ギャラリー・アビィ
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かんばら
どうも、関西写真部SHARE専属ライターのかんばらふうこです。

 

全国の写真愛好家や作家が集まる“巣”として、夢へと羽ばたく人々に場所を提供する「ギャラリー・アビィ」。

ギャラリー・アビィから有名になり世界へ羽ばたく出展者もあるなかで、その理由を探っていくと代表者である吹雪大樹(ふぶきたいじゅ)さんの作品に対する熱い思いがありました。

今回はギャラリー・アビィにお伺いし、設立の経緯やギャラリーを運営する側の考え方、そして写真家としても活動する吹雪さんの人生についてインタビューさせていただきました。

 

ギャラリー・アビィ代表 吹雪大樹プロフィール
吹雪大樹(ふぶきたいじゅ)
1971年大阪生まれ・写真映像作家・ホルガ会主宰
大阪ビジュアルコミュニケーション専門学校映像学科(現:日本写真映像専門学校)卒業後、大阪市内のビデオ制作会社にテレビカメラマンとして勤務。デザイン専門学校講師を経て、ギャラリー・アビィ代表となる。
2001年、ギャラリー・ナダールとトイカメラ「ホルガ」専門写真サークル「ホルガ会」を設立。2002年から「ホルガエキスポ」を開催。トイカメラの周知普及に活躍する。
2009年、NHKテレビ時代劇「浪花の華」タイトルバック写真をホルガで撮影。イーストプレス社「はじめての廃墟の歩き方」表紙写真のほか、写真単行本、CDジャケットなどに写真を提供。
また同年、ホルガリミテッド社により「世界のホルガ写真家10名」に選出され、バンコク、テキサス、ニューヨークで作品を展示。今後も引き続き海外での展示を計画中。【ギャラリー・アビィ 公式ホームページ

 

 

失うことで始まった。「ギャラリーアビィ」設立

ギャラリー・アビィ

ーギャラリーアビィを始めた経緯を教えてください。

吹雪大樹

ギャラリーを始めたきっかけは「失業」です。

高校生の頃から映画に興味があり、映像の専門学校に通って脚本や演出について学んでいました。
その後、カメラマンというポジションで就職したんですけど、当時は撮影がすごく苦手で…。
2004年の春に突然テレビ関係の会社をリストラされてしまって、専門学校の先生に再就職してデザインなどを教えていました。
しかし、また倒産を体験して仕事を失ってしまい、その時には33歳だったので一から会社に勤めるのではなく、何か自分で仕事はできないかなと考え始めました。

どんな仕事にしようかと悩んでいるときに、フリーカメラマンやデザイナーっていう道もあったんですけど、自分で個展を開かせていただいていたのでギャラリーのオーナーさんと知り合いだったり、新聞・雑誌・テレビなどのメディア関係の人とも仲が良かったので、このパーツを組み合わせて「人が集まる場所」をした方がいいんじゃないかと思い2005年にギャラリーを開廊しました。

 

 

ーギャラリー・アビィを長く続けてこれた理由は何ですか?

吹雪大樹

当初は1、2年くらいしたら辞めて、またハローワークに行こうかと思っていました。(笑)

ギャラリーをやってみたいという、ちょっとした「夢」だったこともあり、ここまで長く続けるつもりはなかったのですが、ギャラリーを運営していくうちにいろいろな作家さんに出会って、やりとりしていくうちに自分の世界が広がっていくのを実感しました。
僕自身、自分の価値観だけではできなかった作品をつくれるようにもなって…、そうしていくうちに14年が経っていました。

時にはやめようと思うこともあるんですけど、「ここでやめたらもったいないな、この先にもっと何かあるんじゃないか」と思うんですよね。やっぱり、日々ワクワクするので長く続けられているんじゃないかと思います。

 

 

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1か月半かけて内装を手作りした理由

ギャラリー・アビィ

ー内装は手作りで完成させたとサイトで拝見しましたが、なぜ手作りにこだわったのですか?また、このギャラリーは以前はどんなスペースでしたか?

吹雪大樹
物件を探しているとき、ここの部屋はもともとこのビルの管理人室でグレーのじゅうたんが敷かれていたんです。
ただ、窓があるところを気に入って。少し小さめのスペースが良かったんですけど開放感がある方がよかったので、風通しのいいこの部屋を気に入りました。
5月24日に絶対オープンすると決めて、1か月半で一人で作りました。手作りにこだわった理由は、予算の関係もあるんですけど、職人さんが作る綺麗すぎるスペースよりも手作り感と味のある空間にしたいなと思いました。

 

 

ギャラリー・アビィ

ギャラリー・アビィ

ー誰でも立ち寄りやすい、明るい空間ですね!

