
写真家小野友暉×モデルAnna
今回、私が密着させていただくポートレート撮影でのフォトグラファーは小野友暉さん、モデルはAnnaちゃんです。これまでSHAREの撮影には何度かモデルをしてくれていましたが、友暉さんとの撮影は初めてです。撮影に出発する前に、まずは、友暉さんとAnnaちゃんについての紹介をしていきます。
写真家 小野友暉(コノユウキ)
モデル Anna(アンナ)
普段は大学生をしているAnnaちゃんですが、撮影が始まりシャッターの切る音がなった瞬間表情が変わります。個性的な雰囲気を持ちつつ、笑うと女の子らしいギャップでフォトグラファーたちを魅了しています。
撮影に密着!
さて、いよいよ撮影に密着していきたいと思います。写真を撮る風景以外にも、どのようにしてモデルとコミュニケーションをとっているのかや、ポーズを決めているのかを学んでいきたいです。
撮影前の打ち合わせ
友暉さんの撮影の場合、待ち合わせをしすぐに撮影がスタートするのではなく、まずはじめに打ち合わせをします。時間に余裕のある撮影の時は毎回打ち合わせをし、作品のイメージを伝えるそうです。モデル未経験の方であれば特に、いきなり撮影がはじまってしまうと何もわからないままあたふたしてしまうこともあるので、リラックスできる時間をもらえるのは嬉しいですよね。
ポートレート撮影では、モデルがカメラマンに指定された場所に行き、ある程度写真が撮れたら解散することもよくあります。ですが、友暉さんは撮影前の打ち合わせにもしっかりと時間をかけ、Annaちゃんへ作品のイメージを伝えるだけでなく、共通の話題を見つけてコミュニケーションもとっていました。撮影中はオンオフの切り替えをしていると、会話にまで神経がまわらない時もあるので、こういった撮影前に少しのコミュニケーションをとるだけでも、その後のモデルの表情は変わってきます。
ただ「写真を撮りたい」や「こういう作品を撮ってみたいからモデルを用意した」のではなく、Annaちゃんという一人のモデルに対し、どんな雰囲気が似合うのか、どんな表情やポーズが作品のイメージとマッチするのかまで考えられていて驚きました。友暉さんは25才という若さでたくさんのフォトグラファーやモデルに注目される写真家です。撮影前のちょっとの打ち合わせでも、人目をひく作品になる理由が分かったような気がします。
撮影前の打ち合わせにも手を抜かない友暉さん。打ち合わせに同席させていただき気になったことをインタビューします!
-なぜ、撮影前に打ち合わせをするのですか?
難波での撮影
打ち合わせが終わり、いよいよ撮影がスタート。打ち合わせをしているうちに空気もあたたまり、Annaちゃんもリラックスしているように見えました。
難波のとある屋上にやって来ました。到着し、早速撮影がスタートです!友暉さんと撮影するのは初めてのAnnaちゃんでしたが、友暉さんがシャッターをきるたびにポーズや表情をきめていき、スイッチが入ったのが分かりました。撮影の最初はベテランのモデルでも緊張をして、うまく笑顔が作れなかったりもしますが、Annaちゃんは撮影の序盤から余裕を感じさせるほどナチュラルで圧倒されました。
そして、Annaちゃんがするポーズに対して、友暉さんが顔の角度や目線にアドバイスをしていきます。手は壁につけるのか体につけるのか、繊細な動きを加えるだけで、「悲しい」と「寂しい」のちょっとした違いを表現できるんだなと、勉強になりました。屋上は街並みが背景になり、一見撮りやすいのかなという印象を抱きましたが、よく考えてみると、街中の方がポージングのしやすい花やベンチなどが揃っているので、屋上の方が難易度が高いのではないかと思いました。
ちなみに、撮影に同行させていただいて私が気づいたのは、撮影している友暉さんとされているAnnaちゃんの様子がシルエットになっていて、作品が出来上がるまでの姿もアートのようになっていて歓喜を感じずにはいられず、たくさん写真を撮りました。カメラを向けるとポーズを決めてくれるAnnaちゃんがは天真爛漫で、撮影現場の雰囲気も明るくできるモデルだと思いました。
ポートレート撮影をする人の中に、モデル撮影をすることは好きだけど、コミュニケーションがとれないという方もいるのではないでしょうか。友暉さんがモデル撮影で意識をしていることを聞いていきます!
