
今回は、世界最大級のストックフォトサービス「Adobe Stock コントリビュータープログラム」の写真販売の流れや利用メリットをご紹介します。
あなたの撮りためた写真作品がテレビやwebメディアなど思わぬところで輝くかもしれません。
Adobe Stock コントリビュータープログラムとは
Adobe Stock コントリビュータープログラムとは、世界中のクリエイターに向けて、ご自身の写真やイラスト、ビデオ作品を販売いただくためのサービスです。
Adobe Stockで販売される作品は、広告物や出版物、オンラインメディアや映画/テレビ番組などで活用されることが目的とされており、18歳以上であればどなたでも参加いただくことが可能です。
購入された作品に対しては、ロイヤリティーが支払われ、アーティストとしてスキルアップになる学習コンテンツやプログラムが豊富に用意されています。
Adobe Stockコントリビュータープログラムで写真を販売してみた
Adobe Stock コントリビュータープログラムで写真を販売する流れを実際に使用しながらご紹介します。
登録・ログイン
Adobeアカウントをお持ちの方はログインを、はじめて利用する方は新規会員登録を行います。
ログインができたら画面右上の「作品投稿」を押して写真販売画面に進みます。
写真をアップロードする
アカウントページの「アップロードされたファイル」をクリックし、
- ファイルをドラッグ&ドロップまたは参照
- Lightroomから読み込み
のどちらかで写真を読み込みます。Adobe IDに関連付けられたLightroomアカウントに保存しているアルバムから直接Adobe Stockにアップロードできるので、写真編集後にそのまま投稿できて便利です。アップロードできる画像の形式や解像度には条件があるので確認してからアップロードしましょう。
- JPEG 形式のみ
- 画像の最小解像度は 4MP
- 画像の最大解像度は 100MP
- 最大ファイルサイズは 45MB
スマホで撮影した写真のアップロードも可能なので、スマホで写真を撮ることが多い方も気軽に投稿できます。
アップロードをすると写真が一覧で表示されます。
右側に写真を販売するにあたり必要な項目が表示されるので入力しましょう。
キーワードを設定する
Adobe Stockでは、Adobe Sensei(人工知能と機械学習)がキーワードをサジェストし写真の内容に合うキーワードが自動で表示されるので、検索されやすいキーワードを知ることができます。
- アセットのキーワードをすばやく簡単に生成
- 最大で 25 個のキーワードを提案
- キーワードの編集や更新により、その内容を「学習」し操作性が向上
入力方法は下写真の2つです。
キーワードボックス | キーワードをペーストON |
![]() |
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キーワードは最小5~最大49個設定することができます。
人物写真はリリースを提出
個人や所有者を特定できるモデルや知的財産物(建物、施設、商品など)は使用許諾書(リリースペーパー)の提出が必要です。
モデルはもちろん、友人や家族のスナップショット撮影でも、商業目的で写真を公開するときは許可を得て販売していることを証明しなければなりません。後のトラブルを避けるためにも、リリースの提出とガイドラインの確認は行いましょう。
①リリースの検索または作成を選択
今回は人物写真を販売するので、編集画面(キーワードの上)に表示されている「特定できる人物またはプロパティですか?」という質問に「はい」と答え、「新しいリリースを作成」をクリックします。
すでにリリースを作成している方は「既存のリリースを検索」をクリックします。
新機能で登場した「デジタルリリース」は一度パソコンにダウンロードする必要がなく、WEB上で完結するので簡単に作成できます。
②リリースの作成
フォームの記入ができたら「レビューリクエスト」を送信します。一度リリースを作成すれば、被写体が同じ場合「既存のリリースを検索」に表示されるようになります。リリースを提出しなかった場合、写真は「保留中」に振り分けられるのでリリースを修正し再提出しなければなりません。
③リリース完成
作成したリリースはダウンロードできるので、モデルにも共有しておくことをおすすめします!
- 編集画面の「特定できる人物またはプロパティですか?」の「はい」を選択
- 「既存のリリースを検索」または「新しいリリースを作成」のどちらかを選択
- 新規リリースを作成の場合は以下を提出
①テンプレートをダウンロード【モデルリリース・プロパティリリース】②デジタルリリース【Adobe Sign】
- リリース作成が完了したら編集画面の「既存のリリースを検索」で選択する
モデルリリースのガイドライン | https://helpx.adobe.com/jp/stock/contributor/help/model-release.ug.html |
プロパティリリースのガイドライン | https://helpx.adobe.com/jp/stock/contributor/help/property-release.ug.html |
リリースやキーワードの入力が完了したら審査に提出しましょう。
途中まで編集した写真も保存されるので、好きなタイミングで作業を進められます。
審査結果を確認
提出した写真の審査結果は登録したメールアドレスに送信されます。
審査を通過した時点でAdobe Stockでの販売がスタートします。
- 審査を通過した写真→ダッシュボード
- 不採用になった写真→却下
- 再提出が必要な写真→保留中
不採用になった場合、なぜ審査を通過できなかったか理由を教えてくれます。技術的な問題や類似画像の提出済み、知的財産権の侵害など、理由を知ることで同じ失敗を繰り返さないように対策できます。
Adobe Stock にポートフォリオが完成
ダッシュボードの「マイポートフォリオ」をクリックすると、審査を通過した写真が並んだギャラリーが開きます。
ダッシュボードでカバーを選択できるので、ポートフォリオカバーに販売中のお気に入りの写真を設定しましょう。
