
被写体をクローズアップするのが、一般的なマクロ撮影です。マクロ撮影ではマクロレンズがよく用いられていますが、初心者の方だとどのマクロレンズが良いのか分かりにくくありませんか?本記事ではマクロレンズの特徴や選び方、おすすめなどを紹介いたします。マクロ撮影をサポートする機材&アクセサリーも紹介するため、これからマクロ撮影にチャレンジしたい方は参考にしてみてください。
マクロレンズとは
一般的なレンズより、最大撮影倍率の高いものを「マクロレンズ」と呼んでいます。ピントがあう範囲のうち、最も近づいて撮影したときの被写体の大きさが、どのくらいになるのか数値で表しているのが最大撮影倍率です。
最大撮影倍率の高いマクロレンズほど、被写体をクローズアップしやすくなります。一般的なレンズは単焦点レンズ(焦点距離がひとつだけ)、ズームレンズ(一定の範囲で焦点距離を変えられる)に分かれますが、マクロレンズは単焦点のものが多いです。
F値の小さな明るい単焦点マクロレンズは、ボケのきれいな写真を撮りたいときに便利。ただし、F値を小さくするとピントのあう範囲が狭くなるため、ピントあわせが難しくなる点には注意してくださいね。
マクロレンズでこんな写真が撮れる!
次からは「マクロレンズだとどんな写真が撮れるのか知りたい」という方のために、シチュエーションや作例写真を紹介いたします。マクロレンズのシチュエーションのうち、最も多いのが花のクローズアップです。最大撮影倍率の高いマクロレンズで花を撮影すると、こんな写真が撮れますよ。
マクロレンズには、次の作例写真のように小さな虫をクローズアップするというシチュエーションもあります。花と違って虫は動くことがあるため、止まったところでシャッターを切る、または速いシャッタースピードに設定すると良いでしょう。
花や虫のほか、料理やフィギュア、模型など、アイデアしだいでマクロレンズのシチュエーションは様々です。
ポートレート(人物)や、風景にもマクロレンズは使えますよ。
マクロレンズの選び方
次からはマクロレンズの選び方の紹介です。
最大撮影倍率で選ぶ
マクロレンズは最大撮影倍率によって次のような種類があります。
- レンズの種類 最大撮影倍率
- マクロレンズ 1倍以上
- ハーフマクロレンズ 1/2倍
- クォーターマクロレンズ 1/4倍
マクロレンズの種類のうち、どれか1本選ぶのなら最大撮影倍率1倍以上のマクロレンズがおすすめです。
焦点距離で選ぶ
ほかにもマクロレンズには、焦点距離で選ぶという方法があります。焦点距離によってマクロレンズは次の種類に分けることが可能です。
- レンズの種類 焦点距離
- 標準マクロレンズ 50mmほど
- 中望遠マクロレンズ 100mmほど
- 望遠マクロレンズ 200mmほど
花などを全体的に撮影したいときは標準マクロレンズが便利です。被写体に近づけないときは、中望遠マクロレンズ、望遠マクロレンズがあると撮影しやすいですよ。どの焦点距離が良いのか迷ったときは、幅広いシチュエーションに使える中望遠マクロレンズを選ぶと良いでしょう。
価格で選ぶ
マクロレンズを選ぶときに気になるのが価格。価格は1万円台から10万円以上まで、マクロレンズによって様々です。価格が高すぎるものは手が出ない、安すぎるものは描写力が心配という方は4万円台・5万円台でF値2.8のマクロレンズを選ぶと良いでしょう。
メーカー別 おすすめのマクロレンズ7選
レンズをカメラボディに装着するには、カメラボディのマウント部とレンズのマウント部をあわせることが必要です。メーカーによって採用するマウントが異なりますので、メーカー別でおすすめのマクロレンズを紹介していきます。
キヤノンのおすすめマクロレンズ
キヤノンの中望遠マクロレンズからおすすめするのが、EF100mm F2.8L マクロ IS USMです。
出展:amazon
主なスペックは次のとおり。
- 開放F値 F2.8
- 最大撮影倍率 1倍
- フルサイズ対応 ○
- 手ブレ補正 ○
この中望遠マクロレンズには、ハイブリッドISという手ブレ補正機能が付いています。ハイブリッドISは角度ブレ(縦方向)とシフトブレ(横方向)と両方の手ブレを抑える機能です。最大撮影倍率1倍でマクロ撮影したときには、約2.0段分の手ブレ補正効果が期待できます。
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手持ちでもマクロ撮影しやすい中望遠レンズを探している方におすすめ。
ニコンのおすすめマクロレンズ
ニコンの標準マクロレンズからおすすめするのが、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDです。
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主なスペックは次をご覧ください。
- 開放F値 F2.8
- 最大撮影倍率 1倍
- フルサイズ対応 ○
- 手ブレ補正 ×
出展:amazon