吹雪大樹
当時のメーカー系写真ギャラリーはグレーや黒の壁で堅い印象の場所が多かった んですけど、アビィは雑貨屋さんぽい雰囲気にしたかったんです。
業者に頼むよりも、頭の中にあるイメージを実現するには自分しかいないと、ホームセンターで材料を集めて内装を作りました。
僕も今までいろいろなギャラリーで展示させていただいていたので、その経験を踏まえてまずは使いやすさを重視した内装にこだわりました。今はYouTubeとかで何でも配信されていますが、その時には誰も教えてくれる人がいなかったので想像で作りました。気持ちが緩むと長引いてしまうので「なんとしても作り上げなきゃいけない」と必死でやっていました!

 

 

一般公募展にすることでいろいろな価値観を育む

ギャラリー・アビィ

ーアビィでは企画グループ展が多い印象を受けますが、なぜグループ展が多いのですか?

吹雪大樹
ギャラリーをオープンしてから先の予定が全く埋まっていなくて…。
自分の考えの甘さに気が付いて、「一般公募」というスタイルをはじめました。
当時は一般公募展をしているギャラリーは少なくて、どうしてもスケジュールが埋まらなかったときや突然のキャンセルの時に代わりに募集するところが多かったんです。
だけど、出展料が高いと継続的に出展してくれる人がいないので、焼き鳥1回分くらいなら気軽に出展できるんじゃないかと思い始めました。公募展というのは、基本的に審査があって、主催者側が選んだ人が出展できるという形が多いんですけど、そこに対して違和感を抱いて、「展示したい」という気持ちを大切にしたかったんです。
審査をしてしまうと、どうしても僕の好みが入ってしまうと思うので、見ている人からしたら面白いかも分からないじゃないですか。
ですので、一つのテーマに対して色々な価値観が集まるようにしました。
より多くの人に参加してほしかったので、WEBで手軽に申し込みできるように敷居を低くしていたら、結構遠方の方がたくさん出展してくださって嬉しかったです。

 

 

ーギャラリー・アビィは誰でも気軽に出展できるコストの良さが魅力のひとつでもありますよね。費用の面で苦労されることはありますか?

吹雪大樹

以前は、フォトショップ教室や映画上映会なんかをしていたんですけど、いろんな作家さんから個展についての相談があって、それは強く深い話し合いに なるので、色々なことをしながらだと、僕の場合はちゃんと対応できないなと気 づきました。

現在は、一人一人の作家さんが満足して展示してもらえるようにギャラリーに絞って運営しています。

もちろん売り上げはだいぶ下がりましたね。けれど本気で作品制作をしている作家さんに対して僕も全身全霊で向き合いたいと思いました。

 

 

アビィは人生を踏み外す場所であり、羽ばたく巣箱。

ギャラリー・アビィ

ーギャラリーを運営する上で、印象に残っている出来事はありますか?

吹雪大樹

ズームとフォーカスの違いも分からかったのに、展示していくうちに頭角を現して、現在では何冊も写真集を出している方もいらっしゃいます。

普通の会社員だった方が展示を通して新しい道を切り開き、作家という全く違ったジャンルのことに興味を示していく様子もよく見ます。
アビィを通じて知らなかった自分の可能性に気づいてもらえるのが嬉しいですね。

僕自身、普通の会社員ではなくギャラリーオーナーという道を選んだこともあり、
ここでいろんな人の人生を踏み外してあげて、「もっと面白い人生があるよ」ということを伝えたいなと思います。
有名な賞をとるよりも、個々の人生をどれだけ変えられるかを大切にしてほしいです。

 

 

アビィ代表であり写真家の吹雪大樹が愛するホルガの魅力

ギャラリー・アビィ

ー吹雪さんは写真家としても活動していますよね。“世界のホルガ写真家10名”にも選ばれていましたが、ホルガの魅力はなんですか?

吹雪大樹

写真のスタートイコール「ホルガ」なんですよね。僕の場合ホルガとロモLCを同時に購入してスタートしました。

映像のカメラマンをしていたので、どんな条件でも綺麗に写すのって当たり前だったんですよ。
でも、写真をはじめたときに綺麗にうつるのって仕事っぽくて嫌だったんですよね。せっかく趣味でカメラをするなら変わったカメラがいいなって思って。

ぼんやりと光漏れしている感じが8mm映画のような雰囲気で、「ああ、これやな」って思ったんですよね。
ただ、写真の知識は全然なかったので、学生時代に新聞社のアルバイトで暗室をしていていた時はつまらないなって思っていたんですけど、その経験が今になって役立っているなって思いますね。

 

 

