ニュースなどで、AIというワードを耳にすることが凄く増えたなと実感する今日この頃ですが、みなさんはAIの製品や機能を使ったことはありますか。
私自身、新しい技術に少々疎いところがあって、正直敬遠しがちなところではありました。みなさんの中にも私みたいなタイプの方が少なからずいるのではないかと思いながら本記事を書いているのですが、AIってやっぱり凄く便利です。
今まで30分、1時間…と時間が掛かっていた作業が、数秒数分で完了してしまうということが、ざらにあります。
本記事のAIソフト「AVCLabs Video Blur AI」も、みなさんの動画編集作業をより一層早くしてくれるソフトになっておりますので、早速ご紹介していきます。
面倒な動画ぼかし加工も一瞬でできる「AVCLabs」について
AVCLabsの開発チームは2003年以来、WindowsとMacパソコン向けのソフトを多く開発、リリースしており、そのソフトたちは世界各国のユーザーに愛用されています。
2019年以降は、AI技術をソフト開発に導入し、2021年にリリースしたAI動画高画質化ソフト「AVCLabs Video Enhancer AI」は第40回Vectorプロレジ大賞を受賞しています。
動画だけでなく、写真用AIソフト「AVCLabs PhotoPro AI」もリリースしており、こちらも第41回プロレジ大賞を受賞するなど、多くのクリエイターにAIを用いた優秀なソフトを提供しているブランドです。
AVCLabs Video Blur AIの特徴
動画の「顔ぼかし」や「指定範囲ぼかし」「背景ぼかし」「自動車登録番号標ぼかし」という4つのモザイク加工が簡単にできるソフトになっています。
たとえ動画に大勢の人が映っていても、AIが顔を自動的に検出、認識を行います。
また、動いている人や物にぼかし加工を自分で行う場合、トラッキング(追跡)させるというのは少々面倒な作業になることが多いですが、AVCLabs Video Blur AIは動く対象についても自動追跡が可能で簡単にぼかしを入れることが出来ます。
AVCLabs Video Blur AIを実際に使ってみた
ソフトを起動するとまずは動画を取り込む画面になります。
AIソフトということもあり、複雑だったらどうしようかとも思っていましたが、シンプルで分かりやすいスタートで安心しました。
動画を取り込むと編集画面に変わります。
‘編集’画面という言葉を使いましたが、このAVCLabs Video Blur AIでは、ぼかしを追加する以外の編集は出来
ません。
このソフトは取り込んだ動画を、ぼかしを付けた動画に’変換’するソフトだと思っていただくのが良いかと思います。いわゆる編集ソフトではないので、音声付きの動画をソフトに取り込んだとしてもソフト上では音は出ないので、みなさんがソフトに動画を取り込んだ時に音が出なくても安心してください。
編集画面もシンプルで分かりやすいものになっていまして、画面上側に動画のプレビューパネルがあり、下にタイムラインパネルがあります。そして、画面左上には追加出来る、4つのぼかしが並んでいます。
今回撮ってきた動画素材には多くの人が映っているので早速「顔ぼかし」ボタンを押してみます。
「顔ぼかし」ボタンをおすとタイムラインに「顔ぼかし1」が追加され、メディア情報のあった画面右部分は、ぼかしの設定パネルに変わります。
ぼかしにも様々な種類が用意されているようで、ぼやっとぼかしたものや、ザラっとしたもの、いわゆるモザイクと言われるものなどの他に、ステッカーなどもあります。最初は分かりやすいぼかしを見てみたいので一旦ステッカーで顔をぼかしてみます。
タイムラインパネルのカーソルを動かして人の多いシーンにしておき、使用するステッカーを選んで、タイムラインパネル上部にある、プレビューを開始ボタン(眼のアイコン)を押すと、見事に顔がステッカーで隠されていました。
この人数の顔に瞬時にステッカーを貼れるのは、思わず声が出てしまうくらいでした。再生ボタンを押してみるとトラッキングもされているのが確認出来ました。
顔ぼかしにも設定できる項目が用意されています。
上でステッカーのぼかしを行った時は顔ぼかし設定を「すべての顔」にして顔認識された全ての人の顔をステッカーでぼかしたのですが、他にも「指定した顔」や「自由選択」という設定もあります。
「指定した顔」でぼかしをかける時は新たなウィンドウが開きます。
右上の「スキャン」を押すと、動画から検出された顔はリストに自動で並べられ、その顔リストから、ぼかしをかけるか、かけないかを選択出来るというものです。こんなことまでAIは出来てしまうんだと凄く印象に残っています。
隅から隅まで探して検出してくれているので、こんな奥に小さく映っている人の顔まで検出するのかという場面もあったりしました。
「自由選択」を選択すると、プレビュー時にソフトが認識した顔を直接選択できるようになります。選択した対象以外にぼかしをかけたり、選択した対象のみにぼかしをかけたりすることができます。