-モデルが緊張しているときはどのように緊張をほぐしていますか?
日本橋での撮影
難波での撮影から、日本橋に移動をすることになりました。マイナーな撮影スポットや、モデルや周りのフォトグラファーたちも一緒に楽しみながら写真を撮ることの出来る遊びスポットなどを知る友暉さん。友暉さんならではの撮影の方法がとっても興味深いです!
“対戦”の穴”というなんだか心がぞわぞわする名前のゲーム店にやって来ました。日本橋には変わったゲームセンターがたくさんあります。10代の若者たちは「なんだこれ!」と頭にハテナを浮かべるようなゲームが揃っています。なかなか都会では出会うことのできないスポットに、外国人観光客やゲーム好きな人が多く集まっていました。
新鮮だったのかAnnaちゃんはゲームに興味を示していたので、スーパーマリオブラザーズに挑戦することに。DSやWiiなどとはやり方も全く違うので難しそうでしたが、終始満面の笑みを浮かべて楽しそうにしているAnnaちゃんを友暉さんが撮影し、屋上でのクールな感じとは打って変わって、Annaちゃんのナチュラルな一面が出ていました。友暉さんは人の表情を記憶するのがうまいのか、“今の街並みやイメージに近いからこの表情をして”ではなく“この表情の〇〇は魅力があるからここに合う”というふうに撮影をしているようにも思えました。笑顔ひとつにも、口角の上げ方や目の大きさなど、ざっくりとした印象ではなく、モデルの細かいパーツの動きまで掴んでいるので、友暉さんの作品は偏っていなく、モデル一人一人が主人公になった世界観をみることができるんですよね。
日本橋にはディープなお店だけでなく、カラフルな壁がいくつもありました。関西でポートレート撮影をする人は、出来るだけ他とは被らない撮影スポット探している人が多いはず!
-撮影場所に悩んだときはどうしていますか?
天王寺での撮影
日本橋で撮影をした後は、天王寺へ!撮影前にも打ち合わせをしましたが、改めてイメージを確認するため、歩きながらもAnnaちゃんと話をする友暉さん。
テーマを意識しなければ、撮る方も撮られる方も伝えたかったことからそれてしまい、気持ちの入った作品には見えなくなってしまいます。
射的やスマートボール、日本橋とは違った珍しいゲームに、カップルや学生が集まっていました。ここでも、真剣に遊びを満喫するAnnaちゃん。街中で撮影をしているときは、アンニュイなムードのある表情ですが、ゲームを目の前にすると18歳の幼さが見えて、さすがモデル!という印象を受けました。
難波から天王寺までを撮影しながら移動し、およそ3時間ほどの撮影が終了しました!友暉さん、Annaちゃん、同行させていただきありがとうございました。最初の打ち合わせでは、緊張を解くために会話を探しているむずむずしい感じから、シャッターを切る回数を重ねるごとに徐々に打ち解けていく感じも、作品を見るだけでは分からない裏側も覗くことでまた違った作品の見方になりました。
ちなみに…
天王寺から帰る途中、てんしばで行われていたパフォーマンスをみんなで見ていたのですが、あまりのクオリティーに圧倒されてしまい…
二人もこの表情でした。(笑)
撮影後のインタビュー
今回の撮影を終えて、友暉さんとAnnaちゃんにインタビューをしました。撮影後の挨拶は当然すが、感想まではなかなか聞くこともないですよね。フォトグラファーとモデルが互いに感じたことを深掘りしていきます。
-小野友暉×Annaの撮影はハジメテということでしたが、どうでしたか?
最後に
ポートレート撮影に同行させていただいて改めて感じることは、イメージの一致やコミュニケーション力は大切だということです。モデルの緊張をほぐすことによって作品の質も変わってきますし、話しやすい空気を作ることでフォトグラファーも指示をしやすくなります。
これからポートレート撮影に挑戦したい人やモデルに興味がある人は、ぜひ、参考にしてみてください。