この標準マクロレンズでは、被写体への距離0.185mから撮影すると最大撮影倍率1倍になります。至近距離から被写体をクローズアップしたい方、ポートレートや風景に使いたい方におすすめです。
ニコンの中望遠マクロレンズからおすすめするのが、AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDです。
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主なスペックは次をご覧ください。
- 開放F値 F2.8
- 最大撮影倍率 1倍
- フルサイズ対応 ○
- 手ブレ補正 ○
この中望遠マクロレンズでは、被写体への距離0.314mから撮影したときに最大撮影倍率1倍となります。
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虫などの生き物に寄りすぎずにマクロ撮影したい方におすすめ。
ソニーのおすすめマクロレンズ
ソニーの標準マクロレンズからおすすめするのが、FE 50mm F2.8 Macro SEL50M28(Eマウント用)です。
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主なスペックは次のとおり。
- 開放F値 F2.8
- 最大撮影倍率 1倍
- フルサイズ対応 ○
- 手ブレ補正 ×
この標準マクロレンズには倍率と距離の表示があり、視覚的に分かりやすいマクロ撮影ができるのが魅力のひとつです。マクロ撮影はもちろんのこと、ポートレートや風景に使いたい初心者の方におすすめ。
ソニーの中望遠マクロレンズからおすすめするのが、100mm F2.8 Macro SAL100M28(Aマウント用)です。
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主なスペックは次をご覧ください。
- 開放F値 F2.8
- 最大撮影倍率 1倍
- フルサイズ対応 ○
- 手ブレ補正 ×
被写体への距離0.35mで最大撮影倍率1倍となるため、近づきにくい被写体をクローズアップしたい方におすすめです。
手ブレ補正はありませんが、その分だけ価格が比較的安く、重さも少し軽くなっています。
サードパーティー製のおすすめマクロレンズ
メーカー純正のほかにも、サードパーティー製レンズがあります。メーカー純正よりも、サードパーティー製レンズのほうが価格が低めなのが魅力です。
タムロンの中望遠マクロレンズからおすすめするのが、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USDです。
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主なスペックは次のとおり。
- 開放F値 F2.8
- 最大撮影倍率 1倍
- フルサイズ対応 ○
- 手ブレ補正 ○
この中望遠マクロレンズでは、開放F値から少し絞っても、キレイなボケを得やすい円形絞り(絞りが円形に近い形)を採用しています。キレイな丸ボケが出るマクロレンズ、キレイは背景ボケが出るマクロレンズを探している方におすすめ。
シグマの望遠マクロレンズからおすすめするのが、APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSMです。
出展:amazon
主なスペックは次をご覧ください。
- 開放F値 F2.8
- 最大撮影倍率 1倍
- フルサイズ対応 ○
- 手ブレ補正 ○
この望遠マクロレンズはフラッグシップモデルのため、描写力に優れているものを探している方におすすめ。光学式手ブレ補正が付いているため、手持ちでマクロ撮影したいときにも便利ですよ。
マクロ撮影をサポートする機材&アクセサリー
マクロ撮影するときにあると便利なのが、次の機材&アクセサリーです。
- 三脚
- マクロスライダー
- LEDリングライト
地上最低高の低い三脚
花など動かない被写体でマクロ撮影するときは、しっかりとした三脚を準備したいところ。地上最低高の低い三脚を選ぶと、低い位置からのマクロ撮影が行いやすいです。
被写体にカメラを近づけるときに便利なマクロスライダー
三脚と併せて準備しておくと便利なのがマクロスライダー。マクロスライダーがあると三脚を移動させなくても、被写体にカメラを近づけられます。焦点距離がひとつだけの単焦点マクロレンズを使用しているときに活躍しますよ。
被写体に均等に光があたるLEDリングライト
被写体にあたる光が不足しているときにあると便利なのが、LEDリングライトです。円形にLEDライトが並んでおり、被写体に均等に光があたるようになります。常時点灯モードでは光のあたり具合を確認しながらマクロ撮影できますよ。
まとめ
マクロレンズには焦点距離によって標準、中望遠、望遠とあります。特に中望遠マクロレンズは様々なシチュエーションで使えるため、1本あると便利ですよ。本格的なマクロ撮影にチャレンジしたい方は、最大撮影倍率1倍のマクロレンズを選ぶと良いでしょう。