これは顔ぼかし設定「全ての顔」を選択した、プレビューの映像をキャプチャーモーションで録画したものになっています。プレビュー時の再生速度はスローモーションな感じになっていますが、書き出したものでは通常のスピードで音も含まれます。見事にぼかしの追加された動画に変換されています。
こちらは色々な組み合わせでぼかしを追加した動画になりますが、これは10割ソフト任せの、ぼかし追加になります。
背景をぼかすことが出来たり、前景(画面一番前でピントがあっている被写体被写物)をぼかすことが出来たり、ナンバープレートへのトラッキングもしっかりされていると思います。今回取り込んだ素材では、どれもAIの顔認識はしっかりと機能していましたし、このぼかしの追加が自動で完了してしまうのには本当に驚きました。この作業を自分でやるとなると、結構な時間がかかりそうなところですが、AVCLabs Video Blur AIでは、動画を取り込んで、ぼかし方を選択して少し調整して処理を待つだけです。
編集画面右上、3本線アイコンには設定項目も入っており、メモリの消費量や検出、認識の精度など設定できるようになっています。素材に合わせた設定をすることで更に精度の高い動画に仕上げることが可能になっています。因みに私は今回この設定をデフォルト状態のままで使用していたのですが、それでも十分な精度でした。
使ってみた感想
AIの顔認識追従はしっかり機能しており、自動でしっかりとぼかしを入れてくれますし、ぼかしの種類もあって動画に合わせたぼかしを入れることができます。そして何より、ソフト自体の操作がシンプルな仕様になっており、誰でも手軽にぼかしを入れることが出来ます。
ただ性能が素晴らしい分、PCのスペックによって、ぼかしの効果追加のプレビューや書き出しにかかる時間には多少の差が生じると思います。
AVCLabs Video Blur AIを使い始める前にご自身のPCのスペックなどは確認しておくことをおすすめ致しま
す。入力形式も出力形式も多く用意されていますし、ビットレートも選択できるので用途にあった書き出しが可能になっています。
先ほど書いた通り、このAVCLabs Video Blur AIは編集ソフトではないので、動画をカットする機能など、ぼかしを追加する以外の機能はありません。
例えば、長尺の映像の一部だけに、ぼかしが必要となった場合、AVCLabs Video Blur AI内で、尺のどの部分にぼかしをつけるかの調整は出来ますが、個人的にはあらかじめ必要なシーンだけをカット編集してからAVCLabs Video Blur AIに取り込んだ方が、処理時間が短縮できるのではないかと思います。
また、取り込んだ動画素材によって、ぼかしの精度も変わるということはあります。例えば、手持ち撮影で動く人にぼかしをかけたり、荒めの動画だったりというのは、顔認識が厳しかったり、ぼかしが一瞬外れたりするフレームも出てきたりします。そういった場合は設定から調整して試してみるなどの作業は生まれるのかなと思います。
ただ、そういった場合というのは映像編集ソフトで自分でぼかしを追加する時も難しかったり、時間がかかったりするものです。逆に言えば、動きの少ない動画であれば、取り込んで、ぼかしの種類を選択するだけで完璧なぼかしを追加することが可能なソフトということになります。
AVCLabs Video Blur AIは無料体験も出来るそうなので、少しでも興味をもたれた方や、ソフトがあるのは知っていたけど試したことのない方には、是非一度試していただきたいなと思います。本当に上手くぼかしをトラッキングまでしてくれるのかなと半信半疑ながら使ってみた私ですが、精度の高さに驚きました。手軽さもあることから、思わず色々な素材で試してしまいましたし、AVCLabs Video Blur AIを使って作品を作ってみようと思っています。
地味で手間だった作業が自動で終わるというのは気持ちが良いですし、クライアントさんに「ここ、少しぼかしたり出来ますか?」と注文を受けてみたいなとすら思ってしまいます。
AVCLabs Video Blur AIはこんな人におすすめ
私が特におすすめするのは、Vlogをされている方や、Youtuberの編集さんにも是非使ってみて欲しいと思っ
ています。映像制作は今やプロだけが行うものではなく、多くの方が様々な映像を制作、公開しています。そんな中で、肖像権問題など、第三者のプライバシーが守られていないのではないかと思えるようなシーンも増えてきてしまっているように思います。プライバシーを守るためだけでなく、ひいては映像表現の一つとしても、このAVCLabs Video Blur AIを持っていることで得られるメリットは多いのではないかと私は思っています。
また、プロの方にも一度試していただきたいなとも思います。手間のかかるフローが一つなくなることによるメリットは言うまでもありませんし、いざという時にあったら便利なソフトです。
最後に、AVCLabs Video Blur AIは、ぼかしを入れたいけど出来ない、手間を短縮したい方にも勿論、自信を
持っておすすめ出来るAIソフトになっております。動画編集をされる全ての方に、是非一度お試しいただければと思っています。