購入者も見れるページなので、検索で「この写真好きだからクリエイターの他の写真も見てみよう。」「誰が撮ったんだろう?」とポートフォリオページを見て他の作品を購入してもらえる可能性もあります。Adobe Stockで自慢の写真を沢山販売して、世界中にクリエイターとしての名前と作品を拡散できます。
インサイトで売れる写真を分析しよう
Adobe Stock コントリビュータープログラムの魅力の一つはインサイトをチェックできるところです。
写真が購入されると、アカウントページの「インサイト」から自分のポートフォリオで売れている写真の統計を分析できます。
インサイトの左側に表示されるメニューでデータの種類や期間を設定してください。人に見て欲しいと思う作品と、実際に購入される写真は違ったりするので、インサイトで分析することで購入者のニーズを知ることができます。
分析から売れやすい作品や自分の強みをさらに極めていくことで、Adobe Stockで活躍するクリエイターの仲間入りできるチャンスに繋げられます。
「最近よく売れているアセット」をクリックすると、トレンドの写真素材を見ることができます。上写真の時期はバレンタインが近づいていることもあり、ハートやピンクカラーの写真が多く表示されています。その時期によく購入される写真の系統を知ることで、自分のポートフォリオで販売する写真も決めやすくなります。
また、写真素材はAdobe Stockのサイトからだけでなく、PhotoshopやPremiere Pro、Illustratorなどアドビデスクトップアプリケーション内から直接アクセス、購入することができます。世界最大規模のクリエイティブコミュニティだからこそ、写真作品を見てもらえる機会に恵まれています。
Adobe Stockコントリビュータープログラムで写真を販売するメリット
Adobe Stockで写真を販売するメリットをまとめてみました。
✔︎ 写真家としてのスキルアップにつながる
✔︎ キーワード自動入力で購入者に需要のあるテーマを知れる
✔︎ インサイトで売れる写真を分析できる
✔︎ 何百万人もの購入者に向けて写真発信ができる
その中でも私が特に魅力的に感じたメリットを3つご紹介します。
半永久的にストック収入を得られる
ストックフォトサービスで写真販売をするメリットは、Adobe Stockがある限り、一度販売した写真は消去しなければ半永久的にポートフォリオに残り、売れ続けるところです。
本業をしている時も、家族と過ごしている時も、寝ている時も、自由に行動している間にも写真が売れ、収入になるのは理想的ですよね。そのためには写真枚数を増やしたり、ニーズに応える写真を販売する必要がありますが、ある程度売り上げが安定したり、クリスマスやバレンタインなど売れやすいイベントを狙った写真を販売することで、一枚の写真が何千円、何万円にもなる可能性があります。
写真家としてのスキルアップに繋がる
Adobe Stockを利用することで写真家としてのスキルアップになる理由は、
- 写真を言語化するプロセス
- インサイトでの写真分析
- Stock コントリビューターラーニングとサポートでの学び
が備わっているからです。
特に「Stock コントリビューターラーニングとサポート」は、売り上げを伸ばすためのヒントから具体的なタイトルやキーワードの設定を学ぶことができます。クリエイターとしてバイヤーが求める写真を追求するための学習プログラムを無料で提供しているのは素晴らしいなと感じました。
何百万人もの購入者に向けて写真発信ができる
自分でゼロからWEBサイトを作ったり写真販売をするには、サイト制作の知識や、クリエイターとしての名前の認知がなければ多くの人に見てもらうのは難しく、購入されるまでに時間がかかります。しかし、すでに世界中で何百万人ものバイヤーが登録しているAdobe Stockであれば簡単な写真のアップロードだけで多くの人にすぐ見てもらえます。
表示されるのはクリエイター名と写真のみですが、クリエイター名をSNSやポートフォリオサイトと同じ名前にしておけば、作品を気に入ってくれたメディアや企業が仕事依頼をしてくれるかもしれません。
世界中に作品を発信することで、クリエイターとしての可能性が無限に広がります。
写真販売を継続するには?
「ストックフォトサービスを利用したことがあるけど続かなかった。」「売れるまでモチベーションが続くか心配。」という方もいるのではないでしょうか。そんな方は以下の方法を試してみてください。
✔︎ 他のクリエイターの作品を見る
✔︎ 撮影やレタッチのスキルアップ
「インサイト」では売れている写真の統計を知ることができたり、期間を設定して売り上げが伸びている時期がわかります。自分の写真の特徴やシーンから売れやすい時期を知り、購入者が求めている写真を理解できます。
また、Adobe Stockは他のクリエイターの作品も見ることができるので、自分が得意なカテゴリで人気の作品をチェックしてみるのも大事です。撮影方法やレタッチから購入してもらいやすい写真の印象を知れるかもしれません。
「Adobe Stock コントリビューターガイド」に販売の基本から購入者に見つけてもらう秘訣も掲載されているのでチェックしてみましょう。
「アーティスト開拓ファンド」で未来を切り開く
Adobe Stockならではの取り組みとして、ロイヤリティー以外にも売り上げに応じたボーナス「Creative Cloudが無償で使えるプログラム」や、「アーティスト開拓ファンド」といった、優れたアーティストの活動をサポートするプログラムも用意されています。
アフリカ系、ヒスパニック系およびラテン系、アジア系および太平洋諸島出身者、先住民族、LGBTQ+、女性、ハンディキャップのある人、年齢、ベテラン、宗教、身体や肌の色など、過小評価されたコミュニティの一部であると自己認識しているクリエイターの作品が世の中で認められるよう経済的にサポートしてくれるAdobe独自の支援プログラムです。
まとめ
以上、Adobe Stock コントリビュータープログラムの写真販売の流れやメリットなどをご紹介しました。
ストックフォトサービスを利用する目的はさまざまですが、ただ作業的に収入を得るのではなく、同じ作業からより売れるためのキーワード分析をすることや、自分のポートフォリオのクオリティをあげることができるのがAdobe Stockの魅力です。
ぜひ、みなさんもAdobe Stock コントリビュータープログラムで自分の作品を世界中に販売してみてください。