
「いいカメラを買ったはいいけど、いろいろ撮ってみてもいまいち良い写真にならない…」
このような悩みを抱えている人はたくさんいますよね。
私も写真を始めたばかりの頃は、いいカメラを買えばいい写真が撮れる!と思っていました。
しかし何も考えずに適当に写真を撮っていたので、見栄えのしない写真ばかりになってしまい「カメラってそんなに面白くないな…」と思ってしまった時期もあります。
そこから少しずつ「いい写真を撮るにはどうしたらよいか」ということを勉強するようになりました。
写真を撮る上で重要な要素として「構図を決める」という作業があるのですが、これを少し意識するだけで作品にまとまりを持たせることができるかもしれません。
私は風景や動物の写真を撮ることが多いので、今回は実際に世界を旅していたときの写真を用いて基本的な構図について説明していきます。
そもそも構図とは
構図とは「各部分に要素を配置して、まとまった全体を作り上げる」ことをいいます。
写真で言うと人物やモノの配置を決めたり、背景をどこまで写すのか、といったことを考えるのが構図を決めるという作業になります。何も考えずに写真を撮っているとこれらの配置がバラバラで気持ちの悪い画となってしまいます。
写真という四角の枠組みのなかに、何をどう配置するのかを意識することであなたの写真がより良いものになるかもしれません。
初心者のつまずきポイント
カメラを始めたばかりの人は「構図を意識するってなんか難しそう…」と考えてしまうかもしれませんね。絵画やデザインにも当てはまることですが、見ていて気持ちのいいものには一定のルールがあります。
例えば次の写真を見比べて見ましょう。
「オーストラリアの牧場」
上の写真では水平が右に傾いているので、気持ち悪さを感じるのではないでしょうか。
対して下の写真では水平が整っているため、上のものよりもキッチリとした印象を受けるかと思います。
「水平を意識する」ということは構図を決める上でとても基本的な作業ですが、このような単純なことでも写真全体に与える影響は大きくなります。
初心者におすすめの構図をご紹介
実際によく使われる構図にはどんなものがあるのでしょうか。
細かく分けると多くの数があるのですが、ここでは基本的に押さえておくと便利な以下の構図について説明していきます。
- 三分割構図
- 二分割構図
- 日の丸構図
- 額縁構図
- 対角線構図
- 三角構図
- パターン構図
それぞれ詳しく見ていきましょう。
三分割構図
その名の通り縦横三分割した線に合わせて被写体を撮影する構図です。
「西インドの砂漠」
多くのカメラにはグリッド表示機能が搭載されているので、ファインダーや液晶に表示されているこの三分割の線を利用するとよいでしょう。
「オーストリアの路面電車」
線の交わる交点に人物を配置しても見栄えがよくなります。
「インドの少年」
注意点として、三分割構図では被写体が中心に来ないため、ピントがズレる可能性があります。
この構図を使うときには、主題としたいものにしっかりとピントを合わせることを意識しましょう。
二分割構図
先ほどの三分割構図に対して画面を2つに分けるのがこちらの二分割構図です。
画面を上下または左右に均等に分けることで、安定した画が撮れるようになります。
「バリ島の夕日」
水に風景が反射している景色や、地平線・水平線などに取り入れることが多い構図です。
「ウユニ塩湖」
この構図では水平がちゃんととれているかが大きなポイントになります。
編集で調整も可能ですが、後から傾きを調整すると画面端のほうが切れてしまいます。
画面全体のバランスが崩れてしまうこともあるので、撮影時には水平を意識することを忘れないようにしましょう。
日の丸構図
見せたい被写体を中心に置いて目立たせるのが日の丸構図です。
「ケニアのサファリにて」
日本の国旗のような画作りになるということですね。
「クロアチアの旧時計台」
日の丸構図は初心者にも分かりやすいとてもシンプルな考え方ですが、これもよく使用される立派な構図です。
被写体をアップで写してみたり、背景をぼかしたりすることでより美しい写真になるかもしれません。
動物を撮るときには、望遠レンズを使って撮影するのがおすすめです。
額縁構図
画面のなかにもう一つ枠をつくることで、奥行きや立体感を演出できるのがこちらの「額縁構図」です。
「ドゥブロヴニクの町並み」
四辺全てが囲まれている必要はなく、木で周りを無造作に囲んだこのような写真も額縁構図となります。
「イグアスの滝」
「撮ってみたけどなんかパッとしない…」と感じたら、画面の周りを囲うことで写真を引き締めることができるかもしれません。
額縁となりそうなものは意外とたくさんあるので、外を歩きながら探してみてください。
対角線構図
三分割構図や二分割構図が縦と横だったのに対し、対角線構図は斜めを意識した構図となります。
「オーストラリアのモモイロインコ」
被写体を斜めに配置することによって視線誘導や奥行きを感じさせる効果があり、写真に躍動感を出すことができます。
「チェルノブイリ」
三分割構図との相性もいいので、組み合わせて使うのもおすすめです。
三角構図
写真の中に三角形を配置して奥行きや安定感を出すのが三角構図です。
「ウィーンの町並み」
山型のものや真っ直ぐな道路、縦に長い建造物などでよく使用されます。
「ザンビアの線路」
2枚目の写真のようにカメラを低く構えて撮影することで、手前をより強調することができます。
パターン構図
同一の模様や被写体がならんでいるときによく使われるのがパターン構図です。
規則正しく並んでいるものを切り取ることで、統一感やリズム感を出すことができます。
「カンボジアの遺跡」
この構図を使用する時はパターンになっているもの以外を画面に入れないことを意識すると、よりまとまった印象を与えることができます。
水平を意識するのも忘れないようにしましょう。
基本にこだわりすぎず構図を崩すことも大事
様々な構図について説明してきましたが、構図のことばかり考えて写真を撮っていては発想が凝り固まってしまう可能性もあります。
構図や水平を意識することはもちろん大事なことですが、もっと自由に写真を撮ることも重要なことです。地面スレスレのところから被写体を見上げる視点で撮ってみたり、ファインダーを覗かずに適当にシャッターをきるのもいいでしょう。
ブレやボケを気にせずに感覚で撮った写真が意外といい画になっていたりするのも写真の面白さです。
動きの早い動物などを撮影するときは、常に構図を意識するというのも難しいでしょう。そんな時はとにかく枚数を撮って、あとからベストショットを選ぶという方法もおすすめです。
今回ご紹介した構図はよく使うものなので覚えておいて損はありませんが、その上で柔軟な発想で撮影を楽しんでみてください。
まとめ
いかかだったでしょうか?風景・動物写真におすすめの構図をいくつかご紹介しました。今回ご紹介したもの以外にも様々な構図があるので気になった方はぜひ調べてみてください。
写真をどう撮ったらいいのかわからない、と悩んでいる人の参考になれば幸いです。