので、エフェクトのかかり過ぎも防止できます。使い方に慣れさえすれば、強力な味方になることでしょう。ぜひ使ってみてください。
リバーブ除去
「リバーブ除去」はクロマノイズ除去と近いですが、用途が少し違います。クロマノイズ除去がホワイトノイズに強いのに対して、リバーブ除去が反響音を軽減する効果が得られます。
声が響く場所になると、マイクが声以外の音も拾いやすくなってしまうのは編集上でも問題となりがちです。そこでリバーブ除去!できるだけ響きをおさえることで、クリアな音声を手に入れることが可能です。こもった音をよりクリアにしたい場合にも使えるので、使ってみてください。スタジオなどの室内での撮影では、音が思った以上に反響するといったケースが珍しくありません。高性能なマイクが用意できないなど機材面でカバーできなかった場合は、このエフェクトで解決してみてください。クロマノイズ除去と編集方法は似ているので、合わせて慣れていきましょう!
ノイズ除去のひと手間で動画がよりクリエイティブに
映像における音声編集の重要性とノイズ除去の方法について紹介してきました。映像=視覚という図式が成り立ちがちですが、実は聴覚も絶えず密接に関わっています。聞き取りづらい動画ってストレスたまりますよね。そこで今回紹介したノイズ除去を活用してください。少し手間をかけるだけでも劇的に動画のクオリティに関わってきます。
今回紹介したのは簡単に使えるものでしたが、よりピンポイントで音を整えたい瞬間も訪れるでしょう。今後の記事では少しずつその方法についても紹介するので、他の記事を読みつつ映像やカメラについての知識をつけていきましょう!楽しく映像制作に取り組めるようになれば幸いです!