ー若い頃からずっとカメラとの繋がりがあるんですね。

吹雪大樹
いつの間にか20年経っていて、映像より写真歴のほうが長くなっていますね。
ですが、あくまでも表現の手段として「写真」を選んでいます。小さい頃はイラストを描いたり小説を書いたりするのが好きだったので、頭の中にあるビジュアルを表現するのが好きなんですよね。なので、もしかしたらこれから写真じゃなくて、歌ったり踊ったりして表現しているかもしれませんね。(笑)
最初はすぐに飽きるんじゃないかなとか考えていたんですけど、せっかく続けてきたのでここでやめたらいけないなという感情になりました。

 

 

自分の時代を写真で残す。吹雪大樹 個展「イーラ/ERA reel-1」について

ギャラリー・アビィ

ー5月1日から開催される吹雪さんの個展、「イーラ/ERA reel-1」について教えてください。

吹雪大樹
これは全く新しいシリーズで、ホルガではなくデジカメに昔のレンズを装着して撮影しました。
ごくごく私的な「私の風景」を写しました。去年の11月から4000~5000枚くらい撮影し厳選したものを展示します。この展示を年に数回開催したいと思っていて、それを10年間続けたいなって。最終的には何十回ものイーラ(時代)をまとめた写真集を作るのが理想です。
駅伝みたいに連続で走って、結果的に長距離になっているような感じですよね。ただし、走ってるのは僕一人だけなんですけどね。写真は映像に比べて完成するのがすごく早いです。僕は写真のそういった部分にすごく魅力を感じていて。
イラストや陶芸だと時間がかかってしまいますが、写真であれば一瞬でその時の状況を記録できます。

 

 

ギャラリー・アビィ

ー今回の個展で感じて欲しいこと、伝えたいことは何ですか?

吹雪大樹

今は残っているけどいつかは消えてしまうものを写真に残したいと思っています。ある人の人生もいつかは消えますよね。

凡人の人生は誰も興味を持ってくれないので、人を記録することで自分の人生が認められたりするんですよね。
一般的には必要とされていないけど記録することができるのが写真だと思うんです。写したいものも、写したくないものもカメラには写ってしまう。

10年前に病気で死にかけた時に、身の回りの風景や妻を撮り始めたんです。半年したら死ぬと思っていたので、とりあえず写真で何か残したかった。
最終的に生きることはできたんですけど、生と死の間を体験したことで、なるべく普通の風景を組み合わせながら広い範囲にあてはめた作品をで魅せたいなと制作しました。

僕の写真はビンに手紙を入れて流しているような感覚なんですよね。目の前の人じゃなくても、いつか誰かに届いたらいいなって。
未来に向けて託す、といったらいいんですかね。もし未来に「こんな人がいたんだな」って思ってくれる人がいいなって。
イーラは英語で「時代」という意味なんですけど、僕から見た「僕の時代」という意味をこめてタイトルを付けました。写真があれば、ひとりひとりの時代を写して未来の人に伝えることができる。未来の人に見てほしいという気持ちで撮影しました。

 

 

ーSNSで誰でも写真や作品を発信できる世の中ですが、あえてお金をかけて展示することの価値は?

吹雪大樹
実際に自分の作品を見てもらい、人と話すことで「軌道修正」することができると思います。
展示することの価値って、人に評価してもらって新しいことを発見できるところにあるんですよね。
自分が思っていることと違う意見が声になって出てきて、それを感触として得られるのは展示だけなんじゃないでしょうか。空気を通して伝わってくる感触が展示にはあるんですよね。

 

 

 

 

関西写真部SHARE読者へのメッセージ

ギャラリー・アビィ

ー最後に、関西写真部SHARE読者にメッセージをお願いします!

吹雪大樹
やっぱり、若いうちは継続していことはむずかしいんですよね。
一時的に熱量があって写真を沢山撮ったり展示をしたりしていても、プツッと急に飽きてしまって、別のことに興味が移り変わっている。だけど写真に限らずこれと思ったことは続けてほしいなと思います。続ければ必ず何かが生まれるので。どこに自分の人生が変わるきっかけがあるのか予測できないので、見逃さないためにも決めたことを継続してほしいです。

 

 

さいごに

ギャラリー・アビィ

ギャラリー・アビィに展示されている一つ一つの作品に誰かの呼吸を感じられるのは、代表者である吹雪さんが一からギャラリーを作り、それぞれの出展者と深い関係を築き上げているからこそなのだと思いました。

皆さんもぜひ、ギャラリー・アビィに足を運んでみてください。

 

ギャラリー名 ギャラリー・アビィ
時間 12:00~19:30(月火休廊)
場所 〒542-0081 大阪市中央区南船場2-2-28 順慶ビル212号室
 
URL https://g-avi.com/index.html

 